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カウンセリングの受け方・上手い人とヘタな人

カウンセリングにも色々ありますが

心理カウンセリングは、なかなか複雑なプロセスを含む共同作業のため
受け手(クライアント)にも、それ相応の努力が必要になるものです。


「セラピー」というと、
最近は素敵なものがたくさんあるじゃないですか。

アロマテラピーとか、フットセラピーとか
アニマルセラピーとか、カラーセラピーとか…


私、職業を聞かれた時に
「セラピストです」と言うと
「あ、アロマとか何か…」と素敵なイメージをしてくださる人がたまにおられ、

「いえ、サイコセラピストです」

というと、こんな顔→「( ゜д゜)」
になられることも笑

サイコセラピスト。怖いでしょうか…(^-^;

いやそれは余談なんですけども、
何が言いたいかというと
そうした素敵な「癒し系」セラピーにはまずありえないであろう「まさかの展開」が、
私のセラピーだとどうしてもあるんです。


「まさか」にも、さまざまな種類があるわけですが
例えばこんな感じ

・まさかこんな話になるとは思わなかった
・まさかそんなことが重要と思わなかった
・まさかそんなことしろと言われると思わなかった
・まさか褒められると思わなかった
・まさか叱られると思わなかった
・まさか聞き流されるとは思わなかった
・まさか国際政治の話になると思わなかった
・まさか江戸時代に遡ると思わなかった
・まさかこんなに笑うとは思わなかった
・まさかこんなに忙しくなるとは思わなかった
・まさか3回で終わるとは思わなかった
・まさか3回で終わらないとは思わなかった
…その他多数

…とにかく、
クライアント様の予想とはかけ離れた展開になることが多いです。

ご相談内容が、深刻であればあるほど、
そうしたまさかの傾向が強くなります。


実は、そうでなければならない理由が
あります。

なぜなら、クライアントの「想定内」で対話が展開するということは、
クライアントが作り上げてきた「既存のストーリー」に私が乗っているにすぎない。

その「ストーリー」では、これまで問題が解決しなかったんですよね。
だから、ご相談にいらしているんですよね。


私はその「ストーリー」には乗ってはいけないのです。
それは「出口のないストーリー」なのですから…

また、クライアントのストーリーは、本質から外れているものです(断言)。本質を見極めて自ら取り組んでいるのなら、専門家はいらないですよね。

ただし、クライアントのストーリーを無視するのとは違いますよ。
どうしてそのストーリーを必要としたのか、そのクライアントなりの必然があることは、理解します。

その上で、
私は、出口(問題解決あるいは解消)のある、本質に近いストーリーを構築しようとする。

ですので、
私はクライアントのストーリーを読み取ると、意図的にそこから離れた文脈で対話することを目指します。
(話題をそらすのとは違います)


そうした私の「文脈再構築(そらしているのではない)」を
嫌だと思うか、「試しに乗ってみよう」と思えるか。

そのあたりがカウンセリングの受け手の、最初の関門かもしれません。


必ずしも、素直に乗らなくても良いのですよ。
「それ、けっこう不満なんですけど」
とかでも良い。
ネガティヴな反応だって良いのです。
それでも関係が切れるわけではない限り、私は心理支援が出来ますから。


一番困るのが
「前回、こうしろと言われて、考えてみたけど私はやっぱりそんなの出来る自信ありませんので、さようなら」

と、いきなり断絶する方。

けっして多くは無いですが、たまーにいらっしゃる。

この中断の仕方は、私に対して怒ってるんですね。強い感情がある。
そうでなければ、人はもっとテキトーに去ります。

「仕事が忙しくなったので〜」とか、いくらでも当たり障りなく去ることは出来るじゃないですか。
しかしそうしないということは。

怒ってるんだけど、正面切って戦うことからは逃げている。

ちなみに私は「こうしろ」なんて
命ずることはありません。
「こうしたら?」とご提案はするけど。
だからこっちからすれば
「なに勝手に決めつけて、勝手に自信失って逃げてんのよ(怒」

という気分になる。
これは私が素人くさいのでしょうか?


いや、カウンセリング関係というのは、
マッサージ受けるのに料金払う関係と違うんです。

私のほうにも、ひとりひとりのクライアントに、唯一無二の感情が生まれる。
とても個人的な緊密な関係だと思います。

だから
カウンセラーも腹も立つし、落胆もするし、傷つくし、
嬉しい時は心から嬉しいし。


それをですね、どーせたくさんいるクライアントのうちの一人にすぎないでしょ、切れても寂しさとか感じないでしょ、せいぜい1人ぶんの収入減るだけでしょ…って思われると、かなり違うんですよ。


以前、私の勤務先に、アメリカから研究に来ていたイェール大学博士課程の才女がいたのですけど、
彼女が私のことを

「日本で出会ったセラピストの中で、

あなたが一番パーソナルにクライアントと接している」

と言ったんです。

私は、この言葉は褒め言葉だと思いました。


いや、そうしか出来ないだけなんですけどね。

だから、いきなり去らないでほしいですね。
カウンセラーの気持ちも考えろよ!とクライアントに迫るカウンセラー(爆

まさに逆説的なのです。

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