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「一夫一婦制が望ましい在り方」であるほど、(特に男の)性欲は社会的に害悪視される

かねてから私は、いわゆる「女をあてがえ論」・「皆婚社会待望論」・「弱者男性(非モテ男性)の恋愛・婚姻・生殖の権利」について否定的な立場を取ってきました。今回は改めて、なぜそのような立場なのかを説明したいと思います。

「皆婚は福祉ではない」という当然の事実

まず何よりもおさらいしておかなければならないのは、なぜ「皆婚社会」は(個人ではなく社会的に)待望されているのか、ということです。その最大の理由は、それが共同体の「次世代再生産」を最も高い効率で行える手法だからです。できるだけ多くの男性に恋愛・結婚・生殖の機会が確保されるからではありません。

つまり男性は稼得能力に、女性は出産・育児能力に全振りさせることで、両者のトレードをしやすくする(あるいは、徹底させると言ったほうがいいかもしれない)システムになっているのです。

いわば元から、「下の男」のことなんて考えられていないんですよ。「あてがえ論者」は結局、鉄砲玉として利用されてしまっています。このシステムは「福祉」でもなんでもないんです。

そして、その結果起きていることの一つとして、「熟年離婚」があります。つまり定年退職などによって「稼ぎ手」でなくなった夫を切り捨てるわけです。まさに使い捨てられる男Disposable Menの典型例です。

男の中の誰かが「ヒステリック我儘フェミ女」を引き取らなければならない、それが皆婚社会・一夫一婦制の本質

また一対一で女が配られるということは、底辺男には底辺レベルの、すなわち「ヒステリックで我儘な女」があてがわれることになります。そしてそのヒステリーは(少なくとも「皆婚」がうまく成り立っていた時期においては)夫の責任において宥めなければなりませんでした。

とはいえ実際に取りうる手段は「力で抑える」か「渋々従う」かのどちらかでしょう。前者は今で言うところの「DV夫」であり、後者は今で言うところの「フェミ騎士」です。

非モテ男性が女性や社会から差別・迫害を受けるメカニズムには大きく分けて4つあると思われる。
①男の甲斐性をアテにした結婚を望む女性たちによる直接的なもの。
②彼らとの関わりを望まない既婚女性などを背景とした「夫」を介した間接的かつ積極的なもの(いわゆる「フェミ騎士」的な迫害)。
③②とは別に、「伝統的家族観」を履行しないことによる保守派の同調圧力的なもの。
④「代替手段」となり得るものへの攻撃を介した間接的かつ消極的なもの。②や③と複合的に為されているケースも多い。
彼らにできるだけ女が配られたとしても、②③のような迫害の形態を増やすだけではないか?ただでさえ女の人口は「配れる」ほど多くないんだし。

先に私は非モテが受ける差別・迫害について上記のように述べましたが、どっちみち一定数の男は「騎士」にならざるを得ないわけです。

そしてこの「皆婚社会、というよりかは一夫一婦制が望ましい在り方」という考え方を前提とするなら、男が「特定の性癖」(ここでは同性愛や無性愛などの“性的指向”もひっくるめてそう呼びます)を持つことは、トレードシステムを崩しかねないリスクになります。これが伝統保守側から「性の商品化セックスワーク」を害悪視する論拠になるわけです。統一教会の純潔運動がまさに典型例ですね。

ちなみに小山晃弘氏自身も、記事中でこのように述べています。

意外に思われるかもしれないが、筆者は基本的に「AV規制」賛成派である。
そもそも性愛の自由化そのものに反対しているのだから、性の自由化(商品化)の最たるものである売春やポルノを手放しで賞賛するわけがない。それらを生産・消費することを倫理的に咎めようとは思わないが、マクロな社会設計を考えれば一定の歯止めを利かせた方が社会全体の厚生は高まるだろう。

なぜセックスワーカーは「フェミニズムの敵」であり、「更生されなければならない」のか

では逆に、なぜ近年のフェミニズムでは「セックスワークを否定する」勢力が強まっているのか。これも実は「一夫一婦の皆婚が望ましい在り方」という考え方が大いに関わっています。

矯風会やこの記事で紹介した山田わか氏もそうであったように、かねてから日本で「売春婦の更生」に力を入れていたフェミニストにはキリスト教思想を背景に持っていることが多いですが、これも一夫一婦制の徹底を絶対善としています。

ただ、彼女らが「セックスワークを(たとえ当事者が望んだとしても)否定する」最大の理由は別にあります。それは、「セックスワークに従事していたこと」自体が、就職差別や結婚差別につながっていることです。逆に「被害者の心理的問題」などは論拠としては必要ないんです。

