『姑獲鳥の夏』ブックレビュー
作者 京極夏彦
刊行 1994年9月
京極氏の代表作「百鬼夜行シリーズ」にしてデビュー作でもある、『姑獲鳥(うぶめ)の夏』をネタバレなしで紹介します。
「二十箇月も妊娠している人間がいたら不思議に思わないか」
関口は物書きの仕事のネタとして仕入れた話を、友人の京極堂に問い掛けた。
しかし、妊婦にあらぬ噂が立てられた、裏付けもない馬鹿げた話だとあしらわれてしまう。
妊婦の周囲では失踪事件なども起きており、悪い噂が絶えない。
長過ぎる妊娠期間も、下世話な人間が尾鰭をつけたものなのだろうか。
事件に知人が関わっていることから興味をもった関口は、調査と称して件の家族を訪ねる。
オカルト要素と推理小説を融合させた作品に、人間の残忍な部分を突き付けられます。
解決を望むはずのに、知るのは怖い。
妖怪は、その存在を信じたいと願う人のもとに現れるんでしょうね。
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