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雑誌「写真 Sha Shin」創刊号を買ってみた。

満を持して創刊、発売された。

といった印象を受けるこの雑誌が手に入ったので、極めて個人的な感想を記しておこうと思った次第である。

というのも、この写真雑誌廃刊ラッシュの中、しかも廃刊した雑誌のメンバーが再終結し、(たらしい。詳しく調べていない。)創刊されたのがこの「写真 Sha Shin」だ。
タイトルがこれだけシンプルかつストレートなのは、果たして写真雑誌の少なさ故か、もちろんそれだけの意気込みや覚悟があっての事だと思う。
メンバーの羅列は面倒なので控えさせて頂くが、錚々たる面子であるのは間違いない。まぁその辺に関しては、他の方々の方が詳しいだろう、というのもあるのだ。詳細はサイトをご覧頂くとする。(https://www.shashin.tokyo/)

さて、私が語れるとするのは多くはない。
雑誌を読んでどうだったか、その一点である。
実に単純明快だ。

先ず言えるのが、この雑誌は、雑誌ではない。

年二回発行されるなら、これぐらいの分量になり得るかもしれないが、まずはページ数が格段に多い。何と約250Pだ。
しかしサイズはA5とコンパクト。
それならその厚みも実現し得ると捉えるかどうかは委ねるとして、写真雑誌は概ね大きい。それは写真を扱う上で仕方ないとも言える。
大きくプリントされたイメージと言うのはそれだけで見るものを圧倒するのだ。私も写真集を作る際はA4一択だった。
写真は印刷するなら大きい方が色んな意味でよく見える、のである。(とはいってもここでは雑誌サイズの範囲ではあるが)
IMAが一番大きいのか?しかし、そこを捨ててのA5サイズは手にとりやすく、持ち運びやすく、そして普段写真をプリントしない人からは、スマホより大きければ、大体は大きな写真なのではあるまいか。と納得したりしたのである。

次は表紙等の質感である。


待ってくれと思うかもしれないが、この本では冒頭に、「五感にうったえかける物質としての印刷物を作りたい。」とのキャプションが添えられているのだ。(配られているDMにも書いてあるので、ここは引用しても良かろう) 
ここを無視するのは私の中であり得ない。というのも、プレオーダーし、現物を見るまで何も情報が無かった訳だが。届いた封筒を開けると素晴らしい「印刷物」が出てきたからだ。

先ずはツイッターでも話題になっているのだが、表紙の触り心地がすばらしい。少しざらついたこの紙の名前は知らないが、この約250Pの内容を読む間、手に持ち続けて何ら不満はないだろう。汗や指紋を気にせず(付かないとは言わないが)「心地好く本を持っていられる」のはそれだけで読む側の人間には大きなアドバンテージだ。

写真のクオリティ

そしてそのまま触り続けたいのを我慢して(といっても触っているのだが)ページをめくると写真が飛び込んでくる。
写真のクオリティと書いたが、これは印刷の話だ。一介のカメラマンがこの面子の写真群に物申すのは差し出がましいとかそういうところだ。
勿論スポンサーがいるため広告もあるのだが、写真が印刷されている紙がこれまでのペラペラな写真雑誌とは別格の厚みである。印刷のクオリティーも申し分無い。わたしは写真を見るうえであのペラペラな紙面があまり好きではないのだ。

テキストやインタビューの内容はさすがに買って読んでくれとしか私は言えないのだが、写真を眺めるだけでも、そしてインタビューを読むだけでも、あっという間に半分くらいは見・読み終えるだろう。
中身がスカスカなのではなく、夢中になれるのだ。

これからの写真雑誌

とは言っても情報量が量だけに、私もまだきちんとすべてのページに目を通している訳ではない。
ただこの興奮を伝えたかっただけである。
わはは!高尚なレビューを参考にした方には申し訳ない!

しかし、今書店で売っている、そして目を引き買ってみたくなる。
そういった雑誌は減ったとは思う。
私の情報収集力も決して高いわけではないが、色んな書店に行き、写真系雑誌を眺め、手に取る物は、こういった質感が優れているもの。紙面のデザインが優れているもの。がほとんどである。昔ながら?の文字の玉手箱を開けたような雑多な表紙の雑誌はほぼ見ないと言っていい。
もちろん内容は優れているものもあるだろう。今、雑誌が売っているという事は、それだけファン・客層があっての事である。

だが先ほども記載したように、初めて手に取るには。
今この時代、物質で手に入れようとする物全ては、この雑誌の様に、質感等の特別感。というのが必要なのではと感じる。

ぜひこのクオリティを保って、今後も発行してもらいたいと切に願います。


おまけ
五感にうったえかける…との事だが、舌・味に関しては未確認である。
食べたり舐めた方がいらっしゃればコメントを頂きたい。
ちなみに書き忘れていたがインクの香りはいいものでした。


2022/1/22 isasaka
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