これはゲイポルノの話ですが、この野球選手のこと、彼の辿った経歴を知らない人はいないでしょう。これこそその「就職差別」が最も大きな形で現れた例の一つです。

「一夫一婦制が望ましい在り方」であるなら、この傾向はどんどん強まっていくでしょう。そうした「差別」をかわすために「自分の意志ではない●●●●●●●●●ことにしなければならない●●●●●●●●●●●●ケースもかなりあるそうです。

適正AV内の女優については、全ての始まりは、売れてしまうことが条件となる。売れないと消えるから何事も起こらない。
売れたせいで、親バレや身バレと呼ばれるように周囲に知られてしまう。そこでよくあると推察されるのは、女優が、親や周辺に、自分から望んで出演したとは言えず、おなじみの断れなかったストーリーで言い訳する。
ここで、運動団体は、「被害者」本人を信じること前提で聞くのは、対応方法としては当然であろう。

このことを前提にして「性産業全廃論」を考えると、見えてくるものも多いと思います。もちろん「被害当事者」自身も「一夫一婦制が望ましい在り方」という考え方を後に持つようになった例も多いでしょう。『ゴールデンカムイ』のマイケル・オストログのように。

もはやキモいという主観的感情負の性欲の発露ではありません。このシステムは、正であろうが負であろうが、あらゆる性欲を害悪視していたのです。このように考えるなら、「一夫一婦制が望ましい在り方」という考え方そのものに、疑念を向けなければならないのではないでしょうか。

皆婚社会が「女のディープ・ステート」を生む

私が皆婚社会に否定的な理由は、まだあります。

これはいわゆる「AV新法」の改正が報道された時のProf.Nemuro氏の発言ですが、実は新法について彼が言及したのは後にも先にもこれだけです。「女のディープ・ステート」の存在を示唆していますが…彼は自分で何を言っているのか分かっているのでしょうか?

当たり前のことですが、日本における女性政治家の比率はわずか9.9%です。つまりその声の多くは良くも悪くも男性…もう少し端的に言えば「夫」に代弁されているのです。つまり前半部において言及した「フェミ騎士」に近い立場です。あるいは…

森元首相の女性蔑視発言を最初に彼本人に咎めたのは誰か?
彼の孫娘だったでしょう。

本多元議員を真っ先に吊し上げたメディアはどこか?
ジェンダー的にも保守色の強い、「産経新聞」だったでしょう。

森氏は少なくとも孫娘の代まで「伝統的家族」を持続させ、産経新聞もあそこまで「伝統的家族観」に固執していることを考えると、吊し上げた記者や編集者が「既婚男性」であることは疑いようがありません。

つまり、「女のディープ・ステート」を生んでいるのは、他ならぬ「伝統的家族観」「一夫一婦の皆婚社会」なのです。

Prof.Nemuro氏は元々から皆婚社会を奨励してきた論客です。ましてや、

これらの記事のように、「非エリート女性」を取り込むためか、社会進出が女性内の分断をもたらしていることも訴えてきました。そしてそのことがフェミニストからも言及されるようになるやいなや…

《女性を虐げるのは男性だけではありません。恵まれた立場にいる女性の中にも、「自分がたまたま恵まれていただけ」ということに気づかない人はいます。言い方は良くないかもしれませんが、「名誉男性」みたいなものでしょう。》
後編はまだだが、この人には社会が図のように見えているのではないか。
損をしている男、不利な立場に置かれた男、虐げられている男、恵まれていない男は存在しないかのようである。

つまり彼には本来、あんなこと言う資格はないんですよ。その責任の一端は、明らかに彼が握っています。

結局「非モテの恋愛・婚姻・生殖権」は確保されるべきか?されるべきならどのようにして?

以上、私が言いたいのは、このようなデメリットを引き受けてでも、女が一対一で配られるような仕組みがいいのか、ということです。

私は大百科掲示板で「そのほうがいい」と言う人物とガチレスバトルになったことがあります。

331ななしのよっしん
2021/10/13(水) 21:50:04 ID: K/G40xWlKJ
>>330
>となると根本的な解決は男が子を産めるようになることでしょうかね
もちろんその通りで、これを実現させないとアンチフェミニズムの中でも「家父長制的家族観のほうがマシだった論」に止めを刺せない。
その技術が確立されるまではできるだけ若いアンチフェミ男性をこの論に迎合させないようにして時間を稼ぐ必要があるだろう。
そもそも家事労働は家電の自動化や代行サービスの普及、夜の営みはVRなどで代替できるようになり、その相場も下がり続けていると言われ、今の40歳以下くらいにとっては妻を持つ動機って子供をなすか老後の介護を見据えるかくらいしかない。草食男子は現れるべくして現れ、増えるべくして増えた。
逆にそれが家族観に寄生しようとしている草の根女性たちの反感を買い、彼女らをミサンドリーに走らせたみたいなことも言われてるんだけど、どっちみちこのままでは家父長制的家族観がフェミニスト・アンチフェミ双方によって「女にとって都合のいい形で」取り戻されることになる。それは本当に家父長になりたがる男たちが望んだものだったろうか?

