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ルフィ名言Vol.64「お前、帽子返せ ケンカ売ってんじゃねェかコノヤロー!!!」

物語と名言

ビビ王女を麦わらの一味に託し、一人囮となって、犠牲になってしまったイガラム。
目の前の光景に、唇を噛み締め感情を押し殺すビビを連れて、ゾロとナミは船に、ルフィは寝ているとサンジの脚とウソップの鼻を掴んでを船まで引きずってくる。

イガラムが囮になったおかげで船は無事出航するが、船の上に現れたのは、バロックワークス副社長、ミス・オールサンデーだった。彼女がイガラムの乗る船を爆破させ、ビビの潜入にも気付いており、ボスの正体を掴ませた張本人だった。正体を掴ませボスに告げたのもミス・オールサンデーだったのだが、その目的は

「本気でB・Wを敵に回して国を救おうとしている王女様が・・・あまりにもバカバカしくてね・・・!!!」

というものだった。敵意のあるその言葉に、ルフィ以外の面々は刀や銃を向ける。しかし、ミス・オールサンデーの能力によって、無効化されてしまう。そして、唯一構えなかったルフィの帽子を、その能力によって取り上げられたルフィの今回も名セリフ。

「お前、帽子返せ ケンカ売ってんじゃねェかコノやろー!!!」                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

ルフィだけは怒りの矛先が違ったのだった。

名言の本質

今回の名言は、その言葉が名言というより、その本質にこそ意味があります。
囮となったイガラムが乗った船を爆破させ、国を思い、バロックワークスに潜入し、真剣にボスの正体を追ったビビを嘲笑い、怒らせたことで、ルフィ以外の面々は、それぞれ武器を構えました。ルフィだけは、そこに怒りを感じることなく、自分の麦わら帽子が取られたことに怒りを感じていました。

一見ルフィは冷たいようでサイコパスのようにも感じなくはないですが、ルフィは、人のことで怒りを感じません。自分のことで怒りを感じるのです。アーロン編の時でもそうですが、ナミが「助けて・・・」と言うまで、ルフィはナミたちの話も聞かず、ぶらぶらと過ごしていました。しかし、一言仲間が「助けて」と言えば、「当たり前だ!!!!!」と動くわけです。

安易な優しさは時に人を傷つける

人を助けようとしたり、同じように怒りを感じることだけが優しさとは限りません。何もできないのに無闇矢鱈に手助けしようとしても、結果的により面倒なことにもなりかねません。下手に期待を抱かせるだけ、余計に厄介なことなのかもしれません。

ルフィにとっては、まだ何もわかっていない状態で、安易に怒りを表さないということです。怒りを表さなかったルフィだけ、ミス・オールサンデーに何もされませんでした。誰かの為に怒りを表すということも大事なことかもしれませんが、少なくともまだビビは仲間になっておらず、ルフィにとっては、イガラム同様、ビビもそれなりの覚悟を背負っていたと思っていたはずです。安易な怒りよりも、その覚悟を重んじていたのではないでしょうか。

優しさは大切なものですが、安易な優しさは人を傷つけるとも言います。「誰かの為に」という思いは素晴らしいですが、それだけではどうにもならないこともあり、逆効果になることもある。だったら、安易に怒りや優しさを出すのではなく、本当に必要な時に出す方が、意味も効果も大きくなると思います。後々、ルフィの本気が見られますが、こういったルフィの一面は、ルフィの本気を際立たせるシーンと言えるかもしれません。

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