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久世じゅん|gemini
2019年3月27日 23:12
まー、と呼びかける愛くるしい声。そんな大きさで一体何が掴めるのか、と思ってしまうほど小さな小さな手。そのぷくぷくとしたパーツを眺めていると、なぜだかバルーンアートのプードルを思い出す。やわらかな足の裏は、まだ大地をよく知らない。トタ、トタ、と一歩ずつ開拓でもするかのように、新しい何かを探して踏み出していく。彼の感情はくるくると変わる。涙を流さずに泣き声をあげたかと思えば、大げさに唇を突
2019年3月18日 22:17
宵の気配をたたえながらも、思いのほか強く、金色に輝く太陽。地平線のオレンジを捕まえたくて、思わずスマホを掲げる。レンズ越しの夕日は、なぜかその顔を少し曇らせたように見えた。夕暮れと、その後に訪れる薄明の時間が好きだ。宵闇に少しずつ溶けていく光。その儚さと曖昧さは、在るがままの私を包み込んでくれる。羽ばたけず、落ちることもできない私を。
2019年3月15日 18:10
自分を晒け出し、少し背伸びをし、血を流し、傷を癒す行為。創る過程でどれほどもがき苦しむのかわかっていても、それをやめられない人間がいる。生まれながらの表現者。他人に評価される表現者がいて、評価されない表現者がいる。両者には、それぞれの苦悩がある。自分の評価と他人の評価に隔たりがあるほど、その苦悩は大きくなるのかもしれない。自分が思うよりも評価され、それが独り歩きす