江口海里[プロダクトデザイナー(インダストリアル系)]

物をデザインするデザイナー(インダストリアル系プロダクトデザイナー)です。 デザインで物と人のいい関係の構築を信条としています。 プロダクトデザインを中心に、デザインのこと、読書、その他雑記的に書きます。 http://kairi-eguchi.com/

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      #デザインシテン の裏話や深掘りなど

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    都市と傘

    5月になりました。もうすぐ梅雨が来ますね。僕は天然パーマなので、梅雨はあまり好きではない。雨そのものは嫌いではないけど。 傘の出番はだいたいよくない日。男性のビジネスマンにとって、傘ほど似たり寄ったりの世界は無い。大人の男性が赤や黄色の傘をさす人は珍しく、濃紺か黒。あとはいわゆるビニール傘の透明か白。 それでも成り立つくらい成人男性にとっての傘は、あまり興味をそそらない無味無臭の世界。その中で無難にビニール傘を選ぶも、問題は空から否応なしに降ってくる。 ビニール傘はコス

      • COMPOSITIONという展示会のはなし。

        COMPOSITIONというイベントを僕の運営するデザインギャラリー「PAGE GALLERY」にて開催中です。 近しいクリエーターから色々質問されることも多いので、ここで少しまとめて回答しておきたいと思います。 COMPOSITIONとは何か。 COMPOSITIONとは、関西在住の若手プロダクトデザイナーの研鑽の場と今は定義しています。今はというのも、実は過去に2回すでにやっていたからなのですが、1回目は2016年にイタリアの照明ブランドFLOSとのスプリットイベン

        • 道具に徹する。機能を丸裸にする。

          昨年のことですが、お風呂の床を掃除するためのブラシのデザインを担当しました。個人的に結構いいデザインプロセスだったと思い、また完成品も個人的に気に入っているため、そのことを少し書いてみようと思います。 対象となる商品は、スポンジ面を張り替えることができる掃除道具。環境への対応も考え、また衛生的にもこうした部分的な使い捨てが増えてきている中でのブラシの理想的な工業デザインを考えてみる。 まずしたこと。すでに多くの商品が存在する中で、まず既存の商品を全て自ら使ってみた。多くの

          • あれから10年経った。

            10年前に当時やっていたエキサイトブログに掲載していたミラノサローネ、サテリテに出展したときの忘備録「サローネサテリテというところ」の転載です。もう10年ということもあってあまり情報は新しくないですが、何かしらの参考になればいいなと思います。 これらは僕には今でも眩い思い出です。 コロナが落ち着いたら、やっぱりイタリアへ行きたいな。 2012/4/14 出発今回のサローネサテリテに出展するに当たり制作した作品は、全部で70kgを超える量になりました。通訳兼アシスタントのエ

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            2021年について振り返る。

            2022年になりました。 皆様明けましておめでとうございます。 昨年末にこのnoteを書くべきでしたが、納品と大掃除で時間と体力が足りず年始に振り返りとなりました。申し訳ないです。4500文字と自分にしては少し短めですので宜しければぜひご覧ください。 2021年のスタート2021年の年始は、2020年の影響を受け、まだ苦戦している状況だったように思います。ただ2020年の状況よりも回復傾向にあり、緊張感と希望に満ちたスタートだったように思います。すでに見えているイベントも

            インスピレーション種屋という結論

            皆さん「beの肩書き」という本をご存じですか?勉強家の兼松佳宏さん(元Greenz.jp編集長)が執筆した本ですが、この本の中で自分の肩書きというものを探すことができる、いわばワークショップのような本です。 今なぜこういう話を改めて書こうと思ったかというと、最近デジタル庁が民間登用の人材募集の中で「プロダクトデザイナー募集」と書かれていて、多くの場合のプロダクトデザインとは物をデザインする職業のことなのですが、最近はデジタルサービス等が増えてきたこともあり、そちらもなぜかプ

            デザインスタジオを法人化したはなし

            KAIRI EGUCHI DESIGNというデザイン事務所を2008年から13年やってきましたが、このたび14年目になる10/1に晴れてKAIRI EGUCHI STUDIO Inc.として法人化しました。自分が作ったスタジオが成人したようなものだと思い、また誰かの参考にもなるかも知れないというのと、一つの大きな区切りともとらえていますのでこの13年間のことをダイジェストに書いてみました。 想像しながら読んでほしいので、10000字強あるにも関わらずあえて写真は使っていませ

            JIDAの関西ブロック長に就任した話。

            JIDAって知っていますか? 日本インダストリアルデザイナー協会(Japan Industrial Designers Association)の略です。2021年に協会名が変わり日本インダストリアルデザイン協会になり、新しい船出を迎えました。 JIDAってそもそもなんなの?「インダストリアルデザインに関する普及啓発及び調査研究等を行うことにより、インダストリアルデザインの向上を図り、もって生活文化の向上及び産業の健全な発展に寄与する」ことを目的としているデザイン団体であり

