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読書雑記録

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読書感想まとめ。
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#エッセイ

読書雑記『モルフォ人体デッサン』

iPadのお絵描きにはまっている。人体を描きたくなり、参考にと思って手に取ったのがこちらの本。

『モルフォ人体デッサン』
ミシェル・ローリセラ/著 布施英利/監修 グラフィック社

本書は人体のデッサンが各部位ごと、全身など豊富に載っている。今までうろ覚えで描いていた部分を、練習として描く参考になった。

新装コデックス版ではページを180度に開ける製本になっているので、ありがたい。ページ

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読書雑記『白銀の墟 玄の月』小野不由美/著 新潮社

二カ月に渡り読了。
最高でした。

最近忘れていた、読書に夢中になる気持ちを思い出させてくれて、熱くなりました。
楽しい。楽しくてたまらない。読書の喜びはこれなんだよーと叫ばずにいられない。

読後は放心状態。
ああ、読みきった。

余韻覚めやらず。もう一度読み返したり。他の巻を読み返したくなったり。
十二国記という物語の世界から離れがたい。

いい読書をした。

感無量。

読書雑記『やがて満ちてくる光の』

読書雑記『やがて満ちてくる光の』

読書の楽しみのひとつは、言葉を知る喜びではないか。
梨木さんのエッセイを読んでいくなかで、そう思いました。

『やがて満ちてくる光の』梨木香歩/著 新潮社

やわらかな文章と、固い言葉のバランスが良くて。ときどき難しい漢字が出てくると、ハッとさせられます。ふだん話し言葉で使うこともなければ、書くときにパッと出てくることもない、でも言葉としては、ああ! と思い出す。それらが言葉として文章の中におさま

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読書雑記『すてきなあなたに』

読書雑記『すてきなあなたに』

「でも、どんな宝石より、私は生きている花の方が、ずっと素晴しいとおもうのです。事実、その方が、おしゃれに見えますね。第一、こうやって、二十年も前のバラの花一輪のことを、あなたは、おぼえていて下さるんですもの」

『[ポケット版]すてきなあなたに 01』
大橋鎭子/著 暮しの手帖社 283頁より

このエッセイのすてきなところは、日々の細やかな観察と心持ちの清々しさにあります。

とくに背伸びする

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読書雑記『こころの対話 25のルール』

読書雑記『こころの対話 25のルール』

「みんなが、人の話を聞くより、自分の話を聞いてほしいと思っているわけですから、聞いてくれる人がいるわけがないのです。」

『こころの対話 25のルール』 伊藤守/著 講談社プラスアルファ文庫 40頁より

人間は他者に話を聞いてもらうことで、安心を得るとのこと。けれど、聞くよりも話したい、話を聞いてほしい人のほうが多い。

考えてみると確かに、話したい、聞いてほしいばかりな自分がいます。人の話を

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読書雑記『茨木のり子集 言の葉』

読書雑記『茨木のり子集 言の葉』

私が茨木のり子さんの詩を読むのは、彼女の言葉が大好きだからだ。

ときどき思い出す、好きな詩のひとつに「汲む」がある。
自分の弱さを、それでいいのだと肯定してくれる。そして自分が傲慢になりかけていないか、背筋がすっと伸びる気持ちになる。
汲む、という言葉を美しいと感じたのは、この詩からだった。自分の気持ちを、相手の気持ちを、汲むことの優しさ。彼女の言葉は厳しいけれど、慈愛にあふれている。

ちくま

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