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asami_kun
2021年10月10日 15:39
「さてそれでは、過去回りでいくかね、それとも未来回りにするかね」(前回のつづき・・・)この運転手はいったい何を言っているんだろう。 僕はこの車に乗ったことを次第に後悔し始めていた。『この人は誘拐犯人かもしれないぞ。きれいな目立つ切符をあちこちに落としておいて冒険好きな子供達をおびき寄せ、誘拐して外国に売り飛ばすつもりなのかも。もしかしたら、あの幽霊屋敷の住人なのだろうか?ああ、やっぱ
2021年10月9日 10:29
腕時計はちょうど午前4時を示していた。まさにあの時と同じ場所、同じ時刻にそれは出現したのだ。 私はおぼつかない足取りで車に近寄り、おそるおそる中を覗き込んだ。すると、ドアーが音もなく開いた。私は覚悟を決めて中に入った。そして、はやる心を懸命に押さえつけながら次の瞬間を待った。運転席には、普通のタクシーの運転手が被るような、白いカバー付きの帽子を頭に載せた紳士が座っていたが、車内は薄暗く、
2021年10月8日 09:34
一まだ夜明け前なので、辺りに人の気配は感じられない。車の音も時折遠方からかすかに聞こえてくる程度だ。公園の中は濃い霧に包まれ、街灯の光が淡く漂っている。私はベンチに腰掛けたまま何度かくしゃみをした。こめかみのあたりが鈍く痛む。 昨夜はずいぶん酒を飲んだ。つい今しがたまで、ここに腰掛けたまま、しばらく寝込んでしまったようだ。どうやってここにたどり着いたのだろう?まるで記憶がない。