            2020年をふりかえる。

            2020年は本当にすごい1年でした。簡単にですが振り返ってみようと思います。明け透けに書いていますし、5500文字以上あるので時間がある時にぜひ読んでみてください。 コロナの前から。数年続いていた顧問契約が2社同時に春ごろに終わることになり、比重が大きかったため、春ごろにはとても危険な状態になっていました。あまりネガティブなことは書くべきではありませんが、ただこうしたことがあった上で起こした行動により、自分たちは成長できたと思っているので書くべきだと思いました。 そんな折

            商品企画やデザインは世を移す鏡。

            明日から始まる感染症対策のプロダクトデザイン(物のデザイン)の展示会ですが、新しい取り組みなので東京では新聞が、大阪ではテレビが取材に来てくださり、やはり注目されているようです。 NEW NORMAL NEW STANDARD 美しい感染症対策のプロダクトデザイン。 素晴らしい企画やデザインは、世の中がつらい時に生み出される。良いプロダクトデザインや商品企画と言うものは、世の中が辛い時に生み出されます。その根底には、困っていることがあるからです。今日はそういうお話です。

            ちょっとむずかしいかも知れないプロダクトデザインのはなし①

            前回はむずかしくないプロダクトデザインの話を書いてみましたが、今回はもう少し踏み込んだプロダクトデザインの話をしたいなと思います。一般の人にもぜひ読んでほしいので、出来る限り横文字や業界用語は使わずに噛み砕いて書きます。 外観デザインだけのデザインはデザインと呼べない。常々思うことですが、デザインは外観デザインのことだと誤解されがちです。というより人々の認識がそういうことになってしまっているような気がしてならないのです。本来は「使用者に公平にいい影響」を与えなければならない

            むずかしくないプロダクトデザインのはなし① なじむか目立つか。

            先日友人と話をしていると、デザインって一般の方にわかりにくくなってて、色々誤解が生まれてしまっているんじゃない?というトピックになり、それがどうやらずっと頭のなかでモヤモヤしてたので、ちょっと新しいコラムを書いてみようと思います。 ずばり、「むずかしくないプロダクトデザインのはなし。」 コラムの目的は、デザイン業界以外の人にデザインを知ってもらうこと。このコラムは、デザイナー以外の人にプロダクトデザインのことを正しく理解してもらおうという目的を持ったコラムです。現役のデザ

            模型で起こることは製品でも起こる。

            前回の投稿はちょっと長すぎたので、今回はかなり短い話をします。 左は消毒液スタンドの発案直後のプロダクトデザイン業界ではペーパーモデルと呼ばれる物。簡単に言えば模型。 右は工場で制作していただいたスチール(鉄)製の最終仕様に近いプロトタイプと呼ばれる試作品。 高さの差は置いといて、今この二つは共通の課題を抱えています。 段ボール製の方を作成した時、ある箇所にゆがみが出ていてその時は「段ボールだからか」とあまり気にもしませんでしたが、同じ工法でスチールで制作しても同じ問

            NEW NORMAL時代のデザインに想いを馳せてみる。

            note以外のSNSには結構アップしていましたが、noteにはほぼ書いていなかったことを少し書きます。 消毒液スタンドをデザインしました。http://kairi-eguchi.com/project/submarine とある夏の日にFACEBOOKで、以前知り合ったプロダクトデザイナーの土井智喜さんから、感染症対策のプロダクトデザインの展示会「NEW NORMAL NEW STANDARD」を東京でしようと思っていますが、いかがですか?とお話があり大変興味深い展示会の

            深澤直人さんの「ふつう」を読みました。

            この本はD&Departmentが発刊しているdの連載だったらしく(dを購読していないのでこの本までこの連載については知らなかった)、深澤直人さんがさまざまなふつうについて綴っています。 物のフェーズは同じ業態なのでそれこそ「ふつう」に理解できたのですが、この中には制服姿の女性や、音楽で言うならふつうとはこのアーティストだ。とか、そういう面白い切り口が存在していて、なるほどなと思いました。 ふつうとはなんだろうという問いは、相対的な物だと僕は思います。その人の経験や知識や

            8というワイングラスができるまで。

            あるワイン専門店のワイングラスをデザインさせていただき、それについてのプロセスやコンセプトの深いところなどをインスタグラムやフェイスブック、ツイッターなどに書ききれなかったので、読む人は少ないかも知れませんが書いてみました。ざっと6000字以上なるので興味がなければスルーしてください。 ことの経緯。大阪西区京町堀にインポートワイン専門店の「イル・ソッフィオーネ」はあります。イタリアでソムリエの資格を取った三吉隼人さんが店主をされている、こだわりのワインばかりがある際立ったお