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全ての生産者さんに考えてほしい「適正価格」の話。

徳島県徳島市の産直市「喜多野安心市」専務の廣永 工です。
自己紹介の記事はこちら。

さて、今回は産直の経営者目線で
「適正価格」というものについて考察した記事を書いてみたいと思います。

どの業界においても経営をする上で一番と言っても過言ではない「適正価格」の概念。これ、言うのは簡単だけど、いざ商品ごとに適正な価格設定をして健全な経営に繋げていくとなると至難の業。それができれば立派な経営者。

そう、「値決め」って経営そのもの。

京セラ創業者の稲盛和夫さんが『値決めは経営』という言葉を著書にて書かれていますが、まさにその通りだと思うんです。

20代の頃に読んでいた稲盛さんの本。

が、僕が普段産直を経営する中で多くの生産者さんの値決め(価格設定)を間近で見ていて思うのは、多くの生産者さんがなかなかに”アバウト”な価格設定をされている、ということです。

手間暇かけて一生懸命に生産、製造した自分の商品。

それなのに「売れれば良い…」と破格で販売してしまうパターンや、逆に自信満々で「高いほどいい!」と言わんばかりの高値設定をしてしまうパターン
はたまた「わからないから相場に合わせて…」と周りのお店や人の目を気にして価格設定してしまうパターンなどなど。人によって価格設定の癖はそれぞれ。

もちろん、僕も小売業の業界で生きてきたので多ければ1日に数百の「値決め」をすることもあり、気持ちはよく理解できます。(決して否定、批判をしているわけではありません。)未だに毎日のように価格設定の失敗を繰り返しながら鍛錬をしています。

ただいつも心がけている最も基本的な「適正価格」の概念は、(以下、稲盛和夫さんの著書で学んだことを自分なりの言葉で表現しています)

⚫︎自分が「これならなんとか儲かる」(商売を持続、成長させられる)という価格帯の中の最低ライン

それと、

⚫︎お客様が「これなら安い(次も買いたい)!」と思える価格帯の中の最高ライン

この「売り手」「買い手」両者の利得が交わる僅かなポイント(ゾーン)こそ、「適正価格」だと思っているんです。

まずはこの概念から始めることが基本の”き”なんだと思います。

”売って終わり”の商売をしたい方や、より良いモノづくりに興味のない方は適当に価格設定をしても構いませんが、、
事業や製品をより良いものにしていくには「適正価格」を設定する「値決め力」を養っていかなければなりません。

規格にとらわれず、様々なサイズの野菜や果物を販売するには適正な価格設定がその度に必要。

僕のように「販売」を生業とし、消費者の方々に末端価格を提示することを仕事にしている方はこの能力が必須なのは言うまでもありませんが、

多くの生産者さんが、末端価格の設定を自身で行うケースが多くなってきた時代。

価格設定について深く考えたことのなかった方や、日々頭を悩ませておられるという方がたくさんいらっしゃると思います。

そんな方々が今一度、ご自身の商品の「適正価格」(さらに「顧客からみた商品価値」)について考察され、持続可能で健全な事業経営に繋げていかれることを願っています。

この記事がほんの少しでも、どなたかの参考になれば…とても幸いです。

また、僕自身もさらに自己研鑽していきたいので、違った観点からアドバイスいただける場合など、お気軽にコメントいただければと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

次回はまた1週間後に更新する予定ですのでよろしくお願いします。


そもそも「産直」って何?という疑問や
「産直」を利用する利点などについては過去記事もご覧いただければと思います。


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