一茶庵宗家

「煎茶」という茶の世界。それは自らたのしむ「自娯(じご)」の世界、文芸と芸術に集う「文人(ぶんじん)」たちの世界です。令和というこの時代に、文芸や芸術を通して、過去の人たちの知の集積と、現代の私たちと、未来世界とを繋げるような「煎茶」文化を提案していければと思っています。

一茶庵宗家

「煎茶」という茶の世界。それは自らたのしむ「自娯(じご)」の世界、文芸と芸術に集う「文人(ぶんじん)」たちの世界です。令和というこの時代に、文芸や芸術を通して、過去の人たちの知の集積と、現代の私たちと、未来世界とを繋げるような「煎茶」文化を提案していければと思っています。

    最近の記事

    「アート思考」と「煎茶」考察⑥ ー「批評"criticism"」と「賛」と「茶席の対話」ー

    前回は朝日新聞の記事を紹介し、 「物事を批評・批判できない日本人」 という、外国人から見た『日本人批判』をご紹介しました。 また、同記事から、 「アート思考」×「サイエンス思考」 =「批判的思考法(クリティカルシンキング)」 という、私の考えを書かせていただきました。 そして、茶席での対話は、 「東洋的」批判思考に基づく対話であればあるほど 深みが出てきて面白いのではないか、 ということを今回は考察していこうと思います。 ではまず、そもそも「批判」とか「批評」とはどうい

      • 「アート思考」と「煎茶」考察⑤   ー「アート思考」から「クリティカル思考」、そして「茶席での対話」ー

        なぜ「アート思考」が今必要なのか。 どうやって「アート思考」を鍛えればよいのか。 「アート思考」って何か。 この辺りのことをこれまで書いてきたつもりです。 その前に、アート思考と対比させて、 「サイエンス思考」という言葉も使いました。 「サイエンス思考」=「客観・分析・論理」 そして、 この「サイエンス思考をこれまでに我々は身に付けてきた!」 「しかしアート思考は身に付けられていない。」 「これからはこちらが必要なのに。」 という文脈で話を進めてきました。 けれども、 こ

        • 「アート思考」と「煎茶」考察④   ー美意識を鍛えよう!対話しながら鑑賞しよう!

          いつの間にか、前回投稿してから結構時間が経ってしまいました。 前回書いたものを読み直すと、かなり単純なことを主張していますね。 つまり、 「アート思考の根本となる『美意識』を鍛えるために、美術館に行きましょう!」と。 さらには、 「名品・名画を愛してやまない友人や先生と一緒に美術館に行って、その人たちの言葉にならない興奮の声を聴きましょう、すると、その作品に対してこちらも心ひらいてくるにちがいありません」と。 今回は、『美意識』の鍛え方について、引き続き書き連ねていこう

          • 「アート思考」と「煎茶」考察③     ー美意識を鍛えよう!美術館へ行こう!ー

            「アート思考」と「煎茶」をテーマに、 だらだらと書き連ねているわけですが、その3回目です。 「サイエンス思考」と「アート思考」を対比的に考えて話を展開していますが、ここで今一度断っておきたいのですが、私は「サイエンス思考」すなわち、物事を「客観的」に「分析的」に「論理的」にとらえて思考するやり方を全く否定していません。 むしろ、高校時代や受験勉強からずっと、「サイエンス思考」を徹底的に鍛え上げ、実践すべきです。問題は「サイエンス思考」のみに思考方法が偏ってしまうことです。「

            「アート思考」と「煎茶」考察②    ー「論理的思考の暴走」と「美意識」ー

            前回の記事では、野球の試合における「思考」を引き合いに出しながら、 目まぐるしく変化する複雑な状況においては、 「客観的」な「分析」に基づく「論理的思考」、 すなわち、「サイエンス思考」は、必ずしも状況打破のための結論を導かない、 むしろ、「主観的」に「全体」を捉えようとする「直感」、 すなわち、「アート思考」こそが、状況を好転させる解を導き出す、 ということを述べてきました。 今回は、「アート思考」においては、 「主観」「全体」「直感」に加えて、 「美」の必要を書い

            「アート思考」と「煎茶」考察①    -大学入試と野村克也監督-

            タイトルとサブタイトルを書いてみて、 自分でも何の話だ、と、ツッコミたくなってしまいましたが、 これでいきたいと思います(笑) まずは大学入試の話から。 ご承知のように、大学入試において、 今年から、かつての「センター試験」は「共通テスト」に移行しました。 国語の問題を解いてみたのですが、 「なんだかんだ言って変わってない。」 という感想を持ちました。 われわれの受験生時代からの現代文カリスマ講師、 出口汪先生は、ご自身のYouTubeチャンネルでこうおっしゃっています。

