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【読書】1月に読んだ本 13冊

1月に読んだ本を振り返っていきます。
13冊。結構読んでますね。

嘘つきジェンガ / 辻村深月


山女日記 / 湊かなえ

残照の頂 続・山女日記 / 湊かなえ


ショートケーキ / 坂木司

ショートケーキにまつわる5つの連作短編集。絶妙な登場人物の絡ませ方で、少しずつ人物像が立体的になっていき、楽しく読めた。新米ママたちが互助会つくって好きなものを食べ合うの、いいなあ。でも結局1回で終わっちゃうところも。どの世界にも互助会があれば豊かになれそうだ。登場人物がみんないいヤツだった。


昨日の海は / 近藤史恵

四国の海際に住む光介の家に、東京から母の姉・芹とその娘が引っ越してきたことから物語は始まる。祖父母が実は無理心中だったと教えられた光介は、自分なりに祖父母について調べ、真実にたどり着いていく。
さらさらっと書かれているが、探偵役を高校1年生の光介にしたのはキツいだろう、という真実だった。芹もそんなペラペラ話すか、というくらい光介に話すのでそこの違和感もありつつ…。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ / 辻村深月


バッグをザックに持ち替えて / 唯川恵

55歳から登山を始めた唯川恵さんの登山エッセイ。軽井沢に住居があるとのことで、登場するのが馴染みのある山だらけで、読んでいてとっても楽しかった。わたしも趣味は登山ですとキッパリ言えるくらいになりたい。

縁 / 小野寺史宜

1話を読んで「これで終わり?」と思ってたら連作だった。繋がり方が絶妙。2話のメインキャラクターである真波がとんでもなく高飛車でイヤな女だった。物語のパターン的に彼女がギャフンと言わされる展開はないとは分かっていても、思わずそれを期待してしまった。とは言え、真波と玉井の言い争い、ああ、とても既視感がある。真波のようなキレ方、あるあるだし、玉井の冷静さが怒りに火をつけるのも、あるなぁ。

嫌いなら呼ぶなよ / 綿矢りさ

あらゆるジャンルのクセ強めな人が出てくる。表題作はヒリヒリしたけど笑ってしまった。ああやって正義を振りかざして責めてくる人いるし、そりゃ浮気したのは悪いけどなんだか不憫に思えてきてやはり笑ってしまうのだった。やはり主観でしか物を見ないことは危険だ。危うい。最後の作家とライターの板挟みになる編集者も不憫過ぎて。でもどこか笑ってしまうのはなぜだろう。

噛み合わない会話と、ある過去について / 辻村深月

再読。うっかり自分が言ってしまったことで、誰かの深い深い傷になってしまっているかもしれない可能性を考える。嫌な気持ちになって嫌、と言う感想も見かけるけど、わたしはその反対で背筋が伸びる。
この本を読んで思う居心地の悪さは、明日は我が身と思うからだ。人の出会いの数だけ、私に対する印象があるはずで、話したこと、伝えたこと、言い方や温度感なんていちいち覚えていないから怖い。覚えていないからこそ、やっぱりこの本は定期的に読み返して自分への戒めにしたい。

クローゼット / 千早茜

洋服の描写があまりに美しくて、文字だけなのに、手触りまで手に取るように想像できた。物語が進むにつれ、纏子がだんだん息がしやすくなるのと同じように、読んでいる方もゆったりした気持ちになっていくのも不思議。嫌なやつも出てきたけど、3人の周りにはいい人しかいないのも救いがある。自分の空気とは違うコミュニティにはいられなくて、自分からその輪から外れるようになっているのかな、社会って。纏子だけじゃやく、芳も晶も楽に生きられる世界にいてほしい。

赤と青とエスキース / 青山美智子

帯を読んで予想はついてしまったけど、ふわふわ温かい気持ちになれた。トマトジュースとバタフライピーの話が好きだったなぁ。雄弁な人ほどとっつきやすく人に好かれるけど、人はそんな単純じゃないよね。あと、全編を通して言えることは、アートを売ることで生計を立てる画商がいて、さらにそのお金でアーティストがアートを続けられるということ。純粋な人ほど画商という仕事に苦悩する気持ちもわかるし、画商がいなければアーティストが食べていけないこともわかるし。青山さんらしい人と人の繋がりを描いた作品だった。

灰色の北壁 / 真保裕一

大寒波の夜に雰囲気出そうと思って読んだ(何の雰囲気)雪の日に読んだ登山にまつわる中編集。極限のなかで繰り広げられる人間ドラマ。難易度の高い山に挑み続ける人が、なぜ危険を顧みないのか、なぜ登り続けるのかが、この本を読んで少しわかった気がする。表題作の灰色の北壁も面白かったけど、黒部の羆もハラハラして面白かった。ミステリとしても楽しめるのがまた良い。


2月につづく。

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