見出し画像

【河合隼雄】村上春樹と小川洋子と吉本ばなな。これ、なあんだ?

大?発見をしました。

新潮文庫には、
河合隼雄対談本が3冊もある。
そのどれも対談相手が、
人気作家ばかりなんです。
村上春樹、小川洋子、吉本ばなな。
どれもよく売れている。
それに、3人の作家が
それぞれの個性を
河合隼雄によって引き出されている。

3冊列べるとすごい眺めだ。
ポーカーでいう、
スリーカードみたい。

①『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』河合隼雄・村上春樹

②『生きるとは、自分の物語をつくること』河合隼雄・小川洋子

③『なるほどの対話』河合隼雄・吉本ばなな

この3冊はどれも、
心理学とか、河合隼雄に
興味がなくても面白い。

むしろ、作家に興味があれば
楽しく読めちゃう対談本です。

村上春樹は、
まだアメリカにいた頃で、
『職業としての小説家』など
自分語りの本などはなかった頃で、
自分について、
村上春樹がこんなに赤裸々に
自分語りをしていることが
珍しくて、とても新鮮でした。

社会との距離感。
どれくらいコミットするか?
どれくらい、反コミットするか?
個性とはそもそも何か?
書くとは何か?
村上春樹はまるで、
よく当たる占い師を、
質問攻めにするかのように、
様々な問いを、河合隼雄に尋ねていく。
実に刺激的な対話が続きます。

さて。
小川洋子さんはまた違う内容です。
村上春樹が盛んに
自分の体験や個性を主に 
質問攻めしていたのに対して、
小川さんは、
作家であること、
物語を書くことについて、
じっくり河合隼雄に尋ねていく。
その低い姿勢、低いスタンスが
河合隼雄を饒舌にするんです。

村上春樹と小川洋子では
こうも河合隼雄が違う対話内容に
なるとは、驚きです。

さて、
吉本ばななは、
心理学とか、作家であるとか、
構えた質問をするより、
のんびり、近所のおじいちゃんと
座談、雑談しているという印象です。

もしかしたら、
対話本としては
これがいちばん深い本でしょう。
中身も森羅万象について語ってるから
なんだか楽しい会話を
聞かせてもらえたなあと嬉しくなる。

ちなみに、
河合隼雄は
新潮文庫で対話本はまだまだ
出ていますが、
文学者との対話本は、
この3冊でしょう。

含めなかった本のファンの方には
申し訳ありませんでした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?