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最近の記事

【伊良部一郎】17年ぶりのいらっしゃーい【テトラロジー】

5/11、奥田英朗の最新刊「コメンテーター」が発売された。今も根強い人気を持つ精神科医・伊良部シリーズの第四弾で、第三弾の「町長選挙」からはおよそ17年ぶりとなる新刊だ。 ファンからは長らく続編が待ち望まれて、文藝春秋の編集部からも幾多の催促とせっつきがあったそうだが、奥田先生は様々な著作の中で「(伊良部シリーズの続編は)もう書かない」という匂わせを度々行なっており、完全に消息が絶ったと思われていた。 しかし昨年の「オール讀物」で新作の伊良部シリーズを連載開始。そのま

    • 暖かき大歓声が聴こえた 〜カジノ・ロワイヤル 【我が名はボンド】 23年宙組〜

      ネガティブな報道ほど拡散が早い。 それを思い知ったのは今年の年初のこと。 宙組にまつわるスキャンダル週刊文春が報じた宝塚歌劇団の宙組にまつわる一連の報道は普段、宝塚とは無縁の生活を送っている人たちにも届いた。個人的にこの手の内容にはあまり興味がないため詳細は省くが、簡単に言えば、上級生が下級生がイジメただとかそういった中身の報道である。 小生は数年前から宝塚の鑑賞を始めて、そのことを知ってる一部の友人から連絡がきた。「なんか、おおごとになってるね」だとか、「こういうスキ

      • 【WBC】偉大なる大谷翔平を世界に知らしめたい【優勝】

        上記セリフは是枝裕和監督・脚本の韓国映画「ベイビー・ブローカー」に出てくるフットボールが大好きなヘジンという名の男の子が発したものだ。 このシーンを観て、小生は羨ましいなと思った。なぜなら世界中の人がこのセリフを聞いたときに「うん、そうだね」と思ってくれるからだ。舞台は韓国だけど、作品自体は世界に向けて作られている。その前提でもこのセリフを脚本に挿入させたことに違和感はない。 世界で最も人気のあるスポーツであるフットボール。その競技で一番レベルの高いと言われる英国プレミア

        • 【ウィーン】フランス革命とモーツァルト【旅行記】

          2