たつたかんな│編集者

北海道暮らし、文章、時々写真。編集者/ライターです。大切にしているのは、「そのまま書く…

たつたかんな│編集者

北海道暮らし、文章、時々写真。編集者/ライターです。大切にしているのは、「そのまま書くこと」。〆切の合間を縫うように、編集のしごと、日々の生活で考えたことを書いています。 ✉🐦 Instagram:@kanna_pen Mail:tatsutakanna@gmail.com

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「もう聞かなくてもいい」と思った取材のこと。

編集者として、取材して記事を書く仕事を始めて5年半ほど経ちます。メインで携わっているのは、北海道の心豊かな暮らしを伝える季刊誌。おいしい野菜を育てる生産者さん、…

ラジオから聞こえてきた単語を「いつか原稿で使いたいな」と心のメモに書き留めたり、通りすがりのおばあちゃんがぽつっとかけてくれた言葉に「素敵な響きだな」と心の中で反芻したり。いつも自分の中に、拾い集めた言葉があります。

日陰の気持ちのゆくえ

こんばんは。6月最後の日曜日、いかがお過ごしでしょうか。私は昼間の暑さが過ぎて、やっと涼しい風が吹いてくることにとても安心しながら、音楽をかけて、6月の出来事を振…

忙しさの肯定

窓を開けたときの風があまりにも清々しくて、初夏だと思いました。この時期の季節の進みは目まぐるしくて、足並みを揃えられないときがある。6月の始まりの週末、やっと季…

ここひと月ほど、深呼吸がしにくかった。それがやっと緩みはじめて、あと少しで、新しい気持ちを見つけられそうな予感があります。見つけて、ちゃんと手に入れたい。そんなふうにして大好きな5月を締めくくれるならきっと幸せ。写真は私のいちばん好きな出張ホテルの朝ごはんです。

8年目の〆切もやっぱりてんてこまい

日曜日の夜、原稿を書いていたら日付が変わっていた。その日は朝7時から1本目を書いて、途中で家事をしたりお昼寝したりして、まぁまぁ順調に進み、夕方から2本目をスター…

ここ一年くらいの間に頼られる側になる機会がぐんと増えて、たくましくなったよねって言われたりもして、確かにそういう一面もあるだろうと思う。でも、そういう風になりたかったんだっけ、とも思う。これだけ大人になっても、本当の自分みたいなことに悩んじゃうなんて。紛れもなく春です。

きっと何度も思い出す、「非日常」な週末。

ここ数日、ずっと頭がいっぱいで、気持ちもすっとせず、体調までぱっとしなかった。季節の変わり目とか気圧のせいだと思っていたけど、空と風が穏やかになっても戻らない。…

うれしさもよろこびもちゃんとあるけれど、実は低迷中。体調が優れなくて夜は本当に寝るだけの数日を過ごしたので、今日から一つずつ立て直していこうと決めた。朝は掃除機をかけるとか、夜は湯たんぽを用意するとか、そういう小さな生活のパーツを立て直すような、なんてないこと。

料理について、特別好きとかきらいとか思ったことなくやってきたけど、なかなか好きかもしれないと思う冬。上手じゃなくても好きでいていいよねと思えた冬。週末の作り置きでコツコツ暮らして、ちょっと残ったヨーグルトをカレーに入れて使い切れたときの、あの小さな充足感。今週末は何つくろうかな。

日常に還る

悲しかった。なんて書き出してみたら、眉間にぎゅっと力が入って、瞼の奥がぎゅっとなる。ここではいつも素直な話をしていたい。悲しいだけの話はしたくないけど、なんとな…

七日分の、今日のできごと。

今読んでいるのが日記形式の本だからか、締め切り前で毎日文章を書いているからか、連休でひとりで過ごす時間が長いからか、頭の中が書きたいあれこれであふれかえっている…

〝じゃないほう〟の文章だったとしても。

noteの編集画面を開いたときに、するすると言葉が出てくる日と、書いては消してを繰り返す日があります。今日は今のところ後者で、数十字書いては消して、また書いて…を何…

ふつうのクリスマスに願う、幸せのための小さな革命。

クリスマスを目前に控えた週末の朝、台所でお湯を沸かしているとき、なんだか気持ちがふくふくしていることに気づく。パーティーの約束も、イルミネーションを見に行く予定…

