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神様に呼ばれたひと|第4話

早期退職の理由は、神様が教えてくれた
40代独身女性が先を決めずに早期退職したら、不思議な体験をして、自分の使命に気づく話です。書くことになった経緯はこちら

思いがけず、山伏の方とご近所づきあいをするようになった私(第3話)。

山伏・佐藤さんに、修行をはじめた理由を聞いたら、驚きの話が飛び出した。

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5年前の1月28日に八幡様へ行ったら、「助けてー助けてー」っていう声が聞こえたの。

「えっ?誰??」って聞いたら、「助けてくれー。地球を救ってほしい」と言われて。

「だから、誰???」って聞いたら、「お前は今どこにいるんだ」。

「八幡様ですけど???」って答えたら、「だったら、わかるだろ」。

「なにそれ??もしかして、八幡様???」って言ったら、「ほかに誰がいるんだ!」って聞こえて。

「ぎょええーー!!!」…ってなったの。

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その後、佐藤さんは、突然、空の上から遥か下に人々を見ているような感覚に襲われる。他にも、自分が人間でなくなってしまったような出来事が、次々に起こった。

自分の変化を持て余し、途方に暮れていたころ。混乱状態の佐藤さんは、はじめ霊媒師の方などと出会う。

だが、最終的には、知人が八海山尊神社の先達(今の師匠)に引き合わせてくれた。それが、修行をはじめるきっかけだったという。

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この話を疑う人は多いのかもしれない。だが、私は信じた。

インドで仙人のような生活をした直後だったからか。私も謎の声に導かれて早期退職したからか。自分でも、よくわからない。

八海山尊神社の先達は、本業を別に持ちながら、基本ボランティアでご奉仕する。そのことへの信頼感があったのかもしれない。

「八幡様が救って欲しいのは、大地そのものよりは、荒れ果てた人間社会のこと。つまり、世界平和のために働くのが使命だと悟ったの」

そう佐藤さんは言った。

会社を早期退職したものの、やりたいこともなく、ぼんやりと過ごす私。その目には、あまりに壮大な目標。

神様を近くに感じて生きるのは、どんなものなのだろう。

想像しようにも、難しい。このときは、まだ、完全に他人事だった。

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年が明けると、私は次第に焦ってきた。

ぼんやりしていたら、あっという間に正式退職日が来てしまう。それまでに再就職先を探さねば。

だが、そもそも、自分はなぜ辞めようと思ったのか。それを知ってからじゃないと、先に進めない。そういう気持ちも、断ちがたくあった。

自分のことなのに、知らない別の人格がいるような感覚。それが何かわからない、もどかしさ。

会社を辞めるという大きなリスクを冒したのだから、せめて答えが知りたい。

もがく私は、再び旅に出ることにした。この旅が、私の人生を大きく変えることとなる。

つづく

今回掲載した写真は、加工をしていません。幻想的な写真を撮らせてくださった、八幡様の粋なはからいに感謝いたします。

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