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安倍ロスの苦しみ 朝日・毎日への抑えられない怒り

昨日は、麻生川を眺めて過ごした。安倍ちゃんロスに苦しむ私を、可憐なカワセミが慰めてくれた。


朝日新聞の「犯意」


2005年、朝日新聞が、安倍晋三と中川昭一がNHKの番組制作に介入し、内容を改変させた、という「スクープ」を出した。

いわゆる「NHK番組改変疑惑事件」だ。

私は当時、マスコミにいたが、周囲はこれを聞いて「安倍と中川は終わったな」と感じたと思うし、そう言葉に出してもいた。

朝日は、この2人を「コロシ」にきた、つまり政治生命を奪いにきた、と私も感じた。朝日の「殺意」、暗殺者の裂帛の気合いを感じた。

もし記事が事実だったら、そうなっていただろう。


当時、中川は経済産業大臣、安倍は官房副長官だった。いずれも小泉純一郎の信頼が厚く、清和会系保守グループの新リーダー、改憲派と目され、宏池会系で護憲派の朝日新聞の敵だった。

この事件は、当時、大騒動となった。NHKは朝日の記事を捏造だと否定し、NHK VS 朝日新聞という、マスコミを二分するような構図となる。最高裁まで争われた。


結果は、「記事には確かな根拠がない」という結論で、朝日は事実上、記事を取り消した。

しかし、担当記者たちは雲隠れし、その釈明も、社としての謝罪も、これまで一切ない。

「グレー」のまま残す、という、その後の「もり・かけ・桜」と同じやり方だ。


この事件は、あれほどの大騒動になったのに、いまではほとんど忘れられている。自分たちに都合の悪いことなので、マスコミも、サヨクも、触れないからだ。今回の安倍氏暗殺事件でも、あまり触れられていないと思う。

しかし、安倍晋三氏はこの件で、朝日新聞への怒りを死ぬまで持ち続けたと思う。朝日は、中川と自分に謝罪しなかった。その怒りは、中川の死後はなおさら高まっただろう。

安倍は、マスコミに対して、自分や政府への批判を書くなと言ったり、批判を差し止めようとしたりしたことは、私の知る限り一度もない。訴訟や脅しでマスコミを萎縮させようとしたこともなかったはずだ。間違ったら訂正して謝るのは当然だと主張していただけであり、その当然のことが果たされないことに怒っていた。

結局、朝日は謝罪しないまま、安倍は亡くなった。

朝日が「コロシ」にきている、と感じたあの時から17年。中川と安倍はこの世からいなくなった。


「ネトウヨ」メディアの誕生


2005年当時、インターネットはすでに普及していたが、「ネトウヨ」という言葉はまだ普及していなかった。

いま振り返ると、その言葉は、この朝日の「スクープ」あたりから広がったと思う。

主流マスコミは変だ、という感覚が、ネットに根付いて広がっていったのかもしれない。

そして、安倍のような政治家たちも、マスコミの本当の怖さを知り、対抗的なメディアや文化が必要だと感じたのかもしれない。

2004年に創刊された「Will」がそうしたメディアの1つとして伸長していき、やがて安倍晋三本人も公然とからむ「ネトウヨ業界」が出版界に生まれる。

すべては、「朝日にコロされる」という恐怖心が発端のような気がする。


毎日新聞の暴走


毎日新聞はもともと朝日より保守的で、安倍晋三の父、安倍晋太郎も記者として在籍していた。毎日新聞政治部は清和会系だと言われていた。

その毎日新聞が、第一次安倍政権が始まってから、「反アベ」を鮮明にするようになる。

理由はよく分からない。それで部数が増えたなら商売上の理由となるが、むしろ毎日の部数はこれ以降、朝日以上のペースで落ちていった。社内権力が政治部から社会部に移ったせいだ、とか、役員に過激派がいる、とか、創価学会との関係とか中国との関係とか、噂はいろいろあった。

結果として、私の印象では軽減税率獲得に業界をあげて動いていた一時期を除き、毎日は朝日と「反アベ」の論調で区別がつかなくなっていた。

「天皇陛下はアベが嫌い」「アベは本当の保守ではない」といった、一見保守寄りの論調で安倍をdisるところに、毎日の多少の個性はあったろうか。


安倍晋三の遺言


安倍晋三の「遺言」の1つになったのは、7月4日、超多忙な応援遊説の合間に書いた、次のツイートだった。

原英史さん毎日新聞に逆転勝訴。 毎日新聞は検証し、しっかり記事にして欲しい。


これは、安倍政権の末期、戦略特区ワーキンググループをスキャンダル化しようとした毎日新聞記事に対し、記事で名誉を毀損されたと原英史氏が毎日新聞を訴え、高裁で勝訴したことを受けたものだ。

そこには、死の直前までの、マスコミに対する安倍氏の怒りを感じる。

毎日新聞は検証し、しっかり記事にして欲しい


しかし、この件も、ごく最近のことであるにもかかわらず、マスコミはほとんど話題にしないし、安倍氏の死の特集でも触れられない。

毎日新聞が検証記事を出すことはないだろう。


中川や安倍ほど、朝日・毎日の憎悪の的となるような政治家は、その後、出てきていない。

ということは、朝日・毎日としては mission complete だろう。


中川と安倍が死んで、笑う者、得をする者たちの顔を、すべて見たい。





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