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人生に、上下も勝ち負けもありません

20240711

西欧は合理的で、父性的。オバマ元大統領の「CHANGE」のように「変わらなければならない」という思想が強い。
一方、東洋のほうは、母性的な「なんとかなるさ」といった思想が強く、ある意味「甘え」を許し、肯定してくれる。
ここ何十年かのうちに、とりわけ日本人は文化や価値観がかなり欧米化し、ライフスタイルも欧米に近づいたのは事実である。しかし、根底には日本人ならではの感じ方や考え方があるし、西欧の文化、文明とは異なる「東洋の価値観や思想」というものも当然ある。

上善如水
水は、常にやわらかく形を変え、何にも抗わないようでいながら、それでいて生命の源であり、生きるエネルギーを感じさせる。

「何かしなきゃ」
と焦るより
覚悟を決めて
「何もしない」

元気がない時期には
「何もしないで一日が終わる」
ということもよくある。

そんな「何もやる気がしない」という時期が続くと、「がんばらなきゃ」と焦ってしまう。

■無為を為し、無事を事とし、無味を味わう。

余計なことは何もしないで、焦らずに、「味気ない生活」をただ味わって暮らしていく。

人生には「エネルギーでいっぱいの時期」もあれば「エネルギーが著しく低下してしまっている時期」もある。
誰が何と言おうと、エネルギーがなくなってしまっているのだから、 じたばたあがいても仕方ない。
そういうときは「何もしていない」と焦るのではなく、「『何もしない』をしているのだ」と考えてみる。

じっとエネルギーが貯まるのを待つことは、絶対に必要である。定期的に訪れる、充電する時間。それが「何もしないをする時間」なのだ。

ナマケモノのような「ほとんど何もしないかのように生きる」という人生もある。

■持してこれを満たすは、その已むるに如かず。
功遂げて身の退くは、天の道なり。

いつまでも器を
いっぱいにしようとしておくのは
やめたほうがいい。
自分がやるべきことを
やり終えたなら、
さっさと引退したほうがいい。
そのほうがかっこいいし、
それが自然の道である。

いつまでも「自分が、自分が」と言っていないで、やるべきことをやったなら、引退するに限る。
もともとは、そうやって引退した人たちが「この先の人生、どんなふうに生きていけばいいのかわからない…」と苦しんでいる。
「バリバリ働いて、勝ち続けていることだけが人生じゃない」「自分が活躍して、賞賛されていることだけが大事なんじゃないよ」というメッセージにも取れる。
定年して仕事がなくなる(あるいは、年齢とともに自分のポジションが変わる)ことに苦しんでいる人の多くは「自分は勝ち続けてきた。だから、勝ち続けなければ意味がない」「仕事で活躍することこそ、輝かしい人生だ」という考え方に縛られている傾向が見受けられる。

自分の役割というものを理解し、何かの仕事を終えたのなら、自然の流れに身を任せ、次の人に委ねていく。また、自分の目の前にある境遇を受け入れ、自然に身を任せて生きていく。
そんなスタンスこそが「自分の人生」を楽しく、したたかに生きていく術なのだ。

■道は常に為すなくして、面も為さるは無し。

自然界にはそもそも「このようにすべき」という意図はない。
それでいて、自然のすべてには細大漏らさず「なるようにしかならぬ」という法則が張りめぐらされている。
そんなふうに「自然に任せて生きる」ことで十分ではないか。

「生きる意味」とか「生きがい」とか、ましてや「こんなふうに生きていかなければいけない」なんてものはそもそも存在しない。すべては自然のなすがまま。その大きな流れに身を任せて生きていくだけ。








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