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健康的に生きているはずなのに|第2話

【42歳、新しい自分になりたくて(連載)】
42歳独身女性が、新しい自分になりたくて、心と身体と魂の浄化に励んだら、思いがけない変化が待っていた話です。瞑想、アーユルヴェーダなど、体当たりで挑んだ体験記。トップはこちら

「このままの自分では嫌だ」と思いながら過ごしていた、41歳の秋。メタボ健診に引っかかり、絶対に痩せると心に誓った私(第1話

また春の再診に引っかかると、メタボなおじ様たちと一緒に、研修を受ける羽目になる。それを何とか避けるため、3キロ減らすことに決めた。

会社の健康管理センターの方が、それくらい痩せれば通過できると言っていたからだ。

私は、元来、太りやすく痩せにくい体質である。1キロ痩せるのも大変なのに3キロかと不安になる。だが、そんなことは言っていられない。

その日の会社帰り。私は駅ビルの大きな書店に向かった。ダイエットの方法を決めるためである。


健康的に生きているはずなのに

当時、朝・晩は自炊中心、昼は社員食堂で食べていた。肉か魚と多くの野菜。ご飯は1膳。麺・パンは時々。いわゆる栄養バランスの取れた食事だ。

お菓子は、人にもらえば食べるが、自分ではたまにしか買わない。スナック菓子、ジュースは滅多にとらず、飲み物に砂糖は入れない。

太りやすい体質のため、中学生の頃から、カロリーを取りすぎないよう気をつけてきたのだ。

お酒もそんなに飲めない。ワインを開けても飲み切れず、2〜3回かけてようやく空になる位だ。外食も月に数えるほど。喫煙経験はなし。

自分の食生活に問題があるとは思えない。それが正直な気持ちだった。

一方で、特別な運動はしていなかった。だが、通勤で毎日40〜50分は歩き、時には一つ手前の駅で降りて歩く。休日には長めの散歩もしていた。

健康的に生きているはずなのに、これ以上何をしたら良いのか。

途方に暮れた私は、ダイエットの方法を求めて、広い店内をさまよった。

糖質制限ダイエットへの挑戦

この頃は、糖質制限ダイエットが注目され始めていた。この書店にも関連の本がたくさん並んでいる。何冊か手にとってみた。

お米など主食も含めて糖質はできるだけ抑える。そのことで、脂肪が消費されやすくなる。

一方で、たんぱく質や脂質は気にせず食べられる。カロリーもあまり気にしなくて良い。大体そう書いてあった。

お菓子はともかく、ご飯もパンも麺類も食べられないなんて。初めはそう思った。

だが、仕事が忙しく、お弁当を作ったり、ジムやプールに通ったりするのは難しいという気持ちもあった。できれば時間のかからない方法がいい。

「糖質を控えるだけなのは、もしかしたら簡単かもしれない」

そう思った私は、まずは主食をとるのは止め、お菓子も食べないことに決めた。

いま思えば、この決断の背景には、

「40代の私は、もう健康的な生活を送るだけでは痩せられない」

という悲痛な気持ちがあった。年齢のせいにしていたのである。

糖質制限ダイエットへの挑戦。この体験は、のちに、重要な人生の教訓を私へ与えることになる。

つづく

写真:本田織恵

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