小梅あかり

ネット小説書き。エッセイ、日記。 好きなもの:BL、西洋歴史。古代史(オリエント、ロー…

小梅あかり

ネット小説書き。エッセイ、日記。 好きなもの:BL、西洋歴史。古代史(オリエント、ローマ)。キャンプ。万年筆。 エブリスタ:https://estar.jp/users/157252808 ツイッタ:https://mobile.twitter.com/happybird1178

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最近の記事

サンタ兄さん

クリスマス近いので載せてみる。 サンタのことを夢に見たときのこと。本当にこんな夢を見た。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー  白いTシャツにジーンズの、ひょろっとしたフツーっぽい背の高い兄さんが現れて。  周囲の人にプレゼントを渡しだした。  にこにこと喜ぶ周りの人たち。  兄さんがいうには 「俺……サンタなんです」  そして私もプレゼントをもらって、そこにはチラシが一枚入っていた。  読むとこう書いてある。 「サンタ募集中!人にプレゼントを届ける簡単なお仕事

    • 詩「12月の朝」

      真っ赤な分厚いセーターを、クローゼットから出す。 お気に入りのセーターで、全身が毛糸の匂いに包まれる。 居間のストーブをつけて、クリスマスの音楽を流す。 木琴やグロッケンの響き、鈴の音、澄んだ香りのような音楽。 青森のりんごはつやつや。 熊本のみかんも机の上に置く。 ノートを広げて、万年筆で書き始めれば、紙の香りがする。 まだ寒い台所は、少しだけしっとりした外の空気。 野菜とソーセージを鍋に放り込み、シチューを作る。 最初に人参を煮込み、最後にはルーを入れる。 温かく

      • エッセイ「病室革命の歌」

         クリーム色の薄い布のカーテンは、光を透かす子宮の壁だ。病室の大部屋。テレビの置かれた戸棚には、手術の痛み止めの薬が置いてある。ベッドの白いシーツに、胸の傷口から出るドレーンから落ちた、赤い薄い体液のしみがひとつ。  そのベッドに腰掛け、私はイヤホンで古いロックを聞いている。軽快なリズムで、音が踊る。人には愛と希望がいるのだと、女性の歌手が歌っている。  夕方の五時に白いマスクを付けた、五十代の男性の主治医が回診にきた。私の胸帯を開けて、傷の塞がりを確認する。 「左胸

        • エッセイ「また、会えるよ」

           死んだ父の夢を見ることがある。食道がんで五十一歳に亡くなった父は、夢の中では元気なときの姿で、川のほとりに立っている。  それは私が子供の頃に家族でよく通ったニューヨークのハドソン川であったり、湖のように大きな見知らぬ川だったりした。  川はゆったりと流れて、淡い青空の下、静かに水面が輝いている。少し霧がかかって、遠くの対岸には近代的なビルなどの現代の街並みが見える。他に人はおらず、私と父の二人きりだ。  父の出てくる夢はもう何度も見たので、夢の中に現れても、私はすぐ

        サンタ兄さん

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        • エッセイ集
          3本
        • 乳がん日記
          7本
        • オリジナル詩集
          1本

        記事

          エッセイ・リトルボーイ

           リトルボーイは、第二次世界大戦中に広島へ落とされた原子爆弾のコードネームだ。  米国にある博物館で、私はリトルボーイの展示を前にたたずんでいた。私は八歳前後で、時代は八十年代の中頃のことだ。米国では日本の真珠湾攻撃が有名で、原子爆弾の投下は必要であり正しいという意見が一般的だった。  米国のどこの博物館かはっきりと覚えていない。調べたらリトルボーイは1986年までワシントンにあるスミソニアンの国立航空宇宙博物館に展示されていたので、そこだったと思う。  米国の首都ワシントン

          エッセイ・リトルボーイ

          7乳がん日記2022年6月27日4/4

          ところで、クリニックでの私の検査中に、 先生と看護婦さんの会話で 「どこに針を刺そう。うーん、全摘の可能性も考えて〜…」 と、めっちゃ話していました。 全摘かあ。 乳房温存、一部の摘出が出来るかなと思っていたので、全摘ならより重いのかもですね……。 ステージ2じゃないかもしれない。 しかし、クリニックの壁の張り紙には 「告知はゆっくり時間をかけて説明します」と書いてありまして。 私は今日の検査前にその張り紙を読んで 何だって! と逆に、驚いてしまいました。 うーむ。

