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国民民主に「鳩山」がいる理由

いやー、オレなんか、国民民主の初当選組に「鳩山」がいることに、素直に感心するわけ。


【衆院選】鳩山由紀夫元首相の長男紀一郎氏が初当選 東京2区敗北も比例復活、国民民主旋風に乗る

衆院選は27日、投開票され、東京2区に国民民主党から立候補した新人で鳩山由紀夫元首相(77)の長男、鳩山紀一郎氏(48)が、初当選した。
選挙区では自民前職の辻清人外務副大臣(45)に敗れたが、比例で復活当選した。今回、国民民主党は東京をはじめ全国で議席を大幅に増やしており、国民への追い風に乗った形だ。
東京2区は、鳩山元首相の弟、鳩山邦夫元法相(故人)のかつての地盤。
(日刊スポーツ 2024/10/28)


さすが、鳩山家だ、と。

さすがの嗅覚。目はしがきくというか。国民民主の躍進を事前に読んで、ちゃんと乗っかっている。

いまは「玉木、榛葉」しか目立たない、と言われる国民民主だけど、もう10年もすれば、この「鳩山」が鳩山由紀夫みたいになって、政権を取るかもしれん。

なにしろ、カネ持ってるからさあ。


いま、私がちょっと「鳩山」に敏感になってるのは、林千勝『近衛文麿 野望と挫折』(2017、ワック)という本を読んでるからでもあります。

この本、図書館ですごい人気で、1年前に予約して、やっと私に順番が回ってきたのね。



なにしろ予約したのは1年前だから、なんでこの本を読もうと思ったのか、すっかり忘れてます。

でも、せっかくだから、読み始めてるわけ。


まあ、版元がワックだけに、かなーり右派寄りの評伝だけどね。

ざっくり言えば、戦中に何度も首相になった近衛文麿は、実は「隠れサヨク」であって、朝日新聞のソ連のスパイ尾崎秀実などと図って、日本を必敗の英米戦に引きずり込み、それによってソ連を助け、中国共産党を助け、敗戦後の日本での「革命」を期待した・・みたいな話かな。

まだ最後まで読んでない(著者は素人=在野の歴史家=だから、文章が読みにくい・・)。肝心の「近衛は自殺ではなかった」のところまで行ってないんだけど。

途中までだけど、著者の言ってることは、だいたい当たってると思うね。実際に日本の敗戦によって、戦後に中国は共産化し、日本も左派が強いGHQによって農地解放などの「社会主義化」がなされた。なお、近衛も尾崎も、日本の天皇はコミンテルンのいうような絶対君主ではなく、祭祀王だから、天皇制は社会主義と共存できると考えていたようだ。


それはともかく、この本には、戦前・戦中を通じた有力な代議士で、近衛とも付き合いがあった「鳩山一郎」(戦後に首相)がよく出てくる。「鳩山一郎日記」からの引用が多いのね。

それで、本題の近衛文麿よりも、鳩山一郎の存在が強烈に印象づけられるくらい。


鳩山一郎


これも、ざっくり言うと、鳩山一郎は、ずーっと「近衛はアカくさい」と睨んでいて、近衛のやることなすことに、絶えず疑いの目を持っていた。

たとえば、本書に以下のような記述があります。


 衆議院議員の鳩山一郎はこうした(近衛文麿の)動きに一貫して危惧の念をいだいていました。昭和十五年十月、『鳩山一郎日記』では、「新体制の正体不明」「近衛に日本を引き廻されては耐えられない」と述べています。(中略)
「現時の日本の状態は全くレーニンの初期時代に髣髴(ほうふつ)す」
 さらに鳩山は、「企画院、内務省、商工省の中に共産主義的の官吏ありて困ってる」との訴えや警告に対して近衛がまったく他人事のように無責任な態度をとり、総理大臣としての法的責任はもとより、道徳的、社会的責任をすこしも考えていないとしています。そしてこのことについて、「嗚呼憐れむべし、悲しむべし、憎むべし」と記しています。

(『近衛文麿 野望と挫折』P171)


鳩山一郎の目は正しかったわけですよ。

その「アカ」を見抜く眼力は、ほんと、大したものなわけ。

鳩山一郎は戦後、「軍国主義者」とGHQに目をつけられるわけだけど、筋金入りの反共主義者であったことは間違いない。


鳩山家の「反共」は、血筋なんですね。



それで、国民民主に「鳩山」がいる理由が、オレ的には了解できる。

民主党の鳩山由紀夫(一郎の孫)が、鳩山家の本筋から外れてたんですよね。それこそ近衛文麿的で・・。

自民党の鳩山邦夫(由紀夫の弟)は早くに亡くなっちゃったけど、自民党にいても、主流になれなかったでしょう。自民党自体も「リベラル化」したし。


だから、由紀夫の息子(一郎のひ孫)は、「国民民主」にいる。

共産党とは絶対に組まない、左傾化した立憲民主党とも自民党とも距離を置いた国民民主にいる。

というのは、鳩山一郎以来の、鳩山家の「反共」という本筋に戻った感じがするのね。



田原総一朗の口ぶりなんかを聞いてると、

石破の自民党 VS 辻元の民主党

が、彼の「理想」だったように思えますね。古いサヨクのジジイの発想ではそうなる。マスコミの古い層もそう。長年、その方向に誘導しようとしてきた。

「国民人気の高い」石破と辻元が対峙すれば、それで国民はウハウハ喜ぶ、TVの視聴率も上がる、とか思っていた。


でも、現役世代は、

安倍の自民党 VS 玉木の国民民主党

を見たかったのでは、とは、昨日の記事に書いた。


でも、10年後には、

河野太郎の自民党 VS 鳩山紀一郎の国民民主党

の対決が見られるかもしれない。


あ、河野太郎も、私はまだ買ってるんですけどね。

ちょっとみんな、河野太郎を見限るのが早すぎる。私はまだ期待してます。

なにしろ河野一郎の血筋だからさあ。

その話はまた、いずれ。



<参考>



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