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「聞き書きの練習」【9月11日活動レポート】

★人体改造カブ式会社?はて...?という方はこちらをご覧ください。

 2020年9月11日に人体改造カブ式会社、社内会議を開催しました。今回はテラス計画に集まって「聞き書き」の練習をしました。

 10月1日から、東京がGoToトラベルキャンペーンの対象に含まれるようになり、この秋冬、各地でまた少し賑わいが戻ってくるかもしれません。しかし、人の波に乗った新型コロナウイルスによって感染の拡大もまた懸念されます。今回は感染対策をとって実際に集まることができましたが、今後また人が集まりにくい環境が訪れると思うと、一抹の寂しさも感じますね。

前回のおさらい

 2020年2月から3ヶ月ほど、新型コロナウイルス感染拡大を受けて人体改造カブ式会社は活動を見合わせていました。その後、5月12日から社内会議をオンライン会議にシフトし、活動を再スタート。企画の準備を進めています。

 前回は「聞き書き」の企画概要をまとめました。企画に取り組むためには人体改造カブ式会社が取り組む意義が必要です。そこで私たちは聞き書きの目標を「健康づくり」「まちづくり」、これらふたつの観点に基づいて設定しました。詳しくは、前回のレポートで紹介していますので、まだお読みではない方は下記のサムネイルからご覧ください。

一体、なにを練習するのか?

 さて、今回の社内会議のお話をします。

 筆者は「聞き書き」練習のために事前準備をしながら、ふと思いました。「私たちは聞き書きの、一体なにを練習するんだろうか...?」。なにせ、事務局を含め誰も実際に実践したことない取り組みです。「いきなりぶっつけ本番はちょっとハードルが高くない...?」という不安が、練習の必要性に結びつく、そもそものきっかけだったと思います。

 ですが不安を取り除くために漠然と「練習しました」では勿体無い...。では、どのような練習が本番の成果に繋がるか、つまり練習の目標を想像してメニューを仮組みする必要がありました。そこで下記のワークシートを作成し、事前に事務局内で考え方を整理しました。

聞き書きワークシート_page-0001

練習メニューを考える

★事前に検討した練習メニュー予定★
①聞き書きの要点確認(5分)
②ペアになって練習(30分×2回)
③みんなで振り返り(15分)
④照井シャチョーによる講評(15分)

 事前に練習を行う最大の目的は、語り手、聞き手、それぞれの立場で聞き書きを「経験すること」だと考えました。そのため、語り手と聞き手のペアになって相手の話を聞く練習をメインに据えています(30分×2回:ワークシート内②)。実際に聞き書きを経験することで本番に対しても自信がつき、当初の漠然とした不安の軽減も見込めます。

 聞き書きにおいて一番大切なポイントは、語り手自身が話したいことを、気持ち良く話していただくことです。「語り手」「聞き手」各役割を経験することで、聞き手は、どのような聞き方、質問や相槌が、スムーズに語り手の話を引き出せるかを練習しながら学習できます。一方、語り手は練習の感想を聞き手にフィードバックできます。「あの一言がきっかけで色々と思い出した」「この質問が漠然としていて答えに窮した」などの感想は聞き手において大きな参考になるだろうと考えました。

 練習で得られた感想や反省を、全員で共有するために、チーム全体で振り返りの時間を設けます(15分:ワークシート内③)。

 最後は講評の時間を設けました(15分:ワークシート内④)。照井シャチョーには第三者的目線で観察する役割を担ってもらいます。語り手、聞き手、それぞれの目線だけでは気づかなかったポイントを補強してもらうことが目的です。

 順番が前後しましたが、練習の前に聞き書きの要点についておさらいをしておく時間も設けておきました(5分:ホワイトボード内①)。こちらは口頭でお伝えするだけではなく、下の写真のような感じで事前にホワイトボードにもまとめておきます。これでおさらいの時にスムーズに進行できますし、練習中、いつでも見られますね。

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【要点のおさらい】
・当たり前のことをきちんと聞く

(事前に知っている情報でも、丁寧に細かく、分からないことや専門用語などは積極的に質問する)
・抽象的な質問は避ける
(具体的なエピソードの積み重ねが大切)
・質問責めにせず、相手の話したいことを聞く

 以上が、事務局が設定した練習メニューです。

シャチョーからの提案

 いざ練習当日、照井シャチョーからは大きく2つのメニュー変更の提案があり、実際には、ワークシートのメニューを以下の内容に変更して実践しました。

1回のセッションを5分に変更し、各1分半のフィードバックを設ける
「語り手」「聞き手」のほかに「観察者」を加えた3人で役割を分担する

 「観察者」として客観的にセッションの内容を評価できるポジションを新たに設けました。そこで、事務局を含む6人が、3人ずつ2チームに分かれ、照井シャチョーがタイムキーパーとして練習に取り組みました。ですので、実際には練習の段取りは下の図のように変更されています

図1

人の話を引き出すことは難しい...

 練習を通して、限られた時間の中で語り手の話を引き出すことは難しいと実感しました。しかし、手応えを感じた社員もおり、各セッション終了後、全体振り返りでは様々な意見が出ました。

【振り返りまとめ】
・思い込みは厳禁。自分が知っている話でもきちんと聞く。
・相手が語りたくないこともあるので、それを見分けるのも大事。
・話を映像的に思い浮かべながら、ひとつの話を深く聞く。
・語っている人の邪魔をしない。相手が話したいところに辿りつけば、相づちで話を膨らませていける。
・語り手の話のフックを見つけると、質問次第では聞き手がその話のハンドルを握ってしまうこともあるかも。
・人生を語ることにおいて、年齢が若いほど学生時代の話に偏って深みがでない。
・聞きはじめのきっかけが難しい。(出身、名前の由来などに偏る)
・思い切って「話したいことはありますか?」と聞いてもいいのかも。

 実際取り組んでわかったことですが、1回5分の練習時間が丁度良く感じられました。5分は相手の人生を聞くには些か短い時間のようにも思えますが、意外にも語り手の、その人となりの輪郭を掴むには十分な情報を得ることができます。名前、出身、幼少時代の思い出などのトピックを通じて、枝葉が分かれるように色々な話題が自然と出てきます。若い頃抱いていた将来の夢や、幼少時代どんな子供だったか...と、語り手の意外な一面も垣間見えました。

 今にして思えば、1回30分は時間設定としては長過ぎました。語り手も聞き手も、仮にその両者が「むむ...なんか脱線したぞ」と思っていたとしても、慣れないうちは軌道をなかなか戻せないかもしれませんし、もしかしたら間が保たず30分も話は続けられなかったかもしれません(そして筆者は今頃、泣きながら膨大な時間のテープ起こしをしていたかもしれません)。参加者が上記のようなストレスを感じることなく、気持ちよく練習に挑めるモアベターな時間が5分ではないでしょうか。

 「鉄は熱いうちに打て」と云いますが、セッション後すぐの1分半のフィードバックでは、聞き手、書き手、観察者の3人が気づいたことを共有します。筆者が参加したチームでは、観察者が主体となって聞き手、語り手の感想や反省点を引き出していました。与えられた時間が短いので、お互い遠慮なく意見を出し合えた印象があります。

次回の社内会議は...?

 引き続き事務局にて、聞き書きを引き受けてくださる方との調整を進めています。次回の社内会議では語り手に合わせて進め方や、メンバーの役割分担を決める話し合いをする予定です。

 オンライン版アンガーマネジメント講習も引き続き準備を進めています。

次回のレポートもお楽しみに!

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