カフカ

Yosuke Hirai Bartender 酒と煙草と小説、音楽をこよなく愛する人…

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Yosuke Hirai Bartender 酒と煙草と小説、音楽をこよなく愛する人。または人を傷つけない人。 https://soundcloud.app.goo.gl/cJycvVvYLTpYceRp6

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SS小説「文学少女と夏の空」

ショートストーリー小説(2020年作) 「文学少女と夏の空」 「ねえ、きみは小説を読んだことある?」  凛とした声で先輩はそう話しかけてきた。  部室の窓から夏のからっとした空を眺めていた僕は、先輩の方に視線だけを向けた。机についた片肘と、頬にあてていた手はそのままにして。  先輩は部室の入り口のすぐそばにパイプ椅子を広げて、そこに座って本を読んでいた。いや、まだ読んでいる。目線はこちらには向けず、ただ声だけをかけたようだ。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と書かれた背表紙が

    • あけましておめでとうございます

      あけましておめでとうございます。 本年も人と人の「えにし」を大切に過ごしていく所存です。 昨年を振り返ることは昨日書いたので、年始のご挨拶は簡単に。 みなさま、本年もよろしくお願いいたします。 P.S.(長いし雑な文章なので以降は読まなくて大丈夫です) 鳥居の話。 学生時代の教科書に書かれていたか、何かの本で読んだのかは忘れましたが、鳥居を見るとヨーロッパ圏の人と日本人との境界線の話を思い出します。 教会は扉や壁のように物理的に隔たりを作りますが、神社は物理的な壁があるわけ

      • 年末のご挨拶

        ついに来ました大晦日。 本年も沢山の方にお世話になりました。 改めて感謝の言葉を、ありがとうございました。 本年はまる1年間、バーテンダーとして過ごさせて頂きました。 多くの方と出会い、実りのある充実した1年間でした。あっという間な気もしますし、新しい色々なことがあり過ぎて、時の流れが遅く感じることもありました。思い出迷子だった頃が懐かしくなるほどです笑笑 また来年も沢山の出会いや新しい発見を求めて過ごしていきたいと思っております。積んでしまっている本も読んでいきたいですね

        • 「人を受け入れないときの責任」

          「人を受け入れないときの責任」 Aさんは人を受け入れる人間です。 Bさんは人を受け入れない人間です。 このとき説明する必要があるのがBさんだと僕は思う。 AさんはBさんのことを受け入れようとするけれど、理由が知りたい。なぜ受け入れられないのか。その理由を言わずにただお前は受け入れられないと言われれば、Aさんはストレスを感じると思う。 一方、BさんはAさんのことが受け入れられない。そのことにストレスを感じる。 これではお互い不幸、ストレスを感じるだけだ。だからBさんがAさ

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          SS小説「日常」

          ショートストーリー小説(2021年作) 「日常」  息を吐くと視界は白い靄に包まれた。  とは言っても別に煙がなくとも、現実世界は灰色の薄い膜のようなものがまとわりついていて、僕の目には霞んで見える。いや、ただ身体的な(或いは精神的な)疲れから、そう見えるだけかもしれない。  夜、仕事帰りにコンビニの喫煙所でタバコを吹かしながら、ふとそんなことを考えていた。  時計の針がちょうど真上を指す時間。いろいろな想いが頭の中を駆け巡る。常々忙しい仕事の話や最近付き合いだした彼女の

          SS小説「日常」

          シン・エヴァンゲリオンを観て(ネタバレあり)

          はじめにまずは映画を観てから読んでほしい。何はともあれそれからだ。ぼちぼちネタバレ感想を書いてもいいだろうと思った。今までは観たとしか書けなかった。 面白かったにしろ、つまらなかったにしろ、感想すらネタバレ、作品を損なう原因になると思ったからだ。 まあ、それもぼちぼち解禁でいいだろう。 とりあえず僕自身の感想は面白かった、興味深かった、に限る。今まで全エヴァシリーズを観てきたが、ようやくの補完計画の完成であると思えた。 アニメシリーズの最終回はシンジ自身の補完計画。旧劇

          シン・エヴァンゲリオンを観て(ネタバレあり)

          時計じかけのオレンジを読んで

          時計じかけのオレンジを読んで。 まず初めに言っておきたいことは本を読んでから見てほしい。本のあらすじを書いているわけではないし、どちらかといえば感想文に近い。感想文ですらないかもしれない。 これを読んでから本を読んでくれてもいいけど、おすすめするような内容ではないので、面白くないと思うし、興味がなければ、そっ閉じしてくれればいいと思う。 原作「時計じかけのオレンジ」を読んで、という題だが、正直言えばそのことだけを話すことはできないと思っている。 というのもそれ以外にも今ま

          時計じかけのオレンジを読んで

          風の十二方位を読んで

          というわけで アーシュラ・K・ル=グウィン 短編集「風の十二方位」 を読んで思ったことを書こうと思う。 あらすじを書こうとは思っていない。 あくまで本と自分の関係についてだけ 書いていきたい。 何かについて書きたい場合は その何かについて書くのではなく、 自分との関係性を書くことが 大事だと思うから。 そもそもの購入のきっかけは 「オメラスから歩み去る人々」 という十数ページの短編を 読みたいと思ったことだ。 ドラマや映画にもなった 「MOZU」という作品内で この短編が取

