結局_人間はラベルを付けるのが好きなんだと思う__2_

顧客を向いた真の企業責任を考える

わたしの住むトロントのローカルチームであるToronto RaptorsがNBA Finalsに勝ち進んだことで通常よりも盛り上がっている金曜夜よりお届けしています。どうもKEI (@kishikawa1126) です。

さらに今夜 (6/7) の勝利で3-1と、優勝に大手をかけているので、これはもうお祭り状態!

市を挙げて盛り上げ気分なのが、伝わってくると思います。
(日本で言うサッカー日本代表戦の時のような感じですかね)

↑こちらはダウンタウンの中心地にあるショッピングセンター。
「WE THE NORTH」とはトロントのタグラインです。

↑こちらはAGO美術館ですが、Raptorsのロゴモチーフに模様替え。

↑TD Center(=日本で言うメガバンク)では、自社ビルの窓でRaptorsのタグライン「WE THE NORTH」を。

↑Drakeが盛り上げている感も否めないのですが(苦笑)
ちなみに手前がヘッドコーチです。

常識のない観客の行動

そんなトロントの一体感がとても心地よく素敵なのですが、なんとNBA FinalsのGame 3(トロントにとってはアウェーゲーム)で残念な出来事が起きてしまいました。

動画を見ていただければ分かると思いますが、Raptors 7番のLowry選手がなんとかボールをコート内に戻そうと必死に食らいついた際に観客席にダイブしてしまいます。

その現場の2席隣の青シャツの男性がLowry選手を不必要に押しているのです。その後に一言二言のやり取りの後、Lowry選手が審判に向かって抗議しているのが分かります。

もちろんSNS社会ですから、瞬く間に拡散されました。

その後、青シャツの男性はVCとしてウォーリアーズに出資している株主 (part-owner) のMark Stevensだったことが判明。

© Corus Entertainment Inc.

御察しの通り、瞬く間に炎上。

さらに・・・

レポーター:"to go blank yourself" と言われたというのは正確ですか?
Lowry選手:えぇ、何度も。

"to go blank yourself" とは、"go f*** yourself" と同義の、相手を罵る表現です。これにはRaptorsファンのみならず、全世界中のスポーツファンが激怒。

さらに、レイカーズに所属するLeBron James選手が、自身のインスタグラムでMark Stevensを批判し、「さすがに黙っていられない」と投稿したことで当たり前に炎上は続くことになりました。

NBAの対応の早さ

この出来事は現地時間で水曜日の夜のことでした。

その翌日木曜日の夜には、NBAとウォーリアーズが早々に声明を出し、Mark Stevensには5,000ドル(日本で約5,400万)の罰金と1年間のNBAの出禁が発表されました。

さらに、出禁解禁となるまでに、保有している株式を売却するようにも別途求めているとの情報もあります。(そりゃそうですよね。どんなにお金を持っていようと、常識のない人に株主なんて願い下げですよね。)

事が起きてから24時間以内の決断と、さらにはメディアに向けた正式な声明を出すというのは極めて早急で賢明な対応だったとどのメディアも報じています。

炎上時の企業の対応力こそ、本当の見せ場

SNSが普及した昨今、企業にとって恐ろしいのは「炎上」でしょう。

似て非なるものとして「バズ」もありますが、一歩間違えれば「炎上」にもなりかねないのがSNSの怖さでもあります。

わたしもマーケターの端くれとして、国内国外問わず、様々な企業のSNSをウォッチしていますが、マーケターの意見としては、「どんなに気をつけていても、炎上が起こるときは起こるもの」であるということです。

上層部やマーケ部門がどんなに的確な発信をしていても、現場のメンバーが、いわゆる"バカッター"や"バイトテロ"のような事が起こせば、その内容はすぐさま拡散され、企業は痛手、ないしは損失を負います。

そこで企業が試されるのが「対応の早さと誠実さ」でしょう。

NGT48の事件、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?
「被害に遭った女の子がファンに向かって謝罪していた」と海外メディアでも話題になっていたくらいです。
(ご存知ない方は、"NGT 山口真帆"で調べてみてください) 

NGT48の件で問題だったのは、「組織としての対応の遅さと不誠実さ」に集約されるでしょう。
どのような裏の事情があったのかまではわたしには想像もつきませんが、それでもNGTのファン、メンバー、もちろん当事者も含め、すべてのステークホルダーに対して誠実に向き合っていなかったことが炎上に炎上を生み、一切の信用を失ってしまったのだと解釈しています。

まとめ|顧客の方を向いた真の企業責任とは

NBAの件に話を戻します。

今回、NBAは事件を重く受け止め、真摯に、且つスピーディーに対応したことは、世間からは高評価を受けています。
正々堂々と戦うスポーツマンシップの精神に反するわけですから当然といえば当然なのですが、上述のNGTのようにそれができない企業も多いのです。

バカッターの起こした問題でもバカッターを相手に訴える企業も少なかったと記憶しています。

裁判に勝つことが大切なのではなく、真摯に対応しているというスタンスを顧客に示していくことが企業責任なのです。

保身に走ることなく、どう顧客に向き合い、どんな価値提供をするのか。
すべてのステークホルダーに対し、何を還元し、何をコミットできるのか。

SNSの普及した現代で生き残れるのは、そういった外向きの視点で経営できる企業なのではと思うのです。みなさんはどう考えますか?

ニュース全編はこちらから

最後に、ニュース全編を見たい方はこちらからどうぞ。(全編英語です)

ちなみにLowry選手の冷静な対応にも各所から称賛の声

ここまで見ているときれいに進んでいるようにも見えるのですが、それはLowry選手の冷静な対応もあってこそだと思われます。

絶対に勝ってやる!とアドレナリンが出ている状況であんな態度を取られたら、やり返していてもおかしくないですし、卑劣な言葉で言い返していてもおかしくありません。
(AAAの浦田直也さんの事件のように、すぐにカッとなる人もいるのです)

しかし、Lowry選手は審判に抗議をするに留まり、ウォーリアーズにも責任を取るようにとも言及しませんでした。

それを見たレポーターが試合後のインタビューで「あの状況でどうやって冷静でいられたんですか?」と聞いた際のLowry選手の回答を聞いて、1人の人として、親として、スポーツ選手として、心から尊敬の意を抱きました。

⬇︎こちらはその試合後のインタビュー時のLowry選手の様子です。
該当の箇所からスタートするようにしてありますので、興味があればご覧ください。

最後に

こんな感じのオピニオン記事を含め、日々をネタに、トロントからまったりブログを書いていますので、良ければぜひ遊びに来てください。

個人ブログ『8時間労働やめました』:https://bilingual-news.com/

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