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インスピレーション種屋という結論

皆さん「beの肩書き」という本をご存じですか?

勉強家の兼松佳宏さん(元Greenz.jp編集長)が執筆した本ですが、この本の中で自分の肩書きというものを探すことができる、いわばワークショップのような本です。

今なぜこういう話を改めて書こうと思ったかというと、最近デジタル庁が民間登用の人材募集の中で「プロダクトデザイナー募集」と書かれていて、多くの場合のプロダクトデザインとは物をデザインする職業のことなのですが、最近はデジタルサービス等が増えてきたこともあり、そちらもなぜかプロダクトデザインと名乗ることも多く、混在している状態からTwitterでその界隈の方が一斉に反応し小さな議論となりました。

僕自身はプロダクトデザイナーですが、このことがあってからインダストリアルデザイナー(日本語では工業デザイナー)、またはプロダクトデザイナー(インダストリアル系)と伝えるようにしています。

そんなことがあり、肩書きって何だろうなと思っているさなかに、そういえばbeの肩書きで自分は「インスピレーション種屋」だったなと思いだしたわけです。

beの肩書きってなに?

beの肩書きとは、「自分をかんたんに相手につたえるためのアイデンティティのようなもの」で、それは人生の肩書きともいえるものです。その定義などは本を読んで頂きたいのですが、簡単に言えば仕事という枠の下(ベース)にある人間性のようなものだと僕は理解しています。

生き方はそれぞれ。だけど、変わらないことは…

先述のプロダクトデザイナー肩書き論争では、論点は棲み分けや客観視したときのわかりやすさなどの話だったにも関わらず、いわゆるポジショントークとよばれるマウンティングに近い行為なども散見され、ディベートに水を差したりと少し残念なこともありましたが、生き方は人それぞれだと思いますし、そういう議論そのものが本来不要なのかなと思いますが、世の中は結構複雑なので時にこうした衝突はあるような気がします。

ただ変わらないことは、仕事以前にどう生きたいかだったり、どんな人なのかだったりするわけで、このbeの肩書きはそうした自分の真ん中にある大切なものを見つけるための本だと思います。

僕のbeの肩書きは、インスピレーション種屋

beの肩書きを進めていくうちに僕が自分を表現する肩書きは「インスピレーション種屋」でした。これだけを見るとよくわからないものですが、少し説明すると、衝動や根っこにあるマインドは「だれかにとってインスピレーションの種を与える人で居たい。」ということです。またそれに対しての行為は「常に清濁併せ吞み、そこから感じたり頭で考えたことを、相手にとってストレスの無いように与えて、それにより相手が考え始める」という流れまでが、自分の中で幸せを感じる瞬間だったりします。

そもそも学校卒業する前くらいには実はデザインの教育者になりたくて、現場経験を積むことからはじまり(いつしか現場が楽しくてずっと現場にいますが1)、6月からはじめたデザインシテンというポッドキャストだったり、こうしてnoteを書いてみたりと自分の気づきや感じたことを人にシェアすることはとても好きだし、それからその人だったり社会がいいほうに変わってくれたらいいなと思いながら生きることはとても幸せです。

だからインスピレーションの種を与えられる人間で居続けたいという気持ち(の整理?)になれたのがこの本との出会いでした。兼松さんとは数年前に京都のトークショーで一緒に登壇したことがあってその時もソーシャルデザイン曼荼羅のような面白いものを作っていました。まさにインスピレーションでした笑。

知識は人類の共有の財産

この言葉はいろんな場面で聞きますが、まさにその通りで過去に生きた人の知恵は、その人が生きる中で何年もかけて覚えたり編み出したりしたものだと思いますが、それを伝承や共有するのはその何分の1程度の時間やリソースでできてしまいます。

ビジネスシーンではこれを良しとしない人も多くいると思いますが、これを共有の財産としなければ人類の進化はなかなか前に進まず、そうしたことをきちんとシェアリングできているコミュニティには成長速度で遅くなるとも思います。

簡単に言うと、知識やスキルは未来の誰かのためにシェアするためのものでもあり、個人のためだけに存在するにはもったいないということだと思います。目をどこまでマクロに拡げられるか、また相手の視点から見た自分を見ることができるかで、ここの差異は見えてくるような気がします。

僕が心がけていることに「社会において、相手の反応こそ正しい自分の姿」ということがあって、相手から強く反発されたり、ネガティブなことをされるということは、自分も知らず知らずそういうことをしているということも多々ある。逆も然り。

だからこそ相手がいい反応をするように生きることで、自分を高めることができると信じているし、何かすることは少なからず誰かのためになること。これはデザインの基本的な概念にもすごく似ているなぁと思った次第です。

まだまだ夏らしくも、涼しい風が吹き抜ける午前に心地よさに誘われてこんなnoteを書いてしまいました。いつもより短めですが、これに興味をもって下さったらぜひ一度beの肩書きを読んで、自分の中の大切なものを探す旅(30分くらいで終わるけど笑)をしてみてください。

明日以降もだれかのインスピレーションの源泉になれるように、今日もいい一日を過ごします。お読みいただきありがとうございました。

※写真右がbeの肩書き、左の本「風をつかまえた少年」もおすすめです。

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