白皮オレンジ

読書と、読書ノートを作成することが好き。もっぱら電子書籍で読む。作家さんにハマると、次…

白皮オレンジ

読書と、読書ノートを作成することが好き。もっぱら電子書籍で読む。作家さんにハマると、次々に購入して積読傾向にある。流行や新刊には疎め。

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【プロフィール】

はじめての方も、いつも見てくれる方も、訪問ありがとうございます。 私、白皮オレンジのことを少しばかり記します。 note歴➡️2020年10月14日から 記事内容➡️読書記録、レビューなど 好きなジャンル➡️ミステリー、ホラー、SF ネタバレをなるべくせず、オチは書きません! 内容をまとめる『読書ノート』が趣味。 私の読書の方法は、ほとんどが電子書籍です。 紙の本は雑誌以外に持っていません。 電子版は人気作などの話題になっているものに触れやすく、場所も時間も選ばず購

    • 『死後の恋』の読書感想

      著者 夢野久作 1928年発表 青空文庫で楽しめる名作『死後の恋』を読んで、私が感じたことを述べます。 途中からネタバレを含みます。 中編小説で無料版もあるということで、気軽に手に取れる作品です。 ただ、読み手によって解釈が分かれる結末かと思いますので、あくまでも ※個人の感想です ってやつです。 あらすじ コルニコフと名乗る男が戦友について独白する。 戦友の身の上話を聞き、貴族の出身、それも国(ロシア)の王家に深く関わる人物だと見当をつけた。 兵士として赴いた戦

      • 『人間失格』の読書感想

        1948年に発表された太宰治の代表作のひとつ、『人間失格』の感想です。 有名作で青空文庫にもなっていることから、ネタバレを含んで述べています。 ※個人の感想です、ってやつです。 以下、ネタバレ注意 三枚の写真と、それらに添えられた葉蔵による手記。 自身が記したというノートの断片から、男の生涯を垣間見る。 葉蔵は幼少の頃から、人間の生活というものに関心を持てずにいた。 ➡️世話を焼かれると、「生きる」ことを押し付けられているように感じ、息   苦しさに悩む。家族からの視線

        • 2021年の読書記録、衝撃を受けた4作も紹介

          今年、2021年の読書感想を振り返ります。 まず、購入したのは46冊(35作品)でした。 ポイントで交換できた数が多かったので、本棚が潤いました。 読了は54冊。 再読したものもありますが、たくさんの本に出会えた一年でした。 Twitterでも読書関連のツイートをよく見るので、今年の衝撃作のタグに便乗したくなりました。 2021年に読んだ中から私が選ぶ、衝撃を受けた小説は… コチラです。 #今年の衝撃作4選 青白く輝く月を見たか?  森博嗣 ドグラ・マグラ  夢野久

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        【プロフィール】

          2021年に読んだ小説

          今年の読書リスト(暫定)です。 今日12月22日までで52作品。 前半は森博嗣さんと夢野久作さんをたくさん読んでいました。 後半になると作家さんが多彩になります。 色々な意味で、新しいことに触れられて面白かったですね。 年越しの瞬間まで、まだまだリストを増やしていきます。 最近は、記録や感想を残す読書ノートが作れていません。 なんだか書き方に迷ってしまって…。 しかし、読んだときに感じたことを残しておきたいので、年明けから新たに書き始めます。

          2021年に読んだ小説

          『新装版 殺戮にいたる病』ブックレビュー

          著者 我孫子武丸 刊行 1992年 (新装版は2017年) 嗜好を形成するための環境は、ときにコンプレックスを生み出してしまう。 我孫子武丸さんの代表作をネタバレなしで紹介します。 性欲か、愛からか、判然としないまま心惹かれる女性に近付いていく蒲生稔。 稔は初めて感じる胸の高鳴りに驚き、戸惑う。 自分が求めていたものに気付くのは、彼女をその手で殺害した後だった。 蒲生雅子は息子の様子に不審を抱く。 連日、世間を騒がせている殺人事件が、息子の手によるものではないかと疑って

          『新装版 殺戮にいたる病』ブックレビュー

          『青の炎』ブックレビュー

          作者 貴志祐介 刊行 1999年 2003年には映画公開もされた、激しくも切ない作品。 高校生が心に抱いた感情を、未熟ながらに放出していくさまが描かれています。 色褪せない名作『青の炎』をネタバレなしで紹介します。 櫛森秀一は自慢のロードレーサーで江ノ電を置き去りにする。 由比ヶ浜高校の教室で受ける授業風景は、普段と変わらない。 秀一の思考がある男の殺害方法に集中していることを除いては。 櫛森家の平和な日常は、曾根の出現によって脅かされた。 母親の元・再婚相手が家庭に

          『青の炎』ブックレビュー

          「ずうのめ人形」ブックレビュー

          作者 澤村伊智 刊行 2016年 「ぼぎわんが、来る」でデビューした澤村氏の比嘉姉妹シリーズ二作品目。 前作に劣らないどころか、ホラーもミステリーもパワーアップしています。 ネタバレなしで紹介します。 ↓ ↓ ↓ 話を聞いてから四日後に呪い殺される。 どこかで聞いたことがあるような都市伝説は人の心のスキマに潜り込み、その影は着実に迫ってくる。 出版社で働く藤間が担当するライターのもとを訪ねるも、そこで不可解な死体と原稿を見つける。 原稿には体験談風の小説として、少女の

