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【要約/ビジネス書】言いかえ図鑑・よけいなひと言を好かれるセリフに変える【大野萌子/サンマーク出版】



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『はじめに』
昼は動くとまだ汗ばむような気温ですが、朝晩はようやく涼しくなることが多くなり、深い睡眠時間を確保出来るようになり、読書をする体力・気力も回復してきました。
例年とは様子が違いますが、暦の上では「読書の秋」と呼ばれる季節になりましたので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

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今回もジャケ買いのビジネス本です。

恐らくですが、私を含め多くの社会人は、日常的業務に「取引先や同僚など多くの方とのコミュニケーション」が必要になっていると思います。

しかし、多くの方が「自分が満足出来る・結果につながるコミュニケーションを行っているとは考えていない」ため、私が以前にレビューしたようなコミュニケーションのためのハウツー本が多く出版されており、書店でも大きなスペースを使って発売されています。



さらに、社員のコミュニケーション能力の向上のため、会社側も研修を行うなど、以前よりもコミュニケーション能力が向上している方は増えているはずなのですが、それでも、上記のようにコミュニケーションについて苦手意識を持っている方も多くいらっしゃいます。

その原因として考えられることが
「どんなことを話せばよいか分からない」
「会話中の相手が何を考えているか分からない。怖い」

ということだと思います。

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「どんなことを話せば良いか」ということについては、社会人経験を積むことで、ある程度慣れることが出来ます。

そして、多くの方が苦手としている「尊敬語・謙譲語」については、詳しく理解していなくとも、丁寧語を使えばある程度大丈夫です。

しかし、それでもコミュニケーション能力に不安を持つ方に共通することは、「語彙力が無い」というところがポイントになっています。

自分が伝えたいことを上手く表現するためには、微妙な表現の違いのある日本語を使い分けることが必要です。

その部分を補うために役立つのが「×よけいなひと言」を「◎好かれるひと言」にというコンセプトの今作です。

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第1章      挨拶・社交辞令

×「大変ですね」⇒◎「〇〇で忙しいのですね」
大変ですねだと、大変な部分を大雑把にひとくくりにしてしまうため、表面だけの社交辞令に受け取られてしまいます。
〇〇には、直前に相手が言ったことを繰り返すとさらに無難な返答になります。

第2章      お願いごと・頼みごと

×「それはしないでください」⇒◎「それはこうしてください」
どちらとも、こちらからのきつめの命令形の言葉にも関わらず、受け取る方の印象がまるで違います。
人は、「否定形」より「肯定形」のほうが受け止めやすいです。

第3章      断り方

×「そのつもりはなかった」⇒◎「そういう認識はしていませんでした」
自分と相手のつもり(=認識)のズレはよくあることです。
現時点での失敗だけでなく将来的なリスクを減らすことにもつながりますので、対応策について相談をする必要があります。

第4章      気遣い

×「ご存じないと思いますが」⇒◎「ご存じかもしれませんが」
会話は、相手に勝つこと・相手より優位な立場に立つことが重要では無いので、相手を立てて言うことは重要で、相手側の機嫌を損ねないことが必須です。

第5章      ほめ方

×「やれば出来るじゃないか」⇒◎「土壇場に強いね。ありがとう」
やれば出来る=普段は大したことが無いが追い込まれると本気を出す
といったように捉えられる可能性があります。

第6章      返事

×「そのうちわかるよ」⇒◎「はっきりと決まったら話すよ」
もったいぶった話し方は、相手に疎外感を与えてしまう可能性があります。

第7章      自己主張

×「これは絶対にいいから」⇒◎「私はいいと思うから試してみて」
自分がすごく気に入ったものであっても、押し付けになってしまってはありがた迷惑になる可能性があります。
「気に入らなかったら、他の人にあげても良いよ」等と付け加えて、相手側に逃げ道を作っておくとなお良いです。

第8章      注意・𠮟り方

×「ちゃんとしてください・しっかりしてください・普通にやってください」⇒◎「〇〇までやってください」
人によって価値観や感覚にはズレがあるため、「言わなくとも分かるはず」という注意ではなく、〇〇には具体的なポイントを入れる必要があります。

第9章      他人との距離

×「私も同じだから、分かる」⇒◎「同じではないけれど、分かる気がする」
同じ経験をしたとしても、他人と自分の考え方や価値観が同じことは絶対にありえないので、他人を励ます場合には気をつけなくてはいけません。

第10章 聞き方

×「何とかなるよ」⇒◎「どうすればいいか一緒に考えよう」
根拠の無い・上から目線の励ましよりも、同じ目線で考えて言葉をかけると誠意が伝わりやすいです。

第11章 謝罪の仕方

×「すみません」⇒◎「申し訳ございません」
すみませんと申し訳ございませんを、場面や対象者・その後の影響度などで使い分ける必要があります。

第12章 SNS・メール

×「突然メールをお送りして申し訳ございません」⇒◎「突然のメールで失礼いたします」
過剰にへりくだったり謙遜したり、自分を卑下する必要は無いです。

第13章 マイナス意見

×「そんなことで悩むなんて」⇒◎「どういうことで悩んでいるの」
そんなことと些細なこととして扱うことは自分勝手であり、当事者のことを考え決めつけたり・軽々しく考えないことが重要です。

第14章 子育て

×「だから言ったでしょ」⇒◎「次からは気をつけようね。上手くいくために何をしようか」
自分が言ったことをやらなかったとしても、イラッとせず、子供のやりたいこと・成長を伸ばすことが重要です。

第15章 ハラスメントになりやすいNGワード

×「とりあえず見ててください。やりながら覚えてください」
こういった言動は、部下とのすれ違いを生みやすくなる。言わなくても分かるだろうという考えはトラブルの素なので、⇒◎「スモールステップで少しずつ指導する」が重要です。

上記は各章1ワードずつ取り上げた要約ですが、本作には言い換えた言葉が全部で141ワードありますので、きっと皆さんの役立つ言い換えワードが見つかると思います。

そして、利活用出来る言い換えワードを見つけるだけでなく、なぜそのような言葉のほうが良いかという、根本的な考え方についても知ることが出来る一冊です



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