          7乳がん日記2022年6月27日4/4

          6乳がん日記2022年6月27日3/4

          針生検の検査をしました。 今さっき、終わりました。 2時間後に、検査後の箇所が出血していないか、もう一回クリニック戻って、確認する必要があります。 それで、いまはクリニック近くのカフェに入って、お茶しています。バニラアイスを乗せたコーヒーゼリーを食べています。 夫は急な仕事が入ってしまったので、先に帰宅しました。仕事の担当を一緒にしている方の奥さんが、救急車で緊急搬送されたので、付き添いでその方も行ったそうです。 それで夫が急きょ、担当の仕事を一人でやらねばならなくなり

          6乳がん日記2022年6月27日3/4

          5乳がん日記2022年6月27日2/4

          これは昨日行ったコメダー。モーニングのローブパン、美味しいですね。夫と行ったので二人分。 コメダで私が何を読んでいたかというとー。 「ビジュアル図解 メソポタミア文明事典」エンリコ・アスカローネ。 この本はフルカラーですごく良いのですが、お値段もすごくて1万6千円くらいします。 あまりの値段に、急に出す気は起きなくて、私は図書館で借りました……。 その値段で、本棚が買える! 夫:「その本、誕生日プレゼントに買ってあげようか」 私:「いや、この値段なら別のものが欲しい」(;

          5乳がん日記2022年6月27日2/4

          4乳がん日記2022年6月27日1/4

           私はすぐ熱中症になりやすいので、夏の間だけ、外出が不自由です。  散歩は大好きなんですけど、今は朝だけ。  30度になる前、早朝と夕方〜夜だけ外に出ています。  正直、不便です。  暑い時間はクーラーを使い。  コンビニとネットスーパーを使って、食べ物は何とかしています。    外出時は保冷剤、クーリングタオル、塩、水、水を凍らせたペットボトル、空調服、小さい扇風機などを組み合わせて対策をしています。 とにかく熱中症対策をして、出掛けます。  それでも車の中で、熱中症にな

          4乳がん日記2022年6月27日1/4

          3乳がん日記2022年6月25日

          こんなカミングアウトをして、友人たちも読者も減っちゃったら、どうしよう 、と不安にはなります。 でも、私には支えが必要です。 吐き出す場所が。 だから、ここは大切な場所です。 普段つよつよの私も、さすがに凹んで、食欲が落ちました。 私はふくよかなので、ダイエットしたほうが、生存確率が上がります。ほどよく痩せるのは丁度いいと思います。 悪性腫瘍の可能性が高い、と医者から言われたあと さーっと自分の頭が覚めるように 頭脳が明晰になりました。 現実を信じたくないショックもふ

          3乳がん日記2022年6月25日

          2乳がん日記2022年6月24日2/2

          治療が始まったら、薬の副作用や通院とかで、余裕がなくなる。 私に残された、治療前の自由に動ける時間は、そう長くないのです。だから、今のうちに頑張る。 写真は「ギルガメシュ王の物語」翻訳:月本明男(ぷねうま舎) 絵はクレパスとオイルパステルで描きました。 CDと合わせて持っています。この朗読CDを聞くと、何だか気持ちが落ち着きます。 ギルガメシュ王と、親友エンキドゥの話。 「人類最初のBL」と呼ばれてるやつです。 どちらかというと、二人の強い友情を描いているので人類最初のブ

          2乳がん日記2022年6月24日2/2

          1乳がん日記2022年6月24日1/2

          今月6月、胸にしこりを見つけたので 21日に、乳腺外来に行ってマンモグラフィとエコーの検査を受けました。 そうしたら、悪性の腫瘍の可能性が高いと、お医者さんに言われました。 また来週の月曜に、もっと詳しい検査をします。 麻酔をかけて、注射針で腫瘍の細胞を採取するやつ。 痛くはないそうです。麻酔をかけるから。 この検査をするということは、悪性の可能性は高いと、私も察しています。 検査結果は2~3週間後にわかります。 どの悪性腫瘍のタイプか、型の診断をして 次の治療の計画を立

          1乳がん日記2022年6月24日1/2

          詩「陽炎(かげろう)」

          今日の世界はグラフの移ろい 白い壁の向こうに流れる 細胞の影を歩くひと ゼロの海を飛翔する 宇宙ステーションの軌道を放って 光の庭の陽炎(かげろう)は ゆらめき立つ草花の 蜃気楼も鮮やかで 散って蘇る花々は 海のありかを風に知る 満ち満ちて透明な はるか彼方のゆらぎから やって来るのは ゼロとイチのさざめき

          詩「陽炎(かげろう)」