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新しい茶会紹介①!! ~『超茶会!』~

劇的に時代が動いています。

日々街を歩いているときも、どなたかとお話しさせていただいているときも、そのことを感じずにはいられません。


私たちもいつも変化し続けたいと思うわけですが、
コロナ禍になる前から、変化/進化し続けたいという意思は持っていて、
そんな思いから新しい試みをしてきました。
その中でも、今回から数回かけて書き連ねていきたいと思っているのは、
「新しいスタイルの茶会」についてです。

今回のテーマは、『超茶会』。

2018年の秋から『超茶会』をスタートさせました。
このような茶会です。イメージを掴んでいただければと思います、
『超茶会』の記録画像をまずはご覧ください。

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これは、2019年初秋に、
大阪の「和泉市久保惣記念美術館」で行われた、
「くぼそう 超茶会」の様子です。

和泉市久保惣記念美術館さんの音楽ホール『Eiホール』で開催されました。

大画面に同美術館さん所蔵の美術作品の画像が映し出されています。
ゲストの方(この時は彦十蒔絵の若宮隆志先生でした!)、
同美術館館長(河田昌之先生!)、
一茶庵の佃一輝、佃梓央がマイクを持って、
作品についてあれやこれやと語ります。

あくまでも茶会での会話ですので、
学術的なシンポジウム的内容ではなく、
美術作品を遊ぶための座談です。

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大スクリーンに登場する美術作品にあわせて、
お茶を淹れる手前座もしつらえ、お手前もしています。
お手前から出て来るお茶を飲みながら、座談が繰り広げられます。
もちろん、座談の中心になる3人を囲む形で座っていただいているお客様にもお茶とお菓子が運ばれて、
お客様は、お茶とお菓子を飲みながら、座談に参加していただきます。

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座談をお聞きになりながら、
お客様もスクリーン上の美術作品に対するご感想やご意見、
ご質問など出て来るでしょうから、
時にお客様にマイクを向けて、お話しいただきます。

何度か『超茶会』をやっていますが、
この時にお客様から出るお話が、本当に面白いのです。
われわれが思いもしなかったこと、考えてもみなかったこと、
素直なご意見が飛び出します。

そしてそのご意見こそが、座談をさらに深めるのです。

こうして大スクリーンに映された美術作品について、
しかも、90分で数作品についてしか語りません。
その作品を深く深く、遊びながら深めていくのです。
専門家だけではとうてい辿り着けない、
自由で豊かな発想から数点の美術作品について深められていきます。

このように、
スクリーンに映された美術を語り合い、
その中にお茶やお菓子の味わいがある、
『超茶会』とはそのような会なのです。

そしてもちろん、
お客様がこのホールをお立ちになり、
美術館の展示室の向かわれると、
そこには、
『超茶会』で語られ続けていた美術作品が展示されているのです。
お客様は語られ続けていた作品の本物を、実際にご覧になることができるのです。

私はこの『超茶会』を以下のように位置付けています。

これまで『茶会』といえば、『大寄せ茶会(おおよせちゃかい)』でした。
そこにアクセスするには「お作法」を必要とし、
茶会には大人数がひしめく中で「正座」し、
一方的に茶道具についての解説を受ける、
もちろんその茶道具の取り合わせ方にご亭主の「こころ」を読んでくわけですが、現実的にはそのようなゆとりもない・・・、

これに対して『超茶会』は、「お作法」や「正座」を取り払い、
「美術を見ながら、語り合い、お茶やお菓子をいただく」
という、むしろ「茶に集う座の」本質的な生の部分に立ち返ろうとしています。

双方向的に対話し、
対話の中で美術品たちからあふれてくるストーリーを拾い起し、
紡ぎだしていく、そのストーリーはその場でその時間にそこにいた人たちだけのものになります。

そのストーリーが頭に描かれているうちに、展示室で本物に出会う、
『超茶会』はそんな豊かで贅沢な時間です。

『超茶会』はこれまでに、
京都鹿ケ谷の、住友家の美術館「泉屋博古館(せんおくはっこかん)」さんでも開催しました。(2019年4月)
また、グランフロント大阪のシマノスクエアさんでも開催しました。

シマノスクエア 超茶会②

シマノスクエアさんがされている、
自転車での「散走(さんそう)」(散歩ではなく散走)イベントに合わせて、美術作品を画像で見ながら、このときは壮大な水辺の絵画を見ながら、想像上の「散走」を『超茶会』で楽しみました。(2018年11月)
このときお茶を飲んだ茶碗は、シマノさま開発の、サイクリング用のチタン製水筒の、フタを使わせていただきました。

そしてその翌日には、
リアル「散走」イベントとして、淀川をサイクリングしました。

散走イベント

話は少しそれましたが、
とにかく『超茶会』とは、スクリーンで美術作品を見ながら、
美術を語り掘り下げる茶会です。

コロナ禍で、みなさんと集まれなくなり、
残念ながら現在『超茶会』はストップしています・・・。
(とはいえ2020年秋、コロナ第三波が来る前に大阪船場の近代建築青山ビルさんで『超茶会』を開催しました)

コロナが収束し、この『超茶会』の場でリアルにみなさまとお会いし、
生のお声を聴きながら、実際にお顔を拝見しながら、そして同座しながら、
お茶を飲み、お菓子を食べて、美術を対話したいと願うばかりです。

さて、次回は、コロナ禍の中で生まれた「オンライン茶会」に関して、
書かせていただこうと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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