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エッセイと写真と散文と

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2021年5月の記事一覧

泳ぐ人間

泳ぐ人間

起源が一緒だけあって魚類と人類には多々共通点がある。

4億年前、魚類が四肢を得て陸上に進出した際に「泳ぐ」という感覚を退化させたかと思いきや、水泳競技や海水浴のように水の中を渡る行為は人間を夢中にさせている。

そして水泳に限らず、日々泳ぐように人は生きている。

人間社会は都合と都合のぶつかり合いが全てだ。

波のように押し寄せてくる都合に、ぶつかっては飲まれ、時に回避したり、見て見ぬふりをし

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物欲センサー

物欲センサー

15年くらい前に夜勤の仕事をしているときには、全く何も仕事がないまま朝を迎える、なんていうこともざらにあった。楽な仕事もあったものである。

某ソフトウェアのサポートセンターにいたのだが、何もない、というのはそれはそれは苦痛で、流石に何か調べ物をして勉強したり、開発環境を作ったりとしていたものだったが、そんな中、日本に旋風を巻き起こした超有名な商品が発売された。

モンスターハンターだ。

Pla

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何もできない時間が貴重

何もできない時間が貴重

考えることがたくさんあって、作業もたくさんあるという状態が常なんだけど、そんな毎日の中で好きな時間は、何もできないとき。

待つ以外、できない。という状態はなかなかないものだけど、自分以外の誰かが働いてくれているのを待って、その後の作業を待ち構えている状態が好き。

例えば、空港の待ち時間。

今から出張に行かねばならないというときに、空港のロビーで飛行機を待つ時間。待つ以外にも本を読んだりパソコ

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写真屋さんの子供を惹きつけるテクニックを育児に取り入れよう

写真屋さんの子供を惹きつけるテクニックを育児に取り入れよう

子供は大人に合わせてくれない普段の育児で思うのが、子供は基本的に大人の都合に合わせてくれないということ。

基本的に、というのは、物心ついてくると、空気を読んでくれて都合を考えてくれるようになるものの、9歳とか10歳あたりじゃないとなかなか難しい。

そこに期待するのは良くないとも思います。

あくまで前提として、子供は自由。大人の都合は無視するもの。そう捉えておくと幾分気持ちが楽です。

「期待

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9歳の誕生日は、親となって10年目を迎えた記念日

5月12日は特別な日だ。長男の誕生日である。

同時に、僕の父親となった記念すべき日でもある。

親となって9回目の記念日。これまで元気に育ってくれた息子に感謝。そして9年、父親を務めた自分に、母親を務めた妻に感謝の日だ。

今日は、写真屋さんに行って、家族写真や、次男の七五三の写真、長男のバースデー写真を一気に撮ってきた。妻がセッティングしてくれた。感謝である。

写真屋さんはサービスもすごくて

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産道

産道

人間が最も苦痛を味わうのは、産道を通ってこの世に誕生する瞬間だという。

母の羊水に守られ、外界の刺激には一切晒されず、呼吸をする必要もなく、食事も取らずに受動的に栄養が補給される。

安全で、暖かい母の温もりに包まれた空間から、自然界のもたらす過酷な世界へと産み落とされる。

自力で肺を動かし、口から栄養を摂取せねばならず、万が一、気道が詰まれば死ぬ。

細菌だらけの大気や大地に、自己の免疫で立

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マスカレード・ホテル

マスカレード・ホテル

木村拓哉主演の映画「マスカレード・ホテル」を観た。

豪華なキャストに、原作は東野圭吾。舞台は高級ホテルで、主人公はホテルの従業員として占有した警視庁捜査一課の警部補という話。

相棒は、潜入中の教育係として指導する役の長澤まさみ。二人の掛け合いは予想以上にハマり役で、もっとアイドルのような印象しかなかった長澤まさみの女優力に驚いた。あまりテレビを見ない間に、すっかり大人の女性になっていた。

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翼の少年

翼の少年

背中に重みを感じたまま、もうどれくらい歩いただろうか。

少し眠そうな吐息を耳元でたてる少年の温もりに、つられたように疲労を感じつつ、あともう少しと声を出す。

いっち に いっち に

少し年上の少年は、あれだけ走り回ってもまだ足りないらしく、小高いブロック塀に登ってはバランスを取ったり、飛び降りたりしている。

自宅から25分という、歩けなくもないアスレチックに行こうと思いついたのは、雨が上が

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