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洗脳は少しずつ始まる

ある日私と彼は、私の親友カップルと一緒に夕食を楽しむことにした。

彼もとても楽しみにしていて、私の親友の誕生日が近いこともありプレゼントを買おうといいおしゃれなチョコレートを買ってきた。

私も、彼が喜んで会ってくれることが嬉しかった。

そして、私も親友の彼氏と初めて会えると楽しみにしていた。


そして当日、私たちがレストランに到着すると、彼らはすでにバーで飲んでいた。
私たちはお互い挨拶をし、それぞれを紹介しあい、席についた。

そして、彼が親友にプレゼントを渡した。

”もうすぐお誕生日だと聞いたから、早いけどハッピーバースデー!”

親友もすごく喜んで、私たちをハグした。

そして私たちは飲み物や料理を選んだり、近況を報告しながらオーダーをした。


このやり取りに何か違和感があっただろうか?

彼はこの時すでに気を悪くしていたのだ。

私は彼のそんな感じ方に全く気が付いておらず、親友との近況報告や今日あった出来事などたわいもない話で大笑いしていた。


彼はこのことをこの後、ずっと根に持つことになる。


親友の彼氏はそんなにおしゃべりではなかったけど、皆お酒がすすむと饒舌になり、よく飲んでよく食べてよくしゃべった夜だった。

私はとても楽しくて幸せだった。


私の親友も、親友の彼氏も喫煙者だった。
彼だけが非喫煙者だった。

私がタバコに手をのばすたびに彼はそれを遮り

”今日何本吸ったか分かってるの?”

そう言われても、盛り上がって楽しい私はそれでもタバコを吸う。

そして彼はまた私に注意する。

親友と彼女の彼氏は楽しそうに

”いいじゃん〜子供じゃないんだから!お酒飲んでるんだし”

そう言って彼を嗜めたが、彼はそれでもニコニコしながら
彼が決めた1日に吸うタバコの本数を私が守らないことを彼らに話した。

彼らも喫煙者だし、お酒も入ってることもあり

”そんなルールバカバカしいよ〜”

と笑った。

彼はあくまでもナイスな人を演じていたが、親友はこの時すでに彼の違和感に気がついていた。
それと同時に彼も親友に対して真剣に恨みを募らせていたのだ。

こんなことが私と子供の命を脅かす原因の一つとなることになるなんて、普通の人は思わないだろう。

彼はこの頃からよく私に”言い聞かせよう”としていた。

だけど、私も普通の教育を終え、就職氷河期を乗り越え大企業に就職し、困難も成功も経験してきている。
もちろん海外の常識と日本の常識は違うが、逆に日本の常識レベルの方が断然高いと感じている。
海外で生活していれば、若干自分の潔癖さを下げて許せるところは許そうと許容範囲を広げていかなければ海外での生活は厳しい。

彼の常識レベルは誰よりも断然高く、完璧なものであることは分かっている。

”僕が間違っているのか?”

そう聞かれると

”あなたは間違っていない”

その回答しか見当たらない。

でもみんながみんな彼レベルにできるわけではないし、他人と協力し妥協点を見つけて一緒に暮らしていかなければいけない。
彼は誰にも彼の意見だけに従わせる権利などないのだ。

彼は穏やかに、微笑みながら、軽く警告をする。
ここまでは特に問題はない。

違いは、彼はとにかくしつこいのだ。絶対に諦めないのだ。彼に従うまでずっと言い続け、力や脅してまで従わせようとするのだ。

それが変えられない過去であっても変えるように要求するようになってくるのだった。




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