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Ching-O)))の映画雑記

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ミシガン州川口市在住。あなたの隣人の親愛なるキチガイ、Ching-Oの人生を弄んできた色々な映画についての雑記をここに一堂に集めました。人の頭の中を覗く悪い趣味があるあなたのため…
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#ホラー映画

【映画雑記】中川信夫版『東海道四谷怪談』は凄い。

【映画雑記】中川信夫版『東海道四谷怪談』は凄い。

中川信夫版、『東海道四谷怪談』(1959)。
ご覧になったことがございますか?

原作は言わずと知れた鶴屋南北の歌舞伎狂言『東海道四谷怪談』。当時話題になった猟奇的な事件を題材に、立身出世を望む浪人民谷伊右衛門が妻を文字通り犠牲にして武家社会でのし上がろうとする。しかし因果応報、お岩の怨霊によってボコボコにされるという誰もが知る傑作怪談であります。

この「国民的怪談」はそれこそ多くの映像化作品が

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【映画雑記】『エミリー・ローズ』観ました。

【映画雑記】『エミリー・ローズ』観ました。

2005年のアメリカ映画、『エミリー・ローズ』を観ました。

もう20年近く前の映画ですが、オカルト好きなら知ってる人も多い1976年に西ドイツを震撼させたアンネリーゼ・ミシェルの悪魔憑き事件に材を取った秀作でした。あらすじとビジュアルの雰囲気からつい『エクソシスト』の二番煎じかと懸念してしまいましたが、共通点はあるにしろ全く異なる仕上がり。モデルとなったアンネリーゼがその死をもって存在が広く知ら

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【映画雑記】「妖精たちの森」/見所が子どもではない前日譚

【映画雑記】「妖精たちの森」/見所が子どもではない前日譚

 俺の好きな1961年の古典ホラー映画「回転」の前日譚として作られた1971年のイギリス映画「妖精たちの森」を鑑賞。

 自分も読んだ町山智浩さんの本「トラウマ映画館」でも取り上げられていたらしいんだけど、覚えてない…。イギリスの片田舎の瀟洒な屋敷が舞台で、倒錯的な愛に耽る男女二人と、その二人の仲を「永遠に」とりもとうとする両親を亡くした兄妹の物語。「回転」で語られた過去を基に、想像力逞しくして作

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【映画雑記】「ヒルコ/妖怪ハンター」/私は14歳の夏を思い出した。

【映画雑記】「ヒルコ/妖怪ハンター」/私は14歳の夏を思い出した。

 塚本晋也監督による1991年の映画「ヒルコ/妖怪ハンター」を鑑賞。初見は中学生の時で、最後に観たのも相当前だと記憶する。

 原作は諸星大二郎の漫画「妖怪ハンター」シリーズ。他に映画化されたものでは2005年公開の「奇談」があります。

異端の考古学者、稗田礼二郎が様々な怪異と遭遇するスキモノにはたまらない傑作です。その原作では喪服のような黒服に長髪、物怖じしない姿勢など、手塚治虫のブラックジャ

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【映画雑記】「アングスト/不安」。体調を整えてから観ましょうね。

【映画雑記】「アングスト/不安」。体調を整えてから観ましょうね。

 ぼんやりと日常を過ごしている俺を、なかなかに鬱々としたダウナーの渦に沈めてくれる素敵な映画を観た。

「アングスト/不安」

1983年公開のオーストリア映画。

 実在の殺人鬼、ヴェルナー・クニーシェックが仮釈中に起こしたアルトレイター一家惨殺事件をベースにしたサスペンス/ホラー。殺人鬼の内面に肉迫するとても危うい映画。

 全編、どうやって撮ったんだろう?という目をみはるカメラワークが続出。

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【映画雑記】やっぱり「ゾンビ」はいい、という話。

【映画雑記】やっぱり「ゾンビ」はいい、という話。

はい、「ゾンビ」の話させて下さいね…。
ジョージ・A・ロメロの大傑作、「ゾンビ」のことですよ。

リアルタイム世代、そしてちょっとハードコアめな後追いファンの間では名高いが、上映用のオリジナルフィルムが現存しないために幻の存在となっていた「ゾンビ 日本初公開版」というものがあった。当時、過激で説明不足と判断した配給会社によって独自のシーンの挿入、無断編集が行われたバージョンなのだが、リアルタイム

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