332ななしのよっしん
2021/10/22(金) 06:14:47 ID: JMfyupuIW8
>>329-331
これまた全盛期のジェンダーフリーみたいな事を言うなぁ
自分で子供を産みたい男なんてゲイカップルか、フェミと組んで女の苦痛をわからせるべきだとか言ってる男女平等ガチ勢ぐらいしかおらんだろ

男が女を所有したがるのが性欲のためだけではないのはその通りだが、それはまさに家父長になり自らの家と遺伝子を後世に残すためだろう
「一国一城の主」とはよく言ったもんだ。しがない次男坊でも独立して嫁を取れば殿であり長になれたし、だからこそ昭和的核家族社会はある種のユートピアとして語られる
実際にはそこに愛人だのヤリ捨てだのいう話も乗ってくるからもう少し複雑なんだが、どのみち「産む」んじゃなくて「産ませる」事に意義があるものなんだよ

まぁ流石にフェミ達があたしらはうむきかいじゃないぞと反発する気持ちもわからんでもないがね

333ななしのよっしん
2021/10/22(金) 06:42:18 ID: JMfyupuIW8
ともあれ、だ。社会はその反発を受け入れ結婚出産を拒否する女が当たり前になってしまった
それに伴い男達も嫌が応にもあぶれるようになってしまった
「こっちから願い下げだ」というような感情はそれを受けて生じた消極的なものであり、本意ではなかったんだよ
あちらを立てればこちらが立たず。男女関係など端からゼロサムゲームのせめぎ合いだと男達は知っている

自分がインセル―不本意の禁欲主義者にもっと注目すべきだと再三述べてきたのもこのためなんだよ
彼らは何も降って湧いたわけではなく、この極北で納得できないと言い続けているだけの人なのだから

彼らは確かに自力で女を得る事のできない弱者なのかもしれないが、そういう男にも半強制的に女を与え、半自動的に一人前の男だと認めてきたのが一昔前までの社会だった
その女は望み通りのスペックではないかもしれないが、ゼロよりはマシだ
彼らを「家族観に寄生しようとしている者」と蔑む事は簡単だが、では現実的に彼らはどうやって生きていけばいい?
飢えるか奪うか二択しかない。違うか?

335ななしのよっしん
2021/11/19(金) 20:17:50 ID: K/G40xWlKJ
>>332-333
呆れてレスする気も失せていたが、議論を止めるわけにはいかないためここについてだけは反論しておく。
>彼らは確かに自力で女を得る事のできない弱者なのかもしれないが
それだけのことで「弱者」と?彼らの主張が「あてがえ論」として社会にインパクトを与えることに成功したにもかかわらず?
本物の弱者は言葉など有さない。これは草の根フェミのスローガンの一つが「私たちにはことばが必要だ」であること自体が示している。もっとも彼女らはアカデミアで提唱された概念を(既に否定されたものも含め)借用することでその「ことば」を紡ぎ出すことができたわけだが。

>彼らを「家族観に寄生しようとしている者」と蔑む事は簡単だが、では現実的に彼らはどうやって生きていけばいい?
家族観に寄生しようとしているのは男じゃない、女だ。だからこそ男のほうが普通の結婚を目指しては「いけない」のだ。
フェミニストを自称する男というのも大抵「幸運にも女があてがわれた(元)インセル」だ。その意味をよーーーく考えてほしい。

「非モテの恋愛・婚姻・生殖権」を考えるにしても、この大前提を無視することはできません。ではそれらの「権利」は、現実的にどのような形で保障されるべきなのでしょうか。一つの解を、匿名用アカウント氏が提示しています。

一つの案として、保守回帰がある。
(略)
話だけ聞く分には収支も合っているし、まぁまぁの答えに思われなくもないのだが、私はそのような方策に大きな期待はできないと考えている。
目指すべきは専ら技術的解決であろう。具体的には人工子宮やセクサロイド、フルダイブバーチャルリアリティー、そして不老不死の実現だ。
「そんな空想的な方法しかないのか? それより社会的解決を目指す方が現実的じゃないのか?」
そう思うのも無理はない。
だが、どんなに遠回りに見えても、また大きな副作用が見込まれても、これが最短距離であろうと私は考える。それどころか、唯一のルートかもしれない。

そう、上記のような技術を確立させ、彼らの「選択肢を増やす」べきであると思います。伝統保守・フェミニズム双方からいかなる妨害を受けようと、我々はこれらの実現に全力を尽くさなければなりません。「フェミニズム」の狂気を、長期的に弱める方法は、おそらくこれしかないでしょうから。