          「ずうのめ人形」ブックレビュー

          「星の王子さま」ブックレビュー

          作者 サン=テグジュペリ 訳者 浅岡夢二/絵 葉祥明 初出は1943年アメリカ、こちらの訳本の発行は2008年でした。 電子版でも絵が楽しめます。 小さいけど。 世界中で楽しまれている「星の王子さま」を紹介します。 ネタバレはなるべく避けているのですが、少しだけ主軸に触れています。 「宇宙にたった一輪しかないバラだから、それを持っているというのはとても素敵なことなんだ」 砂漠の真ん中で出会った王子さまは、小さな星からやって来たと言います。 宇宙を旅して、いろいろな星の

          「星の王子さま」ブックレビュー

          『消滅 VANISHING POINT』ブックレビュー

          作者 恩田陸 刊行 2015年(初出は2013年の読売新聞) 第14回本屋大賞を受賞した「蜜蜂と遠雷」の著者・恩田氏によるSFミステリー。 ネタバレなしで紹介します。 「乗客の中にテロリストがいます。」 巨大台風が接近する中、国際線の飛行機が到着したロビーで足止めを食う人びと。 入国審査が長引いて、長蛇の列になっているのだ。 職員の目に留まり連れて行かれる者は、不安を抱くも従うよりない。 容疑者となってしまった彼らは空港の別室に集められ、犯人探しを命じられる。 入国

          『消滅 VANISHING POINT』ブックレビュー

          『姑獲鳥の夏』ブックレビュー

          作者 京極夏彦 刊行 1994年9月 京極氏の代表作「百鬼夜行シリーズ」にしてデビュー作でもある、『姑獲鳥(うぶめ)の夏』をネタバレなしで紹介します。 「二十箇月も妊娠している人間がいたら不思議に思わないか」 関口は物書きの仕事のネタとして仕入れた話を、友人の京極堂に問い掛けた。 しかし、妊婦にあらぬ噂が立てられた、裏付けもない馬鹿げた話だとあしらわれてしまう。 妊婦の周囲では失踪事件なども起きており、悪い噂が絶えない。 長過ぎる妊娠期間も、下世話な人間が尾鰭をつけた

          『姑獲鳥の夏』ブックレビュー

          『ぼぎわんが、来る』ブックレビュー

          作者 澤村伊智 刊行 2015年 第22回日本ホラー大賞の大賞を受賞し、華々しくデビューすることとなった澤村伊智さん。 タイトルからも怖い雰囲気が漂う『ぼぎわんが、来る』を、ネタバレせずに紹介します。 化け物、とりわけ悪い存在は人の心のスキマにつけいってくる。 田原秀樹は少年時代、遊びに行った祖父母の家で奇妙な体験をする。 不審な客が家人を訪ねてきて、何度も名を呼び掛けてくるのだ。 おかしな出来事であったという思いは持ちながらも、秀樹は人並みに進学、就職していく。 実

          『ぼぎわんが、来る』ブックレビュー

          『題未定 怪奇SF』ブックレビュー

          作者 小松左京 刊行 1977年 原稿が書けない! 連載小説の構想が思い浮かばず、時間だけが過ぎていく。 作者の小松氏が主人公となって起こす、どたばたストーリー。 ネタバレせずに紹介します。 週刊誌の締め切りに追われ、題が決まらないままにはじめてしまいました。 風変わりな前口上から展開していくSF物語。 小松左京はアイデアに詰まり、状況はとうとう絶望的となる。 あまりに頭をこねくり回したせいか、身に起こる奇妙な現象への反応が鈍りつつあった。 連載を待ちわびる読者の投

          『題未定 怪奇SF』ブックレビュー

          『凶宅』ブックレビュー

          著者 三津田信三 刊行 2008年 じわじわくる恐怖が、読後もあとを引いて落ち着かない。 家がテーマとなっているホラー小説をネタバレなしで紹介します。 長く住み続ける人がいない。 よくない噂が流れる曰く付きの家には、得体の知れない何かが現れる。 父親の転勤に伴って、東京から奈良の杏羅市へと引っ越すことになった翔太。 十歳の少年にとっては、冒険気分の一大イベントである。 特別なワクワクに包まれているはずなのに、厭な予感も拭えずにいた。 誰も踏み入れてはならない土地。 い

          『凶宅』ブックレビュー

          『架空通貨』ブックレビュー

          著者 池井戸潤 刊行 2003年(『M1』の改題) 半沢直樹シリーズよりも前の、池井戸さんの初期作品。 ネタバレなしで紹介します。 亜鉛の精錬所によって存続する企業城下町。 君主ともいえる社長の手腕の下、田神町は息づいていた。 東京の高校で教師をする辛島は、受け持っているクラスの黒沢麻紀から社債の期前償還について相談を受ける。 麻紀の父親が経営する事業は、不況の煽りを受けて苦境に立たされていたのだ。 黒沢の会社、さらには彼女自身の進学や将来のため、田神亜鉛の経済状況を

          『架空通貨』ブックレビュー

          『イニシエーション・ラブ』ブックレビュー

          著者 乾くるみ 刊行 2004年 もう一度読み返したくなる、と言われるミリオンセラー恋愛小説。 名作『イニシエーション・ラブ』を、ネタバレせずに紹介します。 ドタキャンしたメンツの代役、つまりは人数合わせのため合コンに呼ばれる鈴木。 雰囲気を味わってみようという軽いノリで、参加を決めた。 しかし酒の席で、女性も参加するとなれば、周囲から孤立する予想をしていた。 自分が喋ることで賑やかな場を白けさせるかもしれない。 そんな不安から緊張を感じ始める鈴木だが、なんとか会話の調

          『イニシエーション・ラブ』ブックレビュー