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ジェンダーギャップとか、難しく考える前にできること

2019年6月25日、聖路加国際大学のホールでひらかれた
『女性が変えるグローバルヘルスと日本 自分が変わる、社会を変える』

グローバルヘルス、ジェンダーギャップ、男女不平等、女性蔑視、とりあつかうテーマは
日本社会のなかで置き去りにされがちで、焦点があてづらい大きなテーマだった。

でも、今回の講演は、そのような問題を気難しく、被害者的に訴えるのではなく、
★大きなテーマをよみとくためのキーワードの説明、と
★社会とか大きなものではなく、自分と自分の身の回りの人をどう変えていくか、という
ものだった。

登壇者の方々は、国際保健分野の最前線で活躍する女性の方々で、
UNFPA(国際連合人口基金)東京事務所長の佐藤摩利子さん。
アメリカでのクリントン大統領政権の米国保健福祉省で高齢化次官補を6年勤め、高齢化法案の制定とや家族介護について歴任した、社会政策学博士、Janette C. Takamuraさん。
WHO健康危機プログラム、シニアサイエンスアドバイザーで世界的に感染症対策に取り組む、進藤奈邦子さん。
NHKからフリーアナウンサーになり活躍している、久保純子さん。
オーストラリアで健康科学、看護国際保健を学び、厚生労働省やWHOで感染症対策に取り組む、岡邦子さん。

本当にそうそうたるメンバーで、皆様本当にかっこよく、キラキラしていて、力強くて、自分の意見をまっすぐ述べられるパワーあふれる方々だった。
進藤先生が、メッセージとして
『憧れの人に会いに行こう』と言ってくださったけれど、その通りの機会、私はこんな風になりたい、と前を向く気持ちを強くさせてくれた。

『ジェンダーギャップをなくそう、という問題は、ただの良いアイデアではなく、社会にとって必要だと、認識されないといけない。日本で女性の力が発揮されない限り、日本の競争力はあがらない。』
最初の登壇で、Jeanette先生はきっぱりとお話された。
そのことを示す、ジェンダーギャップについて各国と日本を比較したデータや、世界の取り組みを紹介してくれた。
日本は教育や寿命は男女の差は、世界と比べるとほとんどないけれど、
圧倒的に政治参加や、経済的平等、ヘルスケアの部門で、ジェンダーギャップが存在しているという。
政治参加は、世界的に平均女性は24.1%なのに、日本は10%だ。
アイスランドでは、会社は男女に平等に賃金を支払う、という法律があるという。
イギリスには、企業が男女の賃金を後悔しないといけないという。

まず、ジェンダーギャップという大きなテーマをよみとくためのキーワードについて。
女性のへのエンパワーメントは、女性が自身の体を、自分の意志でコントロールできるようにすること。守られない最たるものが、性暴力であり、望まないし妊娠やDVだ。
また、ミソジニ―という言葉は“女性嫌悪”として使われるけれど、それは男女の不平等とは違う論点であること。ミソジニーは女性を一方的に傷つけるものであり、平等とは不平等の問題ではないこと。
ジェンダーギャップに向き合うときには、社会の権力と特権がどのように作用しているか、考える必要があること。たとえば本来特権をもっていた男性や、社会的に力のある人達を敵視するだけではなく、どのような作用があるから、どう変えたらいいか、と考える必要がある。
Critical massという概念、これは男性が女性の真の味方になること、つまり男性が女性の問題に気づくこと。今ある活動としてはHeforsheなど。
ただただ「女性はこんなに大変、不平等!」という被害者面した議論ではなく、このように言葉の概念や、社会を理解するためのキーワードが、双方で理解されていないと、
良い議論にもならないと思った。

社会とか大きなものではなく、自分と自分の身の回りの人をどう変えていくか、という
こと。
登壇された方は、キャリアの一方、結婚や子育てをされていた。
いわゆるマタハラであったり、職場の同僚や上司に気づかれないまま育児と仕事の両立に苦しんだ時期があったり、男性社会のなかでもまれた経験をもっていらした。
また、職場では上司の立場になり、管理者として上司と部下の関係をマネジメントするなかで、女性同士でも衝突があったり、ライフワークやキャリアへの向き合い方は男女問わず、皆違うということも強く感じていらっしゃった。
社会を大きく変えるには、法律や制度、教育を変えないといけないかもしれない。

でも、今自分が置かれている状況に疑問や不満があったり、女性であるために窮屈を感じているのなら、まず、自分が女性としてどのような現状でつらいのか、と伝えなくてはならない、と皆力強くおっしゃっていた。
なんでわかってくれないの?どうして私だけこんなにつらいの?と自暴自棄になる前に、
もしかしたら相手は、そうやって苦しんでいることも知らないかもしれないから。
現状が伝わっていないのかもしれないから。たとえば彼氏や、夫や、同僚や、上司に。
仕事と育児が両立できない自分が悪い、と責めたり、自分を変えようとするのでなく、
自分のする戦略を変えてみる。
周囲の人に働きかける、とか、使える助けをたくさん使う、とか。
女性は自分を責めがちだから、自分ではなくて、どうやって相手と関わるか、という方法や行動を変えてみること。

実は、私は、社会の男女の問題を解決するために、法律とか教育とか
枠から変えていかなくてはならないのでは、と思っていたのだけれど、
身の回りや自分から変えることができたら、自分にも良いし、
大切にしていきたい人間関係も、女性という性にふりまわされない関係を築ける気がする。
このことは、私は周りの友人にも伝えていきたいな、と思った。

進藤先生は『ジェンダーにしろ男女問題にしても、人間をみる問題。人間味や人間性をもって関わらなくてはいけない』というお話、素敵だった。
数値やデータといった客観的な比較や問題提起も、とても大事だけれど
まず、自分が女性としてどう生きていくか、自分も大切にしたい周りの人とも関係をどう築いているかという点も
とても大事なのだと思う。

ああ、素敵な講演だった。
一緒にもし、男性が行ってくれていたら
どんなふうに感じただろう。
どんな議論ができただろう。

今度こんな機会があったら、誘ってみようかな。

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