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ペナン島 2 僕の海外ゲイライフ


バンコクの僕に、Mの友達のNからメールが届いた。Mのお姉さんが亡くなった。思いもしない内容で驚いた。しかも殺人事件だという。2週間後、僕はペナンに向かった。
空港にはNが車で迎えに来てくれた。
僕が泊めてもらったあのアパートで発見されたらしい。犯人はまだ見つかっていない。Mは気丈に振舞っていたが、夜に2人になった時には、涙を流してお姉さんを偲んだ。殺人事件に巻き込まれるような形跡はお姉さん身辺には何も思い当たらず、何でお姉さんがという思いで心はいっぱいのようだった。
Mは普段はペナンの仕事場のフォトスタジオで寝泊まりしていたが、その夜からは僕のホテルに泊まりたいと言われ、もちろんと答えた。その方が気が紛れるのだろう。
夜はそれまでと同じように、飲み遊んだ。彼は友達や知り合いが多く、みんな彼を少しでも支えようとしているのがよく分かった。
彼の実家にもお悔やみにお邪魔した。娘の命を突然奪われ、ご両親は憔悴しその落胆ぶりに心が痛んだ。一週間ほど滞在してバンコクに戻った。未だに犯人は捕まっていない,。
もう、あの事件からは1年が過ぎていた。僕は2、3ヶ月に一度ペナンを訪れていた。少しずつMの日常も元に戻りつつあった。彼の年配の彼氏もMを支えてくれていた。あれ以降Mは、夜は僕のホテルに泊まっていたがキスもHもすることはなかった。もちろん僕も彼の心情を思いやれば、それで納得していた。良い友達として友情を深めていた。
最近、僕はMの友達で飲み友達になっていたNが気になり始めていた。顔は中華系で胸板の厚い筋肉質の体型だった。最初はクールなイメージだったが、ひょうきんな一面もあって、好意以上のものを感じるようになっていた。Mが忙しい時は、空港への送り迎えをNがしてくれたり、買い物に付き合ってくれることもあった。
ある晩、いつものメンバーで飲んでいた時、ホテルに忘れものを取りに帰るために、Nが車を出してくれた。良いチャンスだったのでホテルの部屋でNに思いを伝えてみた。すると、彼も僕に好意を持っていたと返してくれた。
これからよろしくと握手とハグをしてお互い笑顔で見つめ合うと、どちらからともなく唇を重ねていた。
こうなると止められない。お互いの衣服を脱がせ合ってベッドイン。彼の色白の筋肉質の体を見て、興奮が高まる僕。少し乱暴だが、その愛し方に男っぽさを感じて、きつくNの体にしがみついた。舌で口の周りまで舐め回すような激しいキス。脇の下や足の指まで彼の唾液でねっとりとなるほどたっぷり愛されて、僕の作戦は、淫靡な満足感に包まれてコンプリートした。
M達が待つパブレストランに戻る車中でも、ニックは僕の手を何度も愛撫のように握り締めてくれた。明日の夕方、ホテルで会うことも約束した。新しいセクフレ彼氏の誕生は嬉しかったが、ちょっと残念な事も。Nのイチモツは逞しい体に似合わず、ちょっとミニサイズだったのだ笑。


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