ベトナムを知る❹～文化や習慣

2024年6月9日 18:57

　ベトナムの文化や習慣は、その歴史、地理的位置、および異なる文明との接触によって形作られてきました。ベトナム文化のさまざまな側面について考え直してみたいです。

ベトナムを身近に感じて頂けると嬉しいです。　

　ベトナムの文化や習慣についての深掘りしていきたいと思います。

　今日は、概略になります。

1. 歴史的背景と影響

　ベトナムは長い間中国の支配下にあり、その文化的影響は深いです。漢字、儒教、道教、仏教などが中国から伝わり、ベトナム文化の基礎を形成しました。儒教の教えは特に家族の重視や社会的ヒエラルキー（階層や階級制）に影響を与えています。

　19世紀後半から20世紀中頃にかけて、フランスの植民地であったことから、ベトナムはフランス文化の影響も受けました。教育、法律、建築、料理など、多くの分野でその影響が見られます。特にフランスパンを用いたバインミーやカフェ文化はその名残です。

　ベトナム戦争（1955-1975）の影響もあり、アメリカ文化が一部浸透しました。戦後、特に若者の間でアメリカのポップカルチャーや音楽が人気となり、西洋風のファッションやライフスタイルが受け入れられています。

　ベトナムの農業は主に稲作に依存しており、これは文化的にも重要な役割を果たしています。水稲農業は何千年も続いており、多くの儀式や伝統行事と結びついています。収穫祭では、豊作を祈り、感謝の意を表す儀式が行われます。

　米はベトナム料理の中心的な存在です。フォー（米粉のヌードルスープ）、バインミー（ベトナム風サンドイッチ）、バインクオン（蒸し米粉のクレープ）など、多様な料理に使われています。米を使ったお菓子や酒も多く、特に旧正月などの祝祭では欠かせません。

　ベトナムの長い海岸線を活かして漁業が盛んです。漁業は沿岸部やデルタ地帯で行われ、多くの伝統的な慣習や儀式が行われます。漁師たちは、海の神や祖先に対して安全と豊漁を祈るための儀式を定期的に行います。

　ベトナムには古くからの工芸産業があり、漆器、刺繍、陶器、シルク製品などが伝統工芸品として知られています。これらの工芸品は地域ごとに異なる技術やデザインが存在し、文化的な多様性を反映しています。例えば、ハノイのバッチャン村は陶器で有名です。

　ベトナム最大の祝祭であり、旧暦の1月1日を中心に数日間続きます。家族は一堂に会し、先祖を敬い、新しい年の幸福を祈ります。伝統的な料理や装飾が用意され、バインチュン（四角い餅）やバインテト（円筒形の餅）が作られます。赤色の装飾や衣装が幸運を招くとされます。

　中秋節は主に子供たちのための祭りで、満月を祝います。この時期、子供たちはランタンを持って行進し、月餅を食べて祝います。家族での団らんが重視され、親子の絆を深める機会となっています。

　ベトナム社会は年齢や地位に基づく明確なヒエラルキーを持ちます。敬語の使用や適切な態度は社会的な和を保つために重要です。年長者や上司には敬意を示し、親しい間柄でも敬意を欠かさないことが求められます。言葉遣いだけでなく、身体の動きやジェスチャーも注意深く使われます。

　ベトナム人は家に招待することが多く、その際には贈り物を持参するのが一般的です。贈り物は包装や内容に注意を払い、特に赤色の包装紙は喜ばれます。

　贈り物の内容としては、お茶や果物、特別な時には高価な酒類などが選ばれます。

　贈り物を受け取る際は、両手で受け取り、感謝の意を示すことが礼儀です。

　アオザイはベトナムの伝統衣装で、特に女性の間で人気があります。アオザイは身体にフィットするデザインで、優雅さと美しさを象徴します。結婚式や公式行事、特別な祝祭の際に着用され、色やデザインも多様です。男性用のアオザイも存在し、特に伝統的な行事で着用されます。

　都市部を中心に西洋風のファッションも広まりつつあります。特に若者の間では、国際的なブランドや最新のファッションが人気です。

　ベトナムのデザイナーたちも独自のスタイルを取り入れたモダンなファッションを創り出し、国内外で注目されています。ハノイやホーチミン市には多くのファッションブティックやショッピングモールがあります。

【次回へ続きます】

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