見出し画像

8年目の〆切もやっぱりてんてこまい

日曜日の夜、原稿を書いていたら日付が変わっていた。その日は朝7時から1本目を書いて、途中で家事をしたりお昼寝したりして、まぁまぁ順調に進み、夕方から2本目をスタート。22時には眠ろうなんて思っていたのに、結局こんな時間なんて何かがおかしい。

そもそも、木曜日にはけりがついているはずだった。火曜日まではどうにかこうにか予定どおりに進められていたのに、水曜からずるずると遅れ始めた分が後に響いた。ふがいない。もう本当にふがいないです。

深夜まで原稿を書く羽目になったのは、日中にちょっと安心してお昼寝したせいかもしれないし、夕方ピーマンの肉詰めなんて手間のかかる料理を作ってしまったからかもしれない。だけど何を言っても仕方がない。月曜日の朝にはぜったいに入稿したいのだ。

基本的に夜に書く原稿を信じていない。だから普段は夜に書くくらいなら朝4時に起きて書く…という風にしているのだけど、今日のところはそうも言っていられない。夜のうちに書き切りたかった。

田舎の夜は本当に静か。国道の近くに住んでいた頃は深夜でもトラックやバイクが走る音がしたけれど、ここではそういう音がしない。夜9時を知らせるチャイムが鳴った後は、ずっとずっと静か。

そんな静かさの片隅で深夜にひとり、パソコンに向かって書いていたのは、人と人との関わり、そこから生まれる温かさについて。書いている状況とはなかなかギャップがあっても、それでいい。そういう意味で、「自分を一定に保つ」って大事だよな、難しいなと思ったりする。

時計の針がどんどん進んで焦り始めたところで脱稿。間に合った。

月曜日、入稿する前に見直したら、予定よりだいぶ多めに書いていることに気づいてレイアウトを調整。幸いデザイナーさんの作業が午後からになるとのことで、午前中に細かいところを推敲する時間をとらせてもらった。

夜に限らず、書きながら「悪くないけどなんか違う気がするなぁ」と違和感を覚えた部分は、ほぼ100%の確率で書き直すことになる。そう感じた瞬間に推敲できたらいいのだけど、私の場合は「いったん書き切って、後で整える」ほうがどうしても早い。あとその場で推敲する余裕がない日のほうが多い。

ちなみに書き切るときは、必要な文字数より1.3-4倍くらい多めに書くのがコツ。とにかく一度終点まで行って、気になったポイントまで戻ってみるような感覚。

そんな風にして今回も書ききった。ふがいなく思う部分は、たくさんあった。小さな違和感の一つひとつと向き合って、できる限りを注いで。

編集者になって8年目の春。去年の春の号はもっと追いついていなかったし、一昨年の春の号はもっと散々だった。今も追われてはいるけれど、ほどほどのペースを保てている。最低でも、重ねた時間分の成長はちゃんとあるみたいだ(と信じてる)。

いつだったか、今よりずっとてんてこまいだった私にある人がかけてくれた言葉を時々思い出す。「新人の頃は何をやっても大変だけどさ、それだけ長く続けてもそれだけ大変なら、それはちゃんと大変なことなんだと思うよ」。

世の中の物差しで測ってみれば、私のてんてこまい具合なんてちっちゃなものなんだろうと思う。でも私の物差しでは、ずっとちゃんと大変。ただずっと続けてきたことで、目盛りの大きさは変わってきたような気がする。軽くなる部分も、楽になる部分も不思議なくらいにないけれど。

写真は、なかなかの寝不足で作った、ピーマンの肉詰め入りのお弁当。結果的に、その週いちばんちゃんとしたお弁当となりました。

今回も文章を書きながら、考えたり気づいたことがたくさんあったので、また書きます。道端に福寿草がぽこぽこ顔を出しはじめた北海道より。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?