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「僕は歌う、青空とコーラと君のために」
こんなにも「まだ、終わらないで」「もう少しこの世界を共有させて」と思う時間を過ごすのはいつぶりだろう。
劇団ヒトハダの旗揚げ公演「僕は歌う、青空とコーラと君のために」。
観客席は100席くらいかな、舞台は手を伸ばせば届くんじゃないかって近さ、舞台の上の俳優さんの汗から何から全部が見える。
こんなに近くて熱いものを共有してしまったら、この先何百席もある劇場で舞台の上をオペラグラスで眺める観劇なぞ物
映画「ムーンライト・シャドウ」
ひとつのキャラバンが終わり、また次がはじまる。
原作の最後、立ち止まるしかなかったさつきが自分に言い聞かせるように訥々と綴られる言葉。そう、この物語ははじまりとおわりの物語、誰もがその中に取り込まれている止めることのできない時間の流れの物語だ。
これまで決して多くないページに記された文字をなぞり頭の中で想像を広げてきたものが、原作の発表から30年以上の時間を経て目に見える映像と音で形作られる。
2021年3月12日 WAITRESS しあわせのパイ
私鉄のように改装が頻繁ではない東京メトロ。歴史を感じる日比谷駅A13の出口を出てすぐの日生劇場。
貝殻が埋め込まれたドット模様が印象的な高い高い天井、洞窟のような曲線の続く壁面、サーモンピンクとオレンジを合わせたような彩度を抑えた色のシート。舞台の世界を楽しむためだけに作られた贅沢な空間は、その場に足を踏み入れただけで気持ちが高揚してしまう。
昨年の秋、テレビで見て楽しみにしていた「ミュージカル
2021年1月24日 拍手が届くように
つい先日、年末だお正月だと思っていたのにもう1月も終わりが見えてきた。刺激のない毎日はあっという間に過ぎ去っていく。
上演される3月には状況が好転しているだろうという期待と共に楽しみにしていた劇団ヒトハダの公演について、先日残念な知らせが届いた。
仕方のないことだし、そうするしかないことだし、それをどこかで覚悟もしていた。小さな劇場でのお芝居だからこその決定だったのかもしれない。
頭ではわかっ
2020年12月24日 クリスマスに願いを込めて
取っていたチケットの日程が中止になってしまったPARCOSTAGEの『チョコレートドーナツ』。
先日無事幕が上がり、関わる方の思いが繋がって本当に良かったと思いながら、どこかで観に行けたらと、日々自分と家族の予定と公演スケジュールとのにらめっこを続けていた。先日、運よく各所調整がつき当日券の縁も手繰り寄せることができ、観劇が現実のものとなった。
天井まである大きくて真っ赤な扉を通り中に入るのは3
「ボクの穴、彼の穴」 観られた幸運に感謝して
宮沢氷魚さんと大鶴佐助さんの二人芝居、「ボクの穴、彼の穴」が23日千秋楽を迎えた。
7日間全11公演、予定されていた全ての公演が予定通り幕を上げ上演された。それが当たり前ではなくなってしまった今、無事に千秋楽の日を迎えられたことが心から嬉しい。以前だったら、幕が上がることへの感謝とその与えられた時間の愛おしさ、今程感じることはなかっただろう。
あの広くて高さも奥行きもある空間を、様々な演出はあれ