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立ち直り

 コロナ感染からの立ち直りがいまひとつ思わしくない。  人と話すと咳が出るのは仕方がないとして、困っているのは気力が戻らないことだ。元からこんな感じだったか、と訝しく思うほど力が入らない。退社後、自室に戻り、食事と入浴を済ますとあっさり寝落ちしてしまう。そのせいで、買っておいた夜食が手つかずで残っている。  感染前は、働いて、残業して、休日出勤して、転職活動して、資格の勉強もして、という日常だった。それが一旦全てキャンセルされた。全くのゼロだ。別にやりたくてやっていたわけで

    • 悪意

       今を遡ること10年前まで、私は人に対して悪意を持つことが少なかった。逆に、人から悪意を向けられないように立ち回って生きてきた。そうした生き方は、決して心弾むものではない。予想される展開を想定し、いかに円満に解決させるかに心を砕く。善意という名を借りて、本来人がやるべき作業を片付けていく。その結果、表立って人から悪意を向けられることはなかったが、次第に自分自身が虚ろな存在になっていった。今でも、そのころの金曜日に自室に戻ったときのことを覚えている。土日の食料を廊下に下ろしなが

      • コロナウイルス感染記③

         これで最後。  6日目、深夜目覚めると、熱が引くと同時に喉の痛みもなくなっていた。前日までの痛めつけられかたが嘘のようだ。この回復具合は、無理やり着せられた呪いの鎧を教会で外されたかのようだった。それぐらい急な回復だった。寝たきり状態だったから、体の筋肉が落ちていることがわかる。咳と痰だけは続いていて、時折、激しくせき込む。  起き上がり、部屋を片付けはじめる。辺りに散乱しているペットボトルや、食べ物の包装紙を処分すると、すこしすっきりした。あとはしっかり回復してからだ。

        • 2024コロナ感染記②

           発症当日の症状は、発熱と頭痛だった。熱は38度5分周辺だが、いつもの風邪と違い、熱の割りに怠さを感じない。普段の怠さで耐性がついたのか、と思うくらいだった。その代わり、頭が痛い。孫悟空の輪を嵌められた、お釈迦様が呪文を唱えているかのようだ。この頭痛は、熱が引くまで続いた。喉の痛みや咳はないため、ひたすら横になっているしかない。頭が働かないので、本も読むことができない。テレビをつけても理解ができず、鬱陶しいだけだった。  夜、寝ているときに仕事を夢を見た。エクセルのワークシ

          2024コロナ感染記①

           いつものように個人の忘備録として書く。コロナが5類になって結構経つから、今さらこんなものにニーズがあるはずもない。  6月のある日、休日に起きることができなかった。恒常的にくたびれたおっさんなので、いつものことと思い気にしてもいなかったが、この日は一旦起床して、食事を済ませた後、動けなくなり、そのままうつ伏せで寝てしまった。夕方、起きるも体の重さは取れていなかった。  翌日は休日出勤した。いつも休日出勤は嫌々出ていくのだが、この日は一段と嫌だったことを覚えている。それでも出

          2024コロナ感染記①

          質問事項

           しばらく髪を切っていない。  私の髪にはクセがあるが、年と重なるにつれ、次第にひどくなってきた。髪が細くなりつつあるのだから仕方がない。何故、髪を切っていないかというと、単に仕事が忙しくて、時間が取れないだけではなく、理髪店での会話が面倒なためだ。  数カ月ぶりに髪を切りにいくと、理髪店のご主人はしばらく会っていなかった知人に遭遇したように話しはじめる。その中で、必ず聞かれる質問が「最近の楽しみは何ですか」というものだ。  私は、その店主に全く悪意はない。むしろ、数カ月

          転職活動あるある?

           先日、仕事でハローワークに行ったところ、ある求人を見つけた。  バックオフィス関連の仕事で、処遇もまずまずだ。私がいつもばっさりやられる年齢制限もない。応募の条件に、「ハローワークの紹介状を要する」とあったので、ハローワークへ紹介状の取り方について問い合わせた。私は、ハローワークの紹介状は現在職に就いていない方に対して交付されると思っていた。しかし、この紹介状は、現在在職中で、転職を希望している人にも交付できるものだった。考えてみれば当然の話だ。現に無職でなくとも新たな職を

          転職活動あるある?

          失業者サンド

           以前、製パン業のアルバイトをしていたことがある。  あれは、新卒で採用された会社を数カ月で退職した後のことだった。何はともあれ生活費を稼ぐ必要があったが、当時は就職氷河期真っ只中で、ブラックな香りのする会社を除くと再就職のあてはなかった。早朝、あてもなく散歩をし、近所の大学の求人票を除いてみたりもしたが、既卒で応募できる企業自体がなかった。これから自分はどうなるのだろう。  とりあえず、アルバイトの情報誌を見て、自分でもできそうな案件を探した。レンタルビデオ店の店番に応募

          失業者サンド

          適応障害?