たまちゃんの背中

2019年から定期的に、たまちゃんについて1000字程度の文章を書いています。書きたくなるのは、不思議といつも木々の葉っぱが落ちてから。今日は4回目の、手紙のような日記…

30回の旅、50本の原稿、700枚の写真。

これは2023年の私が、車を走らせ、書いて、撮ったものたちを(大まかに、記憶の範囲内で)数で表してみたものです。 12月の始まり、ある作家さんとお茶していたときに、「今…

「もう聞かなくてもいい」と思った取材のこと。

「もう聞かなくてもいい」と思った取材のこと。

編集者として、取材して記事を書く仕事を始めて5年半ほど経ちます。メインで携わっているのは、北海道の心豊かな暮らしを伝える季刊誌。おいしい野菜を育てる生産者さん、すてきな器や道具を生み出す作家さん、心がほっと温まるカフェや喫茶店を営む人たちを「取材」という形で訪ねては、本当にたくさんのお話を聞かせてもらってきました。

農家さんの家にお邪魔して夜まで過ごした一日、馬そりに乗せてもらった日、憧れだった

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ラジオから聞こえてきた単語を「いつか原稿で使いたいな」と心のメモに書き留めたり、通りすがりのおばあちゃんがぽつっとかけてくれた言葉に「素敵な響きだな」と心の中で反芻したり。いつも自分の中に、拾い集めた言葉があります。

日陰の気持ちのゆくえ

日陰の気持ちのゆくえ

こんばんは。6月最後の日曜日、いかがお過ごしでしょうか。私は昼間の暑さが過ぎて、やっと涼しい風が吹いてくることにとても安心しながら、音楽をかけて、6月の出来事を振り返っているところです。夜にかけて、大雨が降ると天気予報が教えてくれました。

今聞いている音楽、ここにも置いていくのでよかったらご一緒に。

どんなタイトルにしようかなとこれまでのnoteを遡っていたのですが、その大半があまり明るくはな

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忙しさの肯定

忙しさの肯定

窓を開けたときの風があまりにも清々しくて、初夏だと思いました。この時期の季節の進みは目まぐるしくて、足並みを揃えられないときがある。6月の始まりの週末、やっと季節の進みと自分の足並みが揃いました。

5月の連休明けからずっと、物理的にも気持ち的にも追われていて、喉のところにいつも心配ごとがあるような、意識しないと深呼吸を忘れてしまうような、そういう日が続いています。

そういうときにできる対処法は

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ここひと月ほど、深呼吸がしにくかった。それがやっと緩みはじめて、あと少しで、新しい気持ちを見つけられそうな予感があります。見つけて、ちゃんと手に入れたい。そんなふうにして大好きな5月を締めくくれるならきっと幸せ。写真は私のいちばん好きな出張ホテルの朝ごはんです。

8年目の〆切もやっぱりてんてこまい

8年目の〆切もやっぱりてんてこまい

日曜日の夜、原稿を書いていたら日付が変わっていた。その日は朝7時から1本目を書いて、途中で家事をしたりお昼寝したりして、まぁまぁ順調に進み、夕方から2本目をスタート。22時には眠ろうなんて思っていたのに、結局こんな時間なんて何かがおかしい。

そもそも、木曜日にはけりがついているはずだった。火曜日まではどうにかこうにか予定どおりに進められていたのに、水曜からずるずると遅れ始めた分が後に響いた。ふが

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ここ一年くらいの間に頼られる側になる機会がぐんと増えて、たくましくなったよねって言われたりもして、確かにそういう一面もあるだろうと思う。でも、そういう風になりたかったんだっけ、とも思う。これだけ大人になっても、本当の自分みたいなことに悩んじゃうなんて。紛れもなく春です。

きっと何度も思い出す、「非日常」な週末。

きっと何度も思い出す、「非日常」な週末。

ここ数日、ずっと頭がいっぱいで、気持ちもすっとせず、体調までぱっとしなかった。季節の変わり目とか気圧のせいだと思っていたけど、空と風が穏やかになっても戻らない。家で過ごす休日が大好きなのに、なんだかうまく過ごせない。

