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かぶねこ読書レビュー vol.9

おつかれさまです、かぶねこです。
今回はこちらの本。


✅ 本の紹介

📝 オニール氏について

著者

ウィリアム・J・オニール(1933 - 2023)
アメリカの偉大な投資家の一人。成長株投資に長け、30歳の時に株式投資で得た利益でニューヨーク証券取引所の会員権を取得。更には機関投資家向けのリサーチ専門の投資情報会社を設立し、「Investor's Business Daily」を創刊。彼の編み出したCAN-SLIM法は「最も一貫した最高の成績を上げた手法の一つ」と評される。

📝 成長株発掘法とは

成長株発掘法というのは、銘柄選定条件の頭文字を並べて『CAN-SLIM』法とも呼ばれ、EPS(1株当たり純利益)の伸び率の高い銘柄が短期で急上昇するポイントを狙う手法だ。

著者は否定しているが、一般的に言われる『モメンタム投資』と呼ばれる投資手法の一つであると思う。この手法では相場の潮流を読み、短期的に適切なタイミングでエントリーすることが求められる。

各条件をすべて達成する銘柄を見つけるには多くの労力も必要とし、またそれに加えて、適切なチャート分析をしなければ、大きな損失を負うリスクもあるため、難易度が比較的高い投資手法ではある。

✅ レビュー

📝 カップウィズハンドル

実は、読み始めるといきなり100ページ近くが過去の成長株のチャート図で埋められていたので最初は驚いた。(もちろん、その後で重要な解説が述べられていたので問題ない。)

カップウィズハンドルとは、CAN-SLIM銘柄に必須のエントリーポイントでのことで、下の図のようなカップの取手のようなチャートを形成したタイミングが最高の買い場ということだそうだ。

冒頭に株価チャートが大量に掲載されていたのは、この形を視覚的にしっかり覚えるためということだと思う。ほかにも『取手付きソーサー型』、『ダブルボトム型』、『平底型』などの派生形も紹介されていた。


📝 普通株には投機性とリスクがつきもの

個人的な感想としては、どちらかというと後半に書かれている相場との向き合い方(損切りのルール)が勉強になった。判断を誤った場合に、いかに早く自分の誤りを正すかという点が、この投資法で成功するための秘訣。

CAN-SLIMは短期的な急上昇を見せる銘柄の選定条件であり、この上昇トレンドに乗るというのは簡単ではないし、エントリーまでの判断が遅れると大けがをする。だからこそ、本書の後半では損切りがいかに重要かということと、そのための実践的なルールが手厚く書かれていた。

短期的な上昇にかけて個別株を買うということは、インデックス投資よりアウトパフォームする可能性も秘めている一方で、そこに存在する投機性(リスク)をしっかりと認識する必要がありそうだ。


📝 CAN-SLIM(※追加記事)


✅ おわりに

こうした昔の手法が今でも通用するのは、市場における人の本質が変わらないからだそうだ。相場には投資家心理が日々影響するからこそ、自分の予測や考えにマーケットが追随すると勘違いせずに、完全に客観的になりきってマーケットが出すサインを読み取ることが重要だと思う。

市場の将来の動きを予測したり言い当てることが株式市場の熟練者への道ではない。過去数週間で実際に市場に何が起こって、現在は何が起こっているのかを知って理解することが正しい道なのだ。

本書「第9章」より抜粋


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