           前回、転職活動における「辞める辞めない問題」に直面したときの症状とそれに対する疑問をまとめておく。今回の文章も、自分の備忘録だ。  ありがたいことに、こんな自分にもまだお声がけいただける企業様があった。数度の面接を経て、内定をいただいたのだが、その後、紆余曲折があり、結局その内定を辞退してしまった。現在、元々働いていた会社で、予想通りの真っ黒な働き方で苦しんでいるのだから、自分でも呆れるほかない。愚か者度合い100%である。天から降りてきたせっかくの蜘蛛の糸にしがみつかず

          適応障害?

          はんちく

           今、寝る前に本を読んでいる。  メルカリで譲っていただいた村上春樹さん訳のチャンドラー「ロング・グッドバイ」だ。大学生のころ、チャンドラーは読んでいたが、名作と言われる所以はわからなかった。当時は、スペンサーシリーズのほうが面白かった。面白いと思える小説を求めていたのだろう。大学生協で、並んでいる本を手に取り、中身にめを通していたことを覚えている。  今の自分には、この「ロング・グッドバイ」が面白く感じられる。先日、押し入れから発掘した「ビッグ・スリープ」は淡々と読み終え

          はんちく

          転職活動記1

          某月某日、ある企業より面談を行うとの通知が来た。今の会社に対する不満の裏返しで転職活動をしている部分もあるので、基本、どこにでも行くことにしている。 ただ、問題は、今の居住地が恐ろしくアクセスの悪いところだということだ。 今回の話を受けるにあたり、一応、ネットで予定を仮組みしてみた。大丈夫、行ける。ただ、片道5時間かかるけど。今の自分に、行ける場所なのに行かない選択肢はない。本来なら、前泊したいところだけど、有給休暇に縁のない生活になって、早や5年か。先日、全社の時間外労働

          転職活動記1

          マウンテンパーカー

          私が今住んでいる町には、昔、ジーンズショップがあった。市内に数店舗、同じ経歴の店があり、休日はたまに服を見に行っていた。夏と冬のバーゲンセールには欠かさず行っていたし、売れ残りから出物を見つける喜びを味わうこともあった。 ある日、店に行くと、シェラデザインのマウンテンパーカーがあった。着丈はショートタイプで、ポケットは斜めのジッパーになっている。見た瞬間にこれは買いだと思った。試着してみると、ややゆったりした着用感だったが、オンオフ問わず使えそうだった。値段は記憶にないが、

          マウンテンパーカー

          これから先

          #なりたい自分 私は、まだ寿命を考える年齢ではない。そうは言っても、今の会社で働いている以上、あと何年生きられるかわからない。それでも、生きている間は生活費を稼ぐために働く必要がある。 その上で、なりたい自分の姿を考えると、他社から評価される自分になりたい。今、転職活動をするにあたり、自分の経歴や、資格の棚卸しをした。これをさらにベースアップさせたい。仕事の幅がこれ以上増えると、もう過労死まっしぐらだろうから、深みを増すことを狙うべきだろう。 実は、昨年度に入って、一旦

          これから先

          懐かしの土地

          先日、応募した企業様から面接への案内が届いた。 面接については、呼ばれればどこにでも行くと決めている。 そうでないと、直前になって否定的な感情が生まれ、行くことすら嫌になるからだ。とにかく行く。話はそれからだ。 先方へは、公共交通機関を使って赴いた。 駅からはタクシーに乗り、面接場所まで行く。 この街は、私が大学を出て、初めて働き始めた場所だ。 たまたま、最初の会社で受け持っていた地区の近辺に企業様があった。 車窓から外を眺める。だいぶ様変わりしているものの、うっすら記憶に

          懐かしの土地

          転職活動に関する備忘録

          これはあくまで個人の備忘録です。 ここ数年間、転職活動を行っている。 きっかけは、当然だが、今の会社に対する不満だ。活動を本格稼働させたのは平成30年だから、と考えかけたが、それは止める。何年経っても、環境を変えることのできない自分の愚図っぷりに心底うんざりしている。 はじめに このたび、ある会社から内定をいただくことになったが、今回もこの世の終わりかというくらい悩んだ挙句に辞退してしまった。無理に休暇を取得したり、旅費を使って一体何をやっているのか、呆れるほかはない。現

          転職活動に関する備忘録