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【Netflix】「マードック家殺害事件」名門のドラ息子をめぐる大事件

【概要】


Netflixの新作ドキュメンタリー。

サウスカロライナの結束の固いコミュニティを揺るがした、悲劇的な事件。やがて、地元の実力者である法曹一家の恐ろしい秘密が明らかになっていく。(公式サイトより)
https://www.netflix.com/jp/title/81519789


【評価】


ドキュメンタリーの評価としては三ツ星半といったところか。

星が減るのは、未解決部分があるためだが、事実を描いているので仕方がない面がある。

犯罪実録ものが好きな人には間違いなく面白いし、未解決部分を推理する楽しみもある。



2021年、米の有名法律家の自宅で、家族2人が殺された事件。

今年(2023年)3月に裁判が行われたばかりのホヤホヤの事件だ。

米国では大事件だが、日本人はあまり知らないのでは(私も知らなかった)。

知らないほうが面白く見られるので、ネットなどで調べずに見ることをお勧めする。意外な展開に驚くだろう。以下にも「ネタバレ」になるようなことは書かない。


ドキュメンタリーは2シーズン、各3回、全6回で構成される。1回は30~50分。

シーズン1(2023年3月公開)

事件の発端から、容疑者がつかまり、裁判が始まる直前までを描く

シーズン2(2023年9月公開)

裁判の模様と判決までを描く


事件の発端は2019年。代々地方検事の名家、マードック家のドラ息子が、事故で19歳の女性を死なせてしまったことだ。

状況は過失致死だが、マードック家が警察とのコネを使って隠ぺいし、ドラ息子は起訴されることなく、事件はうやむやに終わろうとしていた。

しかし、2021年に、マードック家の2人が殺される事件が起きる。

2019年の事故の復讐かと思われたが、意外な容疑者が浮かび上がる・・


邦題の副題が「法曹一家の裏の顔」とあるように、マードック家という地方名家の腐敗がしだいに浮かび上がっていく。

しかし、マードック家が取材を拒否したため、もうひとつ核心に食い込めていないのが、このドキュメンタリーの弱点だ。

その代わり、シーズン1では、2019年の事故の関係者、ドラ息子と死んだ女性の恋人や友人の証言が多く、アメリカ南部の10代後半の青春がよくわかる。

亡くなった女性は、明るくて性格のよい人だったようだ。その彼女の事故直前の映像が何度も流れる。青春真っ盛りで、幸福の絶頂のような笑顔を見せる彼女が、1時間後に亡くなると思うとーー事故とはそういうものだがーーなんとも悲しく、事件に感情移入してしまう。


シーズン2では、ある決定的な動画が、容疑者を追い詰める。それが偶然スマホで撮られていたところが現代的だ。

その動画が法廷で流れたとき、容疑者の顔色が変わる。そこがクライマックスだろう。


裁判でいちおうの決着はつくのだが、上述のとおり未解決な点が多く、事件は終わってないと感じる。

O・J・シンプソンが(一瞬だが)裁判へのコメンテーターとして登場する。ずいぶん元気そうで、それもまた複雑な気分になった。






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