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【不登校リカバリーCPC】娘の発達課題回復記録⑥暗黒時代の2つの決意

自己紹介

トラウマの癒しを提供するハートエデュケーションセンター代表、川村法子です。私自身が、ACEs(逆境的小児期体験スコア)4というハイスコアのトラウマサバイバーです。ACEsについての詳細は、公式サイトに掲載しています。

ざっくりとした自己紹介は、以下からどうぞ。

はじめに

前回は、小学校時代に娘がやってきたことを書きました。運動がとにかく鍵です。詳しくは、前回の投稿をご覧くださいね。

さて、娘は順調に小学校時代を越えたかのようでしたが、実は、中学に入ってすぐに、心と体のバランスを崩して、精神科では適応障害、内科では過敏性腸症候群という診断を受けました。そして、結果的に、9ヶ月ほど不登校になった時期(中2の1月〜中3の9月)がありました。

きっかけは、学校がとても荒れていたことと、ある教師の暴言、そして、その後の学校のとんでもない対応による二次的なショックによるものでした。

とはいえ、これは“きっかけ”であり、原因ではありません。

正直、学校や教育委員会には、親として言いたいことが山ほどあります。今の日本の学校問題はとてつもなく大きなものです。私たちをサポートしてくれた弁護士さんも、学校と教育委員会の対応に心底呆れてしました。

ですが、noteは、発達課題を超えていくための情報提供の場として立ち上げました。今回は、学校問題は脇に置いて、すべて乗り越えた今だからわかることを、セラピスト目線で冷静に書いていきたいと思います。

荒れていた学校環境

娘の学年は小学校時代からいじめなどで荒れていて、特別な話し合いの場や学校外での緊急保護者会が開かれてきました。さらに、不運なことに、その学年がそのまま中学に上がる、一小一中という学区でした。

元々荒れていた子どもたちが多い学年だったのに、思春期になって、さらに悪口や陰口、暴言がひどくなっていきました。教師たちもわかっていたようですし、通っていた塾でも、娘の学校の子たちの言葉遣いや態度が悪いことは有名で、塾の先生からも一喝されるような場面があったと言います。

娘の学年では、1割が不登校でした。この数字が、他と比べて多いのか少ないのかはわかりません。娘も、中学2年まではなんとか学校に通っていましたが、次第に、体調を崩し、学校に行けなくなってしまいました。

学校に不安を感じる子に多い反応かと思うのですが、娘は、朝はお腹が痛く、学校に行く途中から頭痛がしだして、学校に着くとまたお腹が痛くなり、気持ちも重たくて、学校でトイレに行くのもストレスで、最終的には体力気力ともに限界が来てしまった・・・という流れでした。

この時期に、上に書いたように、精神科では適応障害、内科では過敏性腸症候群という診断が出ました。

助けになった塾

こんな状態でしたが、娘は塾だけはほとんど休まずに通いました。学校で頭が痛くても、帰宅して塾に行くと、なぜか頭痛は無くなって、元気になっていました。塾の先生を信頼していたことも理由の一つでした。

ある時、塾に三者面談をお願いし、娘に生じていることを報告しました。先生は全部そのことを理解してくれて、「学校に行きたくない時は、塾の自習室に来てもいいよ。それに体調が良くない時は、無理して塾に来なくても大丈夫だよ。」と、娘にとても優しい声をかけてくれました。

先生の優しい声かけとまっすぐな在り方にホッとしたのか、娘はその場で号泣し、その後1時間くらい泣き続けていました。

私は、親としてというよりも、セラピストとしてその場を目撃し、娘に大きな感情の解放が起こったことがわかりました。

思春期は、親元を離れ、外の世界との関わりで成長する時期です。家庭の中では決して得られないものを、塾の先生から感じられて、娘にブレイクスルーが起こったのだと思います。

その翌日から、つきものが落ちたように、娘は元気になったのですが、それはセラピスト目線で言えば、完全に想定内のことでした。

内側に溜まっていた感情を、信頼できる大人を前に吐き出せたことで、深い安堵感を得て、自律神経が整ったのだと思います。

最初の決意

娘が塾の先生に感じていた信頼は、本来なら、学校教師から得られるべきでした。娘にとって、学校は針のむしろで、それが叶わなかったことは、とても残念なことでした。

だからと言って、全て学校のせいにしても、問題解決に向かいません。

つまり、

  • どれだけ学年の子どもたちが荒れていても

  • その保護者たちがモンスターペアレンツだとしても

  • 教師が未熟で不誠実だとしても

  • 校長があり得ない嘘を重ね続けても

  • 悪名高いと言われる教育委員会の管轄だとしても

  • ガスライティングの横行を目の当たりにしても

そんな環境で腹痛も頭痛も起こさずに、学校に通っていられた子はいるのです。

明白なのは、うちの子は、なぜかその状況で適応障害になり、過敏性腸症候群を起こしたという事実です。

日本の教育システムという、とんでもなく大きな問題を目の当たりにして、私は、これ以上そこに憤りを持ち続けるのではなく、自分たちがやれることをやって、娘を回復させようと決意しました。

