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COMPOSITIONという展示会のはなし。

COMPOSITIONというイベントを僕の運営するデザインギャラリー「PAGE GALLERY」にて開催中です。

近しいクリエーターから色々質問されることも多いので、ここで少しまとめて回答しておきたいと思います。

今回のメインビジュアル


COMPOSITIONとは何か。

COMPOSITIONとは、関西在住の若手プロダクトデザイナーの研鑽の場と今は定義しています。今はというのも、実は過去に2回すでにやっていたからなのですが、1回目は2016年にイタリアの照明ブランドFLOSとのスプリットイベントとして、10月ごろに大阪市西区のタカムラワインアンドコーヒーロースターズにて開催。2017年には大阪浪速区にあったDIY FACTORY OSAKA(現在は閉店)にてコラボイベントとして開催。

COMPOSITION 02 @ DIY FACTORY OSAKA (2017)
COMPOSITION 02の展示の様子


COMPOSITION 01 with FLOS at TAKAMURA WINE & COFFEE ROASTERS (2016)
当時作ったメインビジュアルのポスター

その後約5年何もしなかったのは、イベントスペース問題があったからで、こういう活動はいつもしたいと思っていましたがそういうことに活用できる場所がなかなか見つからなかったことがありました。

翌2018年には僕のスタジオ(当時のKAIRI EGUCHI DESIGN)が今の場所に移転し、PAGE GALLERYをオープンすることで開催準備が整ったのですが、固定費が増え、またコロナ禍もあってなかなか活動ができなかったというところです。

ただ大阪はデザインイベントが東京に比べて少ないことも、自分の中では結構大きなモチベーションになっており、そもそもPAGE GALLERYを開く動機も同じようなことで、僕自身はデザインの仕事をする以前のもう少し根底にあるひとつの想いとして「大阪の価値を上げたい」というのがあります。こうしたイベントを自分でギャラリーをもって精力的に行うことができることにより、少しでも大阪の価値がデザインによって高まればいいなという想いを持っています。

今回5年ぶりに開催するきっかけ。

前にPAGE GALLERYで開催していたイベントNEW NORMAL NEW STANDARDだったかな?にお越しいただいた今回の出展者である吉澤健太さんが「自分もこういうのやりたいです」って話をお聞きした時に、関西の若手デザイナーのモチベーションも結構上がってきてるんだなと思ったので、開催することにしました。

NEW NORMAL NEW STANDARD 2 meal time @ PAGE GALLERY (2021)

というのも、展示会の多くは運営側の作業負担が多く、出展者のモチベーションが低いと継続的に行うことがなかなか難しいことがあります。今回はそこが確認できたので開催できると判断しました。

COMPOSITIONという名前の由来

抽象芸術家のピエト・モンドリアンや画家のワシリー・カンディンスキーなどが、実験的な構成に取り組んだ時の作品名にはCOMPOSITIONという名前が付けられていました。英語の直訳も構成となります。

ピエト・モンドリアンのCOMPOSITION (1930)
https://www.momastore.jp/shop/g/g5021043938117/
ワシリー・カンディンスキーのCOMPOSITION (1923)
https://www.musey.net/wp-content/uploads/2017/12/37.262_ph_web.jpg

普段のワークではできない領域や、想像もしなかったテーマに実験的に取り組むことでクリエーターの研鑽の場が生まれればいいなと思い6年前に決めました。

ロゴも3つのOが並べて散らばる要素の関係性を構成しました。

COMPOSITION 03の図録
https://kairieguchidesign.myshopify.com/collections/composition-03-two-sided-%E4%B8%A1%E9%9D%A2%E6%80%A7-%E5%86%8A%E5%AD%90


今回のテーマ「TWO SIDED(両面性)」について。

ふたつの機能を等しく持つもの。電気は使わない。

というざっくりしたお題を参加者に出しました。最初の数回のミーティングだけ確認してその後は自由制作としました。

普段僕もデザインをしていて、おおよそ全ての物が単一機能から検討されることに気が付き、最初から複数の機能を等しく検討すると物はどのように進化するかを今回の展示で見てみたいと思いこうしたテーマとしました。

結果普段使わない思考で検討するのでとても難しかったと思いますが、難しいお題=いいテーマだと僕は思いますので良かったなと思います。また、COMPOSITIONそのものが「普段できないことを可視化する」という意味合いの展示会なので、内容もよかったんじゃないかなと思います。

参加メンバーの招聘について

メンバーの招聘に関しては最初は、吉澤さん、そして普段色々プロジェクトを一緒にやっている、黒川さん、辻川さんが決まっており、古井さんに声をかけ、古井さんが筒井さんに声をかけたという経緯だったと思います。

今回の展示会にご来場の方で興味を持ってくださった方、またモチベーションがありそうな方には改めて声をかけたいと思います。運営側の課題も多いので、運営サポートも今後ほしいところです。もしそうした活動を一緒にやってくれる方がいらっしゃればぜひご連絡下さい。

次のCOMPOSITION

実は次回開催ももう決めていて、10月ごろに開催しようと思っています。

10月はもともと大阪デザインウィークと称してゲリラ的に色々展示が昔あり、その後machi Decor(マチデコール)というイベントに統合されましたが、現在はマチデコールは終了し、デザインウィークそのものもない状態です。マチデコール時代に、上記のFLOS×COMPOSITIONや、その前段のイベントである「VIVA LA VINO」という展示会もやっていました。


VIVA LA VINO @ TAKAMURA WINE & COFFEE ROASTERS (2015)



9月の連休には昔はdesigneastという素晴らしいイベントもありましたが、それらも今はやっていないので、大阪の秋は昔に比べて少し寂しい状況になっています。ゲリラ的に2019年にはネグローニのイベント「N」や、2018年には僕のスタジオの10周年を記念したイベント「3650日のことばとかたち展」を開催するなどの活動をしてきました。


[N] with Punto e Linea @ PAGE GALLERY (2019)


3650日のことばとかたち展 @ PAGE GALLERY (2018)

コロナ禍が少し社会になじみ、当初より少しずつ行動制限が柔軟になってきたので、10月には開催したいと思います。繰り返しになりますが、出展者のモチベーション次第というところでもあります。


結び

そうしたこともあって、絶賛開催中のCOMPOSITIONですが本日を含んで残り3日となります。作品はぜひ現地でご覧頂きたく思います。

最終日8日は出展者が全員揃いますので、製作した人から直接その想いを聞くこともできると思います。同時に混みあうことも予想されますのでできれば分散してご来場いただいた方がいいかも知れません。

ではこれからもCOMPOSITION、PAGE GALLERYを宜しくお願い致します。

PAGE GALLERY オーナー
プロダクトデザイナー 江口海里

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