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『ぼぎわんが、来る』ブックレビュー

作者 澤村伊智
刊行 2015年

第22回日本ホラー大賞の大賞を受賞し、華々しくデビューすることとなった澤村伊智さん。
タイトルからも怖い雰囲気が漂う『ぼぎわんが、来る』を、ネタバレせずに紹介します。



化け物、とりわけ悪い存在は人の心のスキマにつけいってくる。

田原秀樹は少年時代、遊びに行った祖父母の家で奇妙な体験をする。
不審な客が家人を訪ねてきて、何度も名を呼び掛けてくるのだ。

おかしな出来事であったという思いは持ちながらも、秀樹は人並みに進学、就職していく。
実家へ帰省して結婚の報告をする際の、祖母の反応が気にかかった。

老いにより悲観的になっているのかとも考えたが、言動に統一性がない。
かつて祖母の話にあった「ぼぎわん」が関係して、良くない影響を与えているのだろうか。


ここまでをレビューとして作成したのですが、やや物足りない。
ここからは補足として説明文を追加します。


秀樹が対峙する化け物。
恐怖に戦きながらも、守るべき家族のため自らを奮い立たせる。

現実に起こった怪異を目の当たりにして、「ぼぎわん」の存在は疑わざるをえない。
化け物退治の専門家を頼り、霊媒師の比嘉真琴らと出会う。

対処法などを聞き出すも、危険が迫りつつあることに焦りを抑えられないでいる。
心に隙が生じれば、“それ”は見逃すはずがないのだ。


普通の人間では敵うはずもない化け物。
探しながら近付いてくるとは恐ろしい。
恐怖と不吉な予感が尽きないホラー小説です。

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