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第2篇 risk management

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人が生きていく中で、最も重要な知識がrisk managementです。
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第43回 価値観の逆転現象

服と首飾りを作って他の集落の人たちと交換するようになり、村はプチ裕福になりました。
なぜなら、8人で10人分の食料を確保しているため、服と首飾りで得ている分の米が余剰となっているからです。

600kg(生産分) + 90kg(服) + 120kg(首飾り) = 810kg
810kg(収入計) - 600kg(必要分)=210kg(余剰)

彼らは、余剰分の210kgの米を、魚や肉と交換して、ゆ

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第42回 絶対的価値(首飾りの制作)

隣の村人が喜んで帰った後のこと。
隣の村から別の人が来て、米15kgを出すから同じ服を作って欲しいと頼まれました。
そして、そんな人が次から次へとやってくることになりました。

そんなある日、また別の一人が、美しい石を磨いて、首飾りを作りました。
首飾りは、素晴らしい服と合わせることによって、その人を魅力的に見せました。
だから、他の9人の仲間たちも首飾りが欲しくなり、服と同じように自分の分も作っ

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第41回 絶対的価値(服の制作)

今日から新しいステージに入ります。
ここからは、企業の根本的な存在意義について説明しますので、注意深く学習してください。

「人が欲しがるものには、絶対的な順位がある。」
こう言われても、直ぐに納得できる人はいないでしょう。
「何を言ってるんだ、コイツは!!」と思う人が大半だと思います。

ここで、新たな例え話をしてみましょう。
まだ、人類が稲作という作業を覚えた頃の話です。
日本で言えば、縄文時

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第40回 「損切り」する投資(8245丸栄)

今や死語となっている言葉に、「仕手」というものがあります。
仕手とは、本来は能や狂言で主人公を演じる人のことです。
これが転じて、人為的に相場を作り出して、短期間に大きな利益を得ることを目的に、株式市場で大量に売買して相場操縦を主導する人のことを言います。

この仕手ですが、現在ではSNSの普及により、完全に姿を消してしまいました。
なぜなら、相場を作ろうとすると、直ぐにSNSで情報が拡散されてし

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第39回 「損切り」しない投資(9616共立メンテナンス)

今回は、私の個人的な経験です。
今の私の長期保有のポートフォリオの中で、大きく成長している銘柄は、9616共立メンテナンスです。
リーマンショック後に、株主優待目当ての長期保有銘柄として2008年に360円ほどで買いました。
家族全員分5名義で持ってます。

本当のところ、実際の買値はもっと高いです。
なぜなら9616共立メンテナンスはその後、1:1.2、1:2、1:2と3回の分割を実施しているか

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第38回 「損切り」をするべきか、しないべきか

よく投資家の間では、「損切り」をするべきか、しないべきか、が議論の的になります。
結論から言えば、「投資期間により異なる」なのですが、この問題をこれまで説明してきた「risk management」と「複利効果」を交えて説明したいと思います。

まず、最初に「損切り」の定義です。
買値から下がって、損して売ったものは全て損切りとしてしまえば、議論の余地は無くなります。
かなり乱暴なものになることか

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第37回 「ゆでガエルの法則」と投資

短期投資では、損切り値を事前に決めることが必須になっていると言って良いでしょう。
なぜなら、事前に決めていないと、「ゆでガエルの法則」を食らう可能性が高いからです。

例えば、100万円でスイングトレードをします。
利益目標5万円、損切り値3万円、期間は5営業日と決めます。
1,000円の銘柄を1,000株買います。

1,000円の銘柄なら、普通の日の値動きでも、990円~1,010円の間は動く

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第36回 ゆでガエルの法則

「ゆでガエルの法則」とは、危険が迫っているにもかかわらず変化がゆるやかなためになかなか気がつかず、気づいたときには手遅れになっている、という状況をあらわす造語です。
カエルも、熱湯に投げ入れれば、即座に熱くて逃げだします。
ところが、水をゆっくり過熱していると、熱さに気づかず、気づかない間に死んでしまうということです。
まぁ、さすがにカエルも、実際にはそこまでアホではなく、途中で飛び出してしまいま

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第31回 投資サイクル

投資を行うと、サイクルという言葉を良く耳にします。
サイクルとは、状態が続けて変化し、再び最初の状態に戻ることを言います。

人の行動は、適度に止められることはなく、必ず行き過ぎということが発生してしまいます。
なぜなら、どんな人も、余裕を持ちたいと考えるからです。
10時ちょうどの電車に乗りたければ、9時55分には駅に着きたいと考えるでしょう。
予算2万円で服を買いに行こうと思えば、財布には2万

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第25回 銘柄を買う

さて、前回まで『risk management』の説明をしてきました。
そこで今回は、投資の『risk management』の活用について説明したいと思います。

何でも良いのですが、ある銘柄を買うとします。
何でも良いと言われたら、曖昧過ぎて困るという人もいるかと思います。
それでは、7203トヨタ自動車を買うとします。
結果が直ぐに分かった方が良いので、デイトレです。
朝一の寄りで買い、大引

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第24回 信頼できないインフルエンサー

無知であれば、ある事件から生じる『risk』の存在に気付くことはできません。
そして、そのインフルエンサーが最初から無知だと分かっていれば、周囲にいる誰もその人の『risk management』が正しいとは考えず、無視することができます。
しかしそのインフルエンサーが、普段から優秀だと認知されていたらどうでしょうか!?
果たして、その人が行う『risk management』が間違っているという

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第23回 インフルエンサーとrisk management

インフルエンサーとは、世間に与える影響力が大きい行動をとる人のことを言います。
特に最近は、主にSNSでの情報発信によって世間や人の思考、行動に対して大きな影響を与える人のことを指します。
その語源は『Influence』であり、影響や感化、効果作用を意味する英語です。
従来は、テレビや雑誌に出演する芸能人、スポーツ選手といった「有名人」がインフルエンサーでした。
しかし近年、インターネットを活用

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第22回 無知ほど怖いものは無い

「あたし、小学生の頃先生に、ムチより怖いものは無いと教わったんです。」
「へぇ~~。」
「あたし、ムチは知らないことの『無知』じゃなくて、武器の『鞭』だとず~っと思っていたんです。」
「・・・・・・・(確かに無知より怖いものは無い・・・・)。」
以前、部下に『risk』を教えている時に、笑いながら言われた実話です。

『risk management』では、この『無知』というものが最大の『risk

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第21回 集団の『risk』の考え方

前回は、ちょっと話が逸れました。
今回は、再び『risk management』に戻ります。

ある事象の『risk』や『hedge』の効果は、人それぞれによって異なります。
ある人にとっては『high-risk』になることでも、別の人にとっては『low-risk』になることだってあります。
いやいや、『no-risk』、つまり『safety』になる人もいれば、まだ『danger』のままという人も

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