            「アート思考」と「煎茶」ー 序章 内容に入る前にー

            『超茶会』という新しいスタイルの茶会について、 先日ここに書いてみて、本来、次は『オンライン茶会』について 書かなければと思っていたのですが、やめました。。。 個人的なことに過ぎないのですが、 別の場で機会をいただいて、『オンライン茶会』について書いてみませんか、とお誘いをうけていました。それが昨年の12月初旬でした。 年末までには、とお返事していたのですが、 それが全くまとまらず、結局、年明け10日ごろ、 どうにかこうにか書き上げました。(その節はすいませんでした) さ

            新しい茶会紹介①!! ~『超茶会!』~

            劇的に時代が動いています。 日々街を歩いているときも、どなたかとお話しさせていただいているときも、そのことを感じずにはいられません。 私たちもいつも変化し続けたいと思うわけですが、 コロナ禍になる前から、変化/進化し続けたいという意思は持っていて、 そんな思いから新しい試みをしてきました。 その中でも、今回から数回かけて書き連ねていきたいと思っているのは、 「新しいスタイルの茶会」についてです。 今回のテーマは、『超茶会』。 2018年の秋から『超茶会』をスタートさせ

            文楽と煎茶 -ふたつの大坂文化から考えるー その4(如翺)

            「文楽はおはぎである。」 「形にこれといった決まりはなく、 だれもがどこででも手に入れられる、 文楽はそんなおはぎである。」 しかし、 「文楽はいま、神棚に祭られたおはぎになってしまった」 「おはぎをちゃぶ台に降ろし、 誰もが食べられるようにすることが自分の仕事」 文楽太夫・六代目竹本織太夫師匠はおっしゃいます。 『文楽と煎茶ーふたつの大坂文化から考える』と題して、 3回書かせていただき、今回で4回目です。 今まで、7月5日にさせていただいたオンライントークイベント

            文楽と煎茶 -ふたつの大坂文化から考えるーその3(如翺)

            前回の投稿から少し間があいてしまいました。 7月5日に文楽太夫の竹本織太夫師匠とトークさせていただき、 それをオンライン配信いたしました。 そのときのトークで考えたことを書かせていただいております。 その3回目です。 前回は、和室における「床の間」と、そこに掛けられた書画の位置づけと、 中国知識人(文人)の文房(=書斎/他者にも開かれたプライベート空間)における「壁」と、そこに掛けられる書画の位置づけを比べながら、 「煎茶」という文房趣味では、掛けられた書画を崇め奉らない

            文楽と煎茶 -ふたつの大坂文化から考えるーその2(如翺)

            今月のはじめに文楽太夫の竹本織太夫師匠とオンライントークイベントをさせていただいて、その時に考えたことを書かせていただいております。その二回目です。 前回の最後に、織太夫師匠が「自分の役目は神棚に祭られて手を出しにくくなってしまった『おはぎ(=文楽)』をちゃぶ台に下ろすこと」とおっしゃっていたことを書かせていただきました。「ユネスコ無形文化遺産」などというように高尚化され権威化されてしまった文楽を手に取りやすい場所に戻す、いわば上から下への運動に熱をいれるのだ、と。 その

            文楽と煎茶 -ふたつの大坂文化から考える- その1(如翺)

            「文楽はおはぎである」 と文楽太夫の竹本織太夫師匠は言います。 先日、2020年7月4日、大阪上町台地を学び・語り・開くチーム・ オープン台地実行委員会主催のオンライントークイベント 『文楽に行こう!煎茶に集うサロンを知ろう!』が開催されました。 トークは、文楽の公演はもちろんのこと、様々な舞台やテレビ番組 とくにNHK「にほんごであそぼ」でおなじみの 六代目竹本織太夫師匠をゲストに、 私の煎茶の話を絡めながら進めさせていただきました。 「文楽はおはぎである」とは、 その

            煎茶は「ものあそび」の世界です    ー「ものづくり」と「ものがたり」、その先の世界へー (如翺)

            最初の画像は今月稽古場に設えていた手前座です。 何と言っても、この存在感のある炉が一番の眼目です。 この手前座とひと月空間を共にしていて「もの」について書かなければと思うようになりました。今回は「もの」を「作る」、「もの」を「語る」、そして「もの」を「遊ぶ」ことについて書き連ねてみようと思います。 「ものづくり」によってモノが生まれ、 それに付随する「ものがたり」が語られることによって 新たな価値が出来ていく、 目には見えない新しい価値を生む「ものがたり」あるいは「ストー

            「煎茶」という茶文化から、「コロナ後」という時代のはじまりに向けて (如翺)

            noteをはじめてみることにしました。 新型コロナウィルス感染症拡大による緊急事態宣言が発出されたのは、4月7日のことで、それが解除されたのは私ども一茶庵のある大阪では5月21日、首都圏では4日後の5月25日のことでした。 この期間、「煎茶」という茶文化を担う私ども一茶庵の主な仕事は、急速なオンライン化と各種申請書類の作成でした。Zoomのインストールから始まり、オンライン稽古の開始、継続、オンライン茶会の企画、開催。申請手続きのための書類集め、記入、提出。多くの方々にアド