そんなときにふと、遠くへ行くのがいいかもと思った。地元でも、仕事先でもない、遠くのまちで過ごす休日を想像したら、気持ちがふわっとした。

誕生日があるし、ちょっと贅沢をしてもいい。

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うれしさもよろこびもちゃんとあるけれど、実は低迷中。体調が優れなくて夜は本当に寝るだけの数日を過ごしたので、今日から一つずつ立て直していこうと決めた。朝は掃除機をかけるとか、夜は湯たんぽを用意するとか、そういう小さな生活のパーツを立て直すような、なんてないこと。

料理について、特別好きとかきらいとか思ったことなくやってきたけど、なかなか好きかもしれないと思う冬。上手じゃなくても好きでいていいよねと思えた冬。週末の作り置きでコツコツ暮らして、ちょっと残ったヨーグルトをカレーに入れて使い切れたときの、あの小さな充足感。今週末は何つくろうかな。

日常に還る

日常に還る

悲しかった。なんて書き出してみたら、眉間にぎゅっと力が入って、瞼の奥がぎゅっとなる。ここではいつも素直な話をしていたい。悲しいだけの話はしたくないけど、なんとなくきれいにまとめたりもしたくない。

だから今、心の真ん中にあることは書けない。だけど今、自分のことばで何か書かないとたぶんぐずつく。そうならないために、書きたいと思う。

今から書くのは、いつも以上にとりとめのない、ひとりごとのようなお手

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七日分の、今日のできごと。

七日分の、今日のできごと。

今読んでいるのが日記形式の本だからか、締め切り前で毎日文章を書いているからか、連休でひとりで過ごす時間が長いからか、頭の中が書きたいあれこれであふれかえっている。思ったことが頭の中でどんどんどんどん文字になってしまう。料理をしていても、本を読んでいても、散歩をしていても。

文章にして外に出してあげられたらいいのだけど、今は締め切り前。生活の中であふれてくる文字たちを心に落として、テーマごとにまと

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〝じゃないほう〟の文章だったとしても。

〝じゃないほう〟の文章だったとしても。

noteの編集画面を開いたときに、するすると言葉が出てくる日と、書いては消してを繰り返す日があります。今日は今のところ後者で、数十字書いては消して、また書いて…を何度か繰り返しているところです。

「今日は」というより、この頃は書いては消しての日のほうが圧倒的に多くなりました。下書きにいくつもの日記を溜めこんだまま、「noteを始めて5周年!」の通知をもらってしまいました。

ちょうど一年前、4周

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ふつうのクリスマスに願う、幸せのための小さな革命。

ふつうのクリスマスに願う、幸せのための小さな革命。

クリスマスを目前に控えた週末の朝、台所でお湯を沸かしているとき、なんだか気持ちがふくふくしていることに気づく。パーティーの約束も、イルミネーションを見に行く予定もないのに、何かがうれしい。幸せが、静かにこみ上げてくる。

何かあったっけ。思いつくのは、心待ちにしていた冬至がやって来たとか、シュトレンの贈り物が届いたとか、原稿が順調に書けているとか、どれも特別過ぎない、ささやかなものばかり。でもどう

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たまちゃんの背中

たまちゃんの背中

2019年から定期的に、たまちゃんについて1000字程度の文章を書いています。書きたくなるのは、不思議といつも木々の葉っぱが落ちてから。今日は4回目の、手紙のような日記のような文章を書いてみようと思います。

5年ほど前に、「同じ会社の先輩と後輩」として出会った私たちですが、
たまちゃんのことを「後輩」だと思ったことはほとんどありません。
特に会社員時代はたまちゃんの背中を見ていたような感じで、時

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30回の旅、50本の原稿、700枚の写真。

30回の旅、50本の原稿、700枚の写真。

これは2023年の私が、車を走らせ、書いて、撮ったものたちを(大まかに、記憶の範囲内で)数で表してみたものです。

12月の始まり、ある作家さんとお茶していたときに、「今年みんな、どれくらいの数のものをつくったんだろうね」という話をしたのが頭に残っていて、振り返ってみたくなりました。

多いとか少ないとかは置いておいて、並べてみるとなんだかしみじみとした気持ちになりますね。飲んだコーヒー豆の種類と

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