転職活動あるある?

 先日、仕事でハローワークに行ったところ、ある求人を見つけた。
 バックオフィス関連の仕事で、処遇もまずまずだ。私がいつもばっさりやられる年齢制限もない。応募の条件に、「ハローワークの紹介状を要する」とあったので、ハローワークへ紹介状の取り方について問い合わせた。私は、ハローワークの紹介状は現在職に就いていない方に対して交付されると思っていた。しかし、この紹介状は、現在在職中で、転職を希望している人にも交付できるものだった。考えてみれば当然の話だ。現に無職でなくとも新たな職を探している人は大勢いる。早速、窓口で面談を受け、紹介状を書いてもらった。

 面談といっても、大したことは聞かれなかった。現在の会社や、経験のある業務についてなどを聞かれ、簡単に履歴書で記入するべきポイントについての説明を受け、ハローワークを後にした。履歴書をパソコンで作成し、紹介状と送付書を添付して郵送した。

 実は、この会社は、今住んでいる部屋の窓から見える距離にある。雰囲気だけだが、静かで、人がバタバタしているイメージはない。あんなところで働けたら、私が今の会社で受けたダメージや、現に感じている人間不信も少しは癒えるかもしれない。仮に書類審査が通れば、次は面接なので、志望動機等、聞かれそうな質問に対する受け答えを漠然とイメージしながら、日を過ごしていた。

 書類の受付期限当日、部屋に戻ると応募した会社から郵便が届いていた。封筒を持つと、クリアファイルの感触がある。これはどうやら自分が入れたクリアファイルのようだ。ということは、応募書類が送り返されたということだ。つまり、この中身はお祈り文書ということだ。封筒を開けてみると、予想通りの祈りの文言が綴られていた。この会社も、私などお呼びでないらしい。

 求められた手続きを経て、応募していたので、今回断られたダメージはそれなりにあった。
 それから数週間後のことだ。別件で、ハローワークの求人を眺めていた私は、先日応募した会社の求人票を見つけた。まだ求人を続けているらしい。内容を目で追っていくと、そこにはこう書かれていた。「年齢制限:40歳未満」

 会社も時間の無駄は嫌だろう。私も嫌だ。そうならそうとはじめから書いとけや、と思うと同時に、もはやこれくらいのことでは怒りも感じない。あー、はいはい、いつものね。人手は欲しいが、就職氷河期世代はお断りというやつね。あともうひとつ加えると、おっさんはいらんというやつね。もうすっかり慣れっこである。世間は人手不足らしいが、自分の転職活動においてはそんな気配は感じられない。私を取り巻く世界では、相も変わらず転職市場は買い手市場らしい。私にもっと能があれば、売り手市場になるのだろうか。

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