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カルチャーとは?メイン・ハイ・サブ・カウンターの4つの意味を事例で紹介

さてさて、私は「サブカルマガジン」と銘打って、マンガ・アニメ・映画・音楽・映画・美術などなどについて日々記事を更新しています。

ただ「そもそもカルチャーってなに?」という前提を書いておかないと、このマガジンがなんのこっちゃ分からない。いやこれホント全力で自省の念が爆発したわけでございます。今年はマジで毎日、記事を更新していく姿勢ですので、ここでバァーンとはじめての方に向けて、カルチャーの概要について大紹介します。

そもそも文化(カルチャー)には4種類ある

まず「カルチャー」はだいぶざっくりした言葉。文化というでっかい円卓に「メインカルチャー・ハイカルチャー・サブカルチャー・カウンターカルチャー」という4種類の皿があるわけだ。「料理」という言葉のなかに和食・イタ飯・フレンチ・中華があるというイメージで大丈夫です。

ではこの4種類のカルチャーについて基本を押さえておこう。意味の違いを把握すれば、自ずとカルチャーの意味がぼんやり見えてくるはずである。

メインカルチャーとは「大衆による支配的な文化」

メインカルチャー(英: main culture)とは、社会の(主流をなす)構成員が健全な文化として受容するものである。(中略)サブカルチャーと対比して用いられる語で、ある社会で支配的な文化のことである。文学、美術、演劇、音楽などの事であり、20世紀になって大衆文化が発達し、次第に映画、テレビ番組、ポピュラー音楽、ビデオゲームなども学問や論評の対象となり、メインカルチャーと認識されている。

一部をwikipediaより抜粋

ハイカルチャーとは「教養のある賢さMAX文化」

ハイカルチャー(英: High culture)とは、学問、文学、美術、音楽など人類が生んだ文化のうち、その社会において高い達成度を示していると位置づけられたもの。上位文化などと訳されることもある。または「文化」という言葉がもっぱらハイカルチャーを指すことがある。大衆文化、サブカルチャー、カウンターカルチャーなどに対比される言葉という定義は間違いである。また、社会的な上位者である権力者・知識人が愛好する『文化』であることから社会的に高い位置づけをされている(後略)。

一部をwikipediaより抜粋

カウンターカルチャーとは「大衆への反抗パンク文化」

カウンターカルチャーとはサブカルチャーの一部であり、その価値観や行動規範が主流社会のものとは大きく異なり、しばしば主流の文化的慣習に反する文化のこと。カウンターカルチャー運動は、ある時代の市井の人々の精神と願望を表現する。カウンターカルチャーの力が大きくなると、劇的な文化の変化を引き起こす可能性がある。

一部をwikipediaより抜粋

サブカルチャーとは「マイノリティによる少数派文化」

サブカルチャー(英: subculture)とは、メインカルチャーと対比される概念である。(中略)主流文化に対し、一部の集団を担い手とする文化を指す用語で、副次文化ないし下位文化とも訳される。意味は「主流文化に反する個人のグループ」というもの。「サブ」とは、社会的マジョリティの文化・価値観から逸脱した、エスニック・マイノリティやLGBTといった「少数派集団」のことである。ただし現在では民族や人種的な意味合いは薄れて、大きく分けてのマイノリティといわれている。また日本ではちょっと意味が変わり始めているが、これについては次回の記事で……。

一部をwikipediaより抜粋

サブカルチャーについてはこちらの記事も参考してみてください。

4種類のカルチャーの違いとは

4種類をまとめると、以上のような図になることを押さえておきたい。大衆文化としてのメインカルチャーがある一方、マイノリティとしてのサブカルチャーがある。また富裕層のハイカルチャーがある一方、反骨精神を持ったカウンターカルチャーがある。

4種類のカルチャーの違いを18世紀美術の事例で紹介

ではざっくり18世紀の美術界の事例で「メイン・ハイ・サブ・カウンター」の4つの意味を解説しちゃいましょう。

当時の西洋美術では、ルイ14世が作った「アカデミック主義」が力を持ち、基本的にコンテストではアカデミーの作品が入賞するようになって、メインカルチャーになったわけである。その前提として絵を頼むパトロンって、金銭的にも立場的にも高い位置にいる富裕層で、彼らはハイカルチャーとしてアカデミズムを求めていた。つまりアカデミズムはハイカルチャーであり、メインカルチャーでもあった。

そこに「おい! 新しい表現方法も認めてくれよ!」つって自分たちで公募展を主宰したのがモネやフェルメールで有名な「印象派」だ。つまり彼らはハイカルチャーに対するカウンターカルチャーだったわけである。そして印象派は以前にも増して知名度を高めていった。カルチャーの構図自体をひっくり返したのだ。

いっぽう隅っこの方で「風景画」や「風俗画」を書いていたのがミレーなどのバルビゾン派だ。彼らは別にアカデミーを破壊しようなんて考えていない。「いや宗教画ばっかり描いてもなぁ」と、別に反骨精神なども持たずにその辺の農村とか描いていた。これはサブカルチャーである。

4種類のカルチャーの違いを2020年の音楽の事例で紹介

とはいえ、200年以上前のことなので、いまいち分かりにくいかもしれない。ということで2020年の音楽シーンの事例で4つの種類の違いを見てみましょう。

ハイカルチャーは基本的に昔からあんまり変わらない大人の嗜みなんです。なので優雅に紅茶をすすりつつバッハやショパンなんかを聞きながら「バッハのパーマってあれカツラだそうですわよ。突飛なオーダーメードですこと!おーっほっほっほ」みたいな感じだ。

