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コードギアス名言Vol.6「一度しか言わないぞ。ありがとう。」

物語と名言

ナリタ攻防戦において、日本軍の生き残りである「日本解放戦線」の殲滅を図るコーネリア軍に対し、コーネリアの首を狙い、この戦いに参入した「黒の騎士団」。
ルルーシュはギアスを使い作戦を遂行し、圧倒的なコーネリア軍に怯む黒の騎士団の面々に対し、退路を断ち、「ゼロを信じられないのなら私を撃て!」と文句代表の玉城に言うが、ゼロを撃つことはできず、ゼロが黒の騎士団のリーダーであることを認めさせる。さらにナイトメア「紅蓮弐式」の輻射波動によって、土砂崩れを起こして、日本解放戦線の一部もろとも、コーネリア軍の半数以上を壊滅させる。「背水の陣」「逆落とし」という戦術の効力を知るのだった。

ゼロの作戦通りコーネリアは追い込まれ、ジェレミアは輻射波動により一命を取り留めるが死にかけたことで、後々ギアス研究の実験体とされる。ゼロと紅蓮弐式に追い込まれたコーネリアは、逃げるよりも戦ってしを選ぶが、そこに助けに来たのがスザクが搭乗する白兜ことランスロットだった。

紅蓮を圧倒し、形成は逆転され、ゼロは追い詰められる。そこで、ルルーシュを守るために、C.C.はスザクにランスロットを通して精神ショックを与える関節接触を図る。そこで、戦争を止めるために、父であり首相の父の死の真相は、スザクが殺したことが明らかになり、そのショック映像を見せられたスザクはエネルギーが切れるまでバリスを撃ち続ける。辺りは石の欠片が飛び交い、C.C.が身を呈してルルーシュを助けようとすると、破片がC.C.に突き刺さり、ゼロは隙を見てC.C.を連れて逃げ延びるのだった。

不老不死のC.C.は、傷はみるみる治るも気を失っており、うわごとで自分の本当の名前を言ってしまう。目を覚ましたC.C.に、その名を呼ぶが、C.C.は悲しそうに辛そうに「もう忘れたんだ。何もかも。今更名前なんか・・・」と涙を流すと、ルルーシュがC.C.に掛けた、今回の名セリフ。

「いい機会だから言っておく。そう、さっきは助かった。今までも、それからギアスのことも。だから、一度しか言わないぞ。ありがとう。」

C.C.は嬉しそうに

「感謝されたのは、初めてだよ。では、お礼を返してもらおうか?もう一度呼べ、先ほどのように。一度だけだ。大切に、優しく心を込めてな。」
仕方ないな。」
「・・・・・」
「これでいいのか?」
「ダメだな。全然ダメだ。優しさが足りない。素直さと労りの心も。発音も怪しいし、何より温かみに欠ける。」
「わがままな女だ。」
「そうとも。私はC.C.だからな。」

名セリフの意味

今回は、物語が長くなってしまいましたが(笑)、個人的にこのやりとりは好きなんです。プライドの高いルルーシュの不器用さが現れていて、C.C.も初めて自分の弱さを見せます。そして、C.C.に滅多に言うことはないお礼を言います。また、C.C.の本当の名前も不明ですが、この回では、哲学的なセリフもあります。

「なぁルルーシュ、どうしてお前はルルーシュなんだ?」
「雪がなぜ白いか知っているか?自分の色を忘れてしまったからだ。」

C.C.がなぜ「C.C.」なのか。それは、自分の名前を忘れてしまったからです。いえ、本当は覚えているのですが、コードを引き継ぎ、不老不死になってしまったC.C.は、もはや人間ではなく、その名前に意味もなかったのです。しかし、自分の名前はアイデンティティそのもので、存在を証明するものです。C.C.の本当の名前は明かされていませんが、本当の名前を忘れ、雪のように自分の色を忘れてしまったのです。
そして、ルルーシュも、C.C.の弱い所を見たことで、本音を晒します。このルルーシュの「ありがとう」は、「一万回のありがとう」に等しいかもしれません。

「ありがとう」の重み

「ありがとう」という言葉は、とても大事な言葉で、言わないよりは言った方がいいですよね。しかし、言えばいいものではありません。「ありがとう」に限りませんが、どれだけ思いが込められているかということこそが大事だと思います。
俳優の中尾彬さんは、奥様の池波志乃さんに、「愛してる」とは言わないそうです。それは、「愛してる」と言う言葉では表現できないから、「愛してる」とは言わないんだそうです。このエピソードを聞いて、とても素敵だなと思いましたが、その裏にある思いを知らなかったら、そっけないと思っちゃいますよね。しかし、言わないだけで、「愛してる」以上に愛しているのです。
ルルーシュも、普段から「ありがたい」と思っていたのだと思いますが、まだ何も成していない状態で感謝を伝えてしまえば、それはどこか嘘があるのかもしれません。

「ありがとう」と何度も言うことだけが感謝を伝えるのではなく、言わないからこそ生まれる「重み」もあるんだなと感じさせてくれます。

「わがまま」であること

C.C.はわがままな女です。流石のルルーシュも手を焼く程です。C.C.は不老不死の為何百年も生きており、魔女狩りにも遭った過去があります。生きてきた過程で、人間と言うものに、色々感じたことでしょう。人間は、美しくも醜い生き物です。様々な思惑が渦巻く世界で、自分というものがなければ、流されてしまい、悪意に飲み込まれ、思うように生きていくことはできないでしょう。だからC.C.は「我が儘」に生きています。自分だけのことを考えて「わがまま」に生きるのではなく、他者に惑わされず、自分を大切にして「我が為す儘に生きる」というのがC.C.の生き方であり、どの時代においてもですが、特に今の時代には必要な考え方、生き方ではないかと思います。
まぁ、C.C.は「わがまま」でもあるんですけどね(笑)

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