私たち家族の目的は、日本の教育システムを変えることではなくて、娘を健康にすること、ただそれだけだと気がついたのです。

2つ目の決意

そもそも私は、それまでだってすでに何年もトラウマのセラピストをやってきて、回復していく人を何人も目撃してきましたし、自分の複雑性PTSDですら克服していたのです。

さらに、その時点で何人ものお子さんの学校復帰をお手伝いしてきました。

そんな私の身に生じた、娘の適応障害と不登校なわけです。

正直、「とうとう我が身にきてしまった・・・」という驚きと、「受けて立ってやろう!」という野心のようなものがありました。

だけど、当時、私が持っていた思い込みの1つは、我が子のセラピーだけはできないということでした。

心の悩みを抱える人たちのほとんどが、親の問題に巻き込まれてきています。

私自身は、これまで、親の問題と自分の問題を整理しながら、体からトラウマをリリースさせ、傷ついた自分の気持ちを抱きしめる作業を、各種セラピーを通して20年近くやってきました。

その作業がどれだけ奥深く、繊細なものなのか、当事者としてわかっているつもりでいます。

つまり、娘が仮に学校問題に苦しんでいたとしても、その奥に親との関わりの課題があることは、明白なわけです。

そんな娘に対して、仮に私が知識とスキルがあるからといって、どうやってセラピーができるだろう、そんな気持ちでしたから、できれば、有能なセラピストを外に探したかったのです。

ですが、スクールカウンセラーやクリニックのカウンセラーに、娘は心を開きませんでした。

そして、むしろ、傷ついて帰ってくることがありました。

「今のあなたの辛さも、いつか大好きな漫画のネタになるはずよ」と、現状の解決にはならないアドバイスをする心理士もいるのです。

そんな話を聞くたびに、トラウマセラピーを専門に学んできた私は、残念な気持ちでいっぱいでした。

そして、私は、決意しました。

「母である私が、これまでのすべての知識とスキルと経験を使って、やれることをやるしかない!必ずできる!」と。

これは、とても静かで、固い決意でした。

ぶり返しのない回復

今、娘は大学1年生です。

高校時代は演劇部の部長。

本人の演技は決して上手とはいえないけど(笑)、部として賞を何度ももらいました。

部活内部で生じる色んな問題も、部長として乗り越えてきて、先輩からも後輩からも信頼されていました。

部活体験は本当に貴重なもので、娘のこれからを支える大きな力になったと思います。

娘の歳の頃の私は、人が信じられなかったので、部活ができる状態ではありませんでした。

ですから、私は、娘をとても尊敬していますし、ハードな部活をやり切ることができて、本当に良かったなと思っています。

大学受験は、苦労したけど、なんとか一般受験で合格しました。

今は、毎日の大学生活を楽しみながら、サークル活動をして、SDGsのボランティア活動にも参加し、さらにバイトも始めました。

メイクをして、好きな服を着て、朝から楽しそうに学校に出かけていきます。

とにかくとても元気で、明るいです。

不登校のお子さんが、高校や大学に入学して、変化したという話はよく聞きます。

ですが、また不登校になってしまったり、引きこもりになる話も、同じくらい聞きます。

ぶり返しのない娘の変化と、ぶり返しのあるお子さんと、何がどう違うのでしょうか?

ぶり返しのない本当の復活をするために、私たちが娘にやってきたことを、次の記事で書いています。

ぜひ読んでみてくださいね。

不登校リカバリーCPC

不登校リカバリーCPCでは、発達課題のあるお子さんの子育てに、役立つ記事を発信していきます。

他2名のチームメンバー、臨床心理士のかちゆみこさんとアロマインナーチャイルドワークの東海林智子さんは、子どもの不登校と発達課題を乗り越えてきた仲間です。

まだ一般には知られていない家族学のこと、トラウマのこと、心と体のつながりについて、体験談を交えながらお伝えしていきます。

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