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wakimizu
2023年2月10日 18:47
私は渋谷駅の南口と東口の間にあるマクドナルドを抜けて、そこから続くモールのようになっているアーケードを全速力で走っていた。呼吸器が痛い。口の中に血のような味が滲んできた。ビルの隙間から開けた空を見るのが好きで、私は空き地に寝転ぶ。雲は渦を巻いている。突然、空き地の目の前の道の向こうから、こちらへ向かってくる激しい音がした。近づいてくるガソリンと焦げた匂い。赤ちゃんの人形が付いた火炎放射
2022年3月16日 23:33
恋に落ちてしまえお前もお前もお前も恋に落ちてしまえお前もお前もお前も此れを奉り給えガランゴガランゴガランゴ此れを奉り給えガランドガランドガランド暮なずむ鳥に注意してねギャランボギャランボギャランボ鳥に注意してねミャミャンミャミャミャンミャミャミャンミャ竹藪出来た出来たら笑え笑え 笑え山笑えこれは呪いですよシャランシャシャ
2020年8月17日 20:01
海辺では何も聞こえないサラサラと砂の落ちるザワザワと波の押し寄せる縞模様の中に取り残された高いところから落ちたせい頭を打ったから鮮明になってしまった口から何かがするすると身体中をペイズリーが這い回っているとても気持ちが悪いけれどそれではどうぞCGの中で必死に必死にチャールストンを!1.2.3.4.1.2.3.4.1.2.3.4.1.2.3.4前!後ろ!前!後ろ!遡行
2020年6月30日 21:42
山裾が燃え出したとき呟いた イマノアナタヲゼンブクレナイ重ねれば忘れてゆける思い出も クズレオチタヨトウフノカタマリ滝壺の白とグレーと青緑 セカイハアラタニアカイヨアカイ
2020年6月7日 19:57
梅林の雑踏蓮華畑のピンク光が肩をすり抜ける大きな袖が靡く飲み水に顔を浸した前髪が垂れる紋白蝶が羽ばたく大きな音杜若の口づけ迷いが胸に被される小さな声が消えて追い風に強く願った藍染の浴衣太陽が燃え尽きる直前の香り黄金の田が揺れる波鏡越しの暴風雨ミュグレーのダンス回路の変換黙る赤い山
2020年5月1日 00:24
ミーハーなのよ。下世話なのよ。それが1番楽しいでしょう?ねェそうでしょう? そんなことより花を一輪頂戴。1番真っ黒のをね。 ローリーかよこエズラさちよソフィマリアンエルシー芙蓉ねェそうでしょう? どんなことよりソレの話が楽しい。1番楽しいのよね。 ジャスミンの香りが充満していても もう誰も気づかない。私達しか気付けない。 こんなに芳しい夜になったから この闇は私達のも
2020年4月27日 20:16
カムパネラは街中鳴り響き不浄の切っ先がひび割れる 畏る 淡い海 桃源郷サンセットは街中グラデーション無常の一刻は迫り来る 私にも あなたにも 平等よ 大都会に住んでいたって 私の家の近所には躑躅も藤も木香薔薇も 目が痛いほど咲いている 悲しいことが起きたって逃げられない 帰れないドルマンスリーブは空を飛べない 橙に桃紫藍色苦渋の選択が下される お菓子にも 鸚鵡にも 想像よ
2020年4月10日 21:51
何百年ぶりの 外歩きだろうひどい風で 恐ろしいほどの花弁が踊る清々しいほど しずかです この街は 今 明日のことは明日のことです何百人がかつて歌った昨日のことは昨日のことです忘れることなどできないけれど付けっぱなしの日常 消そうとしてやめました 西の空には桃色の雲 目指して歩いてゆこう西の空には桃色の雲 目指して歩いてゆこう耳が痛い 千切れそう 心は脆い 千切れそう西
2020年3月19日 23:14
壹、キンコンカンコン体と心を融解する作業些細な体と些細な心ナイフのような音楽衝撃映像揺さぶりガムランの音マッキントッシュの起動音さすらい人の笛鐘貳、式場は埋め尽くされている美しい水色フランス語の歌声恙無く執り行われる儀式太陽と月を殺し海と山をぶつける太陽と月を殺し海と山をぶつける暖流と寒流の鬩ぎ合いダルメシアンの吠え声
2020年3月14日 23:02
涙に浸った睫毛が瞼へ貼り付いた時時計の針は記憶を失って彷徨うであろう唐草模様は誰一人として逃がさない無駄な足掻きはやめて洗濯物の渦の中へまゆらぎがけたゝましく鳴いてゐます眼鏡を捨てた時に味わったこの衝動は罪だと言われる街灯が点滅をする度毎に全部が始まり気付く間も無く全てが終わっている頬に赤みを差さねば外にも出られないこの苦痛は何処から芽生えたのだろうタイダイ染は宇宙
2020年2月25日 17:47
出逢ってしまった事象と事象で甘く恐ろしい人体実験を始めます 始めます 或る夜から 混ざってしまった事情と事情が甘くほろ苦い原爆実験に捧げます 捧げます この身割いて 沈丁花どこにいるの闇世の中ずっと見つからない美しい香りだけがなにも見えない方へ誘っている白くて赤い花 トリッチトラッチ噂の貴方は叫ぶ青白い石膏人形に変わります 変わります 月の光
2020年2月3日 01:56
かりそめの わたしたちできれば いまのうちにかくしても みえてくるさきゆく はなのようにすきとおる くらやみがこのさき はばんでいるたちどまる わたしたちつないだ てがほどけたこのしろは あるあさにいきなり できあがったこのしろは いつのひかいきなり おちるだろうかやのそと そらのうえくらげが うようよいるさむい すごくさむいからだがうごかない うごかせ
2020年1月13日 22:13
いつ死ぬか誰もわからない 本当よ毎日が今生の別れだと思って愛しんでスパイスガールもパノラマボーイもおばあちゃんが言ってた 冬の野を彷徨っている時間があるのならその胸に火を灯せT-N-Tを炸裂させろドーピングも厭うな 神に背き 諍い 紡いできたのが人間ならば紅の紐たなびく青き空誰も邪魔することができない一風を以て新しく変わる日の出を目に焼き付けよジャンヌダルクの一太刀
2019年10月23日 00:53
台風に揺れる金木犀がオレンジ色の香りを無惨に吹き飛ばしてゆきます。私は今、ここを出て行かなくてはなりません。暗い路地に落ち切ったオレンジ色の花が照る深夜に私は行かなくてはならないのです。涼しい朝には、陽の光も私もオレンジ色の花も、同じ一つの存在に還って揺れます。オレンジ色は懐かしく優しく、そして悲しく、ビニールの音がカサカサと鳴っています。学校の校庭が砂を舞い上げながら秋を撒き