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#栗原康
センチメンタルですがなにか~大杉栄の監獄体験――「サボる哲学 リターンズ!」#1 栗原康
我々はなぜ心身を消耗させながら、やりたくない仕事、クソどうでもいい仕事をし、生きるためのカネを稼ぐのか? 当たり前だと思わされてきた労働の未来から、どうすれば身体をズラせるか? 気鋭のアナキスト文人・栗原康さんの『サボる哲学』(NHK出版新書)がWEB連載としてカムバック。万国の大人たちよ、駄々をこねろ!
社会の歯車から解放されました
こんにちは。ごぶさたしております。みなさま、お元気でしょ
栗原康さん(政治学者、アナキズム研究・後編)1:思い込みは何度も捨てていい
野枝、一度自分を殺す
――先ほどの話でいえば、伊藤野枝さんはエネルギーのある顔をしてますね。表紙の写真はいつ頃のものですか?
栗原:これは二十歳くらいですかね。
――こんな言い方は何ですけど、*「足尾から来た女」みたいな感じで。ちょっとお百姓の娘さんみたいに見えますが、実はきれいな人ですよね。
栗原:きれいな写真もありますね。大杉と結婚した時は。
――そう、き
栗原康さん(政治学者、アナキズム研究)前編・6
アナルコ・サンディカリズム
――なるほど。それで米騒動を見て、そのあと*サンディカリズムという労働者蜂起というか。その後の大杉は労働者による闘いということを考えて、とりあえずそれがひとつの結論になった人ですよね。
栗原 そうですね。ただこれは結構大杉が死んじゃったあとに議論が分かれちゃったりするところではあるんですけど、難しいところで、「アナルコ・サンディカリズム」というのはちょっと微妙な考え
栗原康さん(政治学者、アナキズム研究)前編・2
自分が持つとらわれから抜け出す
――「倫理」や「道徳」の起源がそこだとすると、そう理解することでニヒリズムにおちいりそうですね。でも僕はアナキズムはニヒリズムではないと思うのですよね。つまり根源的な批判で、社会の認識とか政治とか国家とかいうものに対してはとても鋭い批評とか、意識がある。だけどおそらく「厭世主義」ではない。ペシミズムとかニヒリズムではないんだろうなとは思うんで