メインカルチャーはもちろん大衆文化ですので、いわゆるヒット曲が主流になる。ドルガバやら縄跳びダンスやらがその代表だ。サブカルとしては、メジャーでは売れていない、いわゆるご当地フェスなどに出ているラッパーやバンド、シンガーなどが挙がるだろう。カウンターカルチャーはサブカルチャーのなかでも「メジャーの!音楽なんて!ク・ソ!ク・ソ!いえーい!」と地下のライブハウスで唸っているパンクアーティストになる。

4つのカルチャーはPESTを見ると、とても分かりやすくなる

では続いて「現在のカルチャーを知るため」また「未来のカルチャーの移り変わりを予測するため」の手法を紹介しよう。そのためにPEST分析を使うのがよい。PEST分析は基本的にマーケティング担当者や事業責任者が使うフレームワークだけど、誰でも組めるからね。

PEST分析は「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つで表されます。ようするに(比較的、近い)未来がどうなるかをこの4つの視点で探っていくわけですな。

例えば今コロナで大変でしょ。でも2021年にコロナ関連で以下のような動きがあるかもしれん。

P:薬価法の特別許可、企業単位でワクチン接種を義務化

E:医療関係者めっちゃ潤う。ワクチン打って安心して買い物できるように反動でリアルでの買い物とか飲みとか増えるかも。

S:「コロナ明け」「注射怖い」がトレンドに。対面サービスがむっちゃ広告打ち出す。一方で「会わなくてもよくね?」もトレンドに。

T:大学や高校などのオンライン授業システム、試験のオンラインシステムなど、いままで対面がマストと思われていたサービスのオンライン化が進んだり。

こういうPESTのうち、カルチャーは「社会」に含まれるものだ。そして政治・経済・技術は必ず社会に影響を及ぼすんです。例えばこの前「私たちミレニアル世代ってなぜか超絶デカダンス主義なんだが」と言う記事を書いた。政治・経済とテクノロジーによって、私たちはなぜか自然と退廃思考になってしまったのではないか、という仮説です。

2021年現在「SNS」が4つのカルチャーを変えている

では2021年の各カルチャーってどうなるのかな~って考えたときに(これはここ数年ずっとだけど)面白いのはSNSというテクノロジーの台頭によってメインカルチャー、ハイカルチャー、サブカルチャー、カウンターカルチャーの4つが少しずつ変わってきているということだ。また同時進行でマスメディアがだんだん力を失っているのがよくわかる。

以前であればマスメディアしか消費者に売り出す方法が無かったものの、現在はインターネット広告とSNS広告が主流だしアクティブユーザーも多い。

ではSNSによって何が変わったんだよ!っていうと個人的には3つ。1つは「SNSから新たなカルチャーが生まれるうになったこと」。例えばさっき書いた「最近、急に売れはじめたアーティスト」を見ていただければよくわかるだろう。「香水」も「夜に駆ける」も、SNSから出てきた曲である。SNSによって新たな「メインカルチャー・サブカルチャー・ハイカルチャー・カウンターカルチャー」が見つかるようになっている。

2つ目は「カウンターカルチャーがほぼ死にかけていること」。ここ数年の誹謗中傷騒ぎを見ていただければ分かるでしょう。とにかく「尖ったことが言いにくい”優しい世の中”」になってきている。良いこと。「誰も傷つけない」がコンテンツに必要になっており、みんながみんなぺコパ化している今、カウンターカルチャーが表に出てくるのって「NHKをぶっ壊す」が最後なんじゃなかろうか。

3つ目は「メインカルチャーとサブカルチャーとの境界が曖昧になっていること」。「メインカルチャー」ってもちろん、一気に大衆を掴むわけでなく、サブカルチャー時代を経てから大衆文化になるわけだ。この「サブカル時代の期間」ってだんだん短くなっている。SNSですぐ見つかって、すぐ拡散されて、すぐメインカルチャーになって、すぐ次の代替品に取って代わられるわけだ。

なので、例えばウルフルズとかミスチルとかサザンとか、数十年ずっと前線でやっているアーティストってもう現れないのではなかろうか。「瑛人」も「YOASOBI」もおそらく今年中にはファンが減って、後継者が現れる。LISAも鬼滅がなくなったらサブカルに戻ってくるだろう。特に音楽や文学などの、消費が早い市場の移り変わりは早い。サブカルは今後増えていき、メインカルチャーのラインナップは年々変わっていくはずだ。

カルチャーを知ると、アニメ・マンガ・文学・絵画・美術・音楽がもっとおもしろくなる

アニメやマンガ、音楽、文学、絵画、美術などなどはあらゆるアーティストやクリエイターがいて、毎日どこかで作品が作られて誰かを幸せにしている。

私自身、わけわかんない小説を自費出版したり、わけわかんないコラージュを作ってZINEを出版させてもらったり、バンドをしてみたり、なんかいろいろ作品を作っているが、やはり創作物(アート・クリエイティブ問わず)って目には見えないチカラがある。人が生きるうえで必要だし、これから死ぬまで(少なくともnoteにいる皆さんは)誰かが作った作品を見たり聞いたり嗅いだりしながら生活していくに違いない。

そんな創作物を私たちが享受するときに、その背景である「カルチャー」を知っておくと、さらに作品を受け取ることが楽しくなるはずだ。ぜひ、今回紹介した4つのカルチャーを味わいながら創作に触れてみてくださいな!

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