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本・読書

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#読書感想文

【書と評】教皇とダライ・ラマ

【書と評】教皇とダライ・ラマ

最近仏教のテキストをよく読んでいる。梅原猛が編集をした「仏教の思想(12巻)」を読んで、末木文美士とか木村元などにアクセスして、印→中→日の仏教の流れを概ね把握した。鈴木大拙が編集している「講座 禅(8巻)」をつまんで、鈴木大拙の直接の著作の方が良さそうだと、大拙の全集を読んでる。大拙は彼自身が深い。

人が宗教に求めるものは「救済」だ。現世での救済か、死後の救済か(キリスト教でも仏教でも与えられ

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【書と評】「学者にできることは何か―日本学術会議のとりくみを通して」を読んで

【書と評】「学者にできることは何か―日本学術会議のとりくみを通して」を読んで

今話題になっている「日本学術会議」について、何が問題なのか、どんな組織なのかを知らないと思い、少し調べてみることにしました。

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amazonで調べてみると、3・11のすぐ後に学術会議の会長となった広渡清吾氏の「学者にできることは何か ―日本学術会議のとりくみを通して」を見つけました。日本学術会議では3・11の10日後から分野別の提言をまとめていて、国内・海外に発信をしていました。その内容か

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【書と評】「知事抹殺」佐藤栄佐久著 を読んで

【書と評】「知事抹殺」佐藤栄佐久著 を読んで

改めて調べてみたら、知事の贈収賄の控訴は最高裁で棄却されて、有罪が確定していた。僕はこの本で、彼の側からでしか情報を得ていないが、贈収賄をするには政治に打ち込んでいる人のように思う。

紳士服の会社の長男として生まれ、JC(青年会議所)の活動に打ち込んで会社を離れた。JC会長選で敗れ、参議院選挙で一度敗れて、地元福島を足で回り、「選挙は山から攻める」のだということを知った。街の人のつながりは希薄で

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【共読】「夜間飛行」サン=テグジュペリ 第2回 を終えて

【共読】「夜間飛行」サン=テグジュペリ 第2回 を終えて

「五感をひらく」という読書会を始めてもう4年目になる。元々読書が黙読を前提とするようになったのは、活版印刷が普及して本が当たり前になったこの100年ほどのことで、それ以前は本も声に出して読んでいたし、言葉というものは声と共にあった。

そんな少し古くて、でも根源的な方法で、ちょっと特別な本と向き合いたいとこの会を始め、その最初の呼びかけに応えてくれた人と共催で、本を読み継いできた。当初は庭園のある

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