          風の十二方位を読んで

          バンクシー展を観て思ったこと

          バンクシー展を観て思ったこと。 そもそもわかっていたことだし、 そんなに期待しないでおこうと 思っていたけど、 想像以上に面白くなかった笑笑 FAKEだな、って感想が正直。 バンクシーのパンク感が 一切感じられなかったので残念の一言。 (否定的に観に行ったせいもあるか?) やっぱり現地に観に行くなり しないとわからんのやろう。 ただ絵だけはネットでよく見るけど、 バンクシー自身が言った言葉とかで、 知らない知識を得れたのは 良かった点かもしれない。 あと自分が知らない絵

          バンクシー展を観て思ったこと

          わかりやすいは良いことか?

          わかりやすいは良いことか? わかりやすい言葉で話す。 わかりやすいように書く。 わかりやすく、簡潔に。 さてはて、これらは良いイメージで よく取り上げられがちですよね。 確かによい一面もあると思います。 僕なんかも文章はなるべく 平易な言葉で書くようにしているし、 仕事でも何でも簡潔に話した方が 相手に伝わりやすい。 が、しかし、 そこには負の一面もあるように僕は思う。 わかりやすいということは ある一面を強調して伝えているということ。 でも本当にそれでいいのかと思う。

          わかりやすいは良いことか?

          自分しかやっていないのでは?

          自分しかやっていないのでは? 誰もやってくれない。 なんで自分だけが。 と働いていて思うことがあると思いますが、 どうなんでしょうね? この言葉はもったいないと思う。 実は他の人もやっていることかもしれない。 もしかすると他の人が気づかないことに 自分は気づけているから その業務をしているかもしれないし、 人が嫌だと思っている業務をできる人間は 素晴らしいと思う。 そんなことをふと思いました(笑) 自分も思ってしまうことがたまにあるので、 できるだけマイナスな思考は しな

          自分しかやっていないのでは?

          白黒つけることの違和感

          はい、今回はチラッと テレビのニュースを見ていて 気になったことを書いていきます。 初めに伝えておくことは 僕が無知だということです。 よくわかっていない人間が 何を言っているんだ、 と思う方もいると思いますが 何卒ご容赦を。 話題にしたいのは 「日本学術会議」についてです。 タイムリーですね笑笑 日本学術会議の任命拒否問題が 取り上げられて初期の頃、 そのインタビューを テレビで映していたんですが、 30代、40代、60代と様々な人が 色んな意見を言っていた。 この

          白黒つけることの違和感

          会議、議論、対話あるいは意見交換

          はい、というわけで今回は D2021の動画を観ていて思ったことを 徒然に書いていこうと思います。 (下記、今回観てみたVol.3の動画リンク) https://youtu.be/lPM9rPTNli8 動画の主題については申し訳ないのですが、 知識不足のため取り上げるのは やめておきます。 各それぞれ気になった方は 観てみてください。 勉強しないといけないなぁ、 と思いますが(笑) さてさて、今回書こうと思ったものは 上の動画に反対、賛成とか以前の話で、 タイトルにもあ

          会議、議論、対話あるいは意見交換

          SS小説「月から来た男」

          ショートストーリー小説(2020年作) 「月から来た男」 「僕は月から来たんだ」  9月のまだ残暑の残った気怠げな気温の中、地元のバーでよく会う男がそう言った。私はその男がそんなくだらない冗談をよく言うのを知っていた。 「またそんなバカなことを言って。つまんないよ、それ」  私は自分が頼んだジントニックを見つめながら言った。基本的にバーに行く時はジントニックを飲むことにしている。これが1番この世で美味しいお酒だと思っている、間違いない。 「嘘だと思ってるだろ?でも実は本当

          SS小説「月から来た男」

          精神的潔癖症について書こうとして書けない

          昔から自分は潔癖症なきらいがあると 思って過ごしてきたんですが、 最近、そうでもないのではないか、 と思い直してきたので そのことについて書いていきます。 そもそも潔癖症とは何なのか、 実際調べたことがなかったので ネットで調べてみました。 …と、そこまではよかったんですが、 調べてみると、 あれ?潔癖症って精神的な問題なの? ってことがあれこれ書かれていて、 果たしてこのまま書いてもいいのだろうか、 そもそも潔癖症って 精神的潔癖症なんじゃないか? って思い直して書く意

          精神的潔癖症について書こうとして書けない

          笑い

          笑い 「笑い」について書こうと思い、 はや一週間(笑) 書きたいと思っても書こうとしない、 この数日間はなんなのか。 まあ、そんなことは置いといて。 最近、AmazonPrimeでやっている 松本人志さんのドキュメンタルって 番組の話を人から聞いて、 聞いてるだけで 心が楽になった経験があるんですよね。 その人の話し方がうまくて 笑ってしまったのもあるけど(笑) 実際その日中に番組を見て、 次の日めっちゃ快適みたいな。 観すぎて朝5時ぐらいまで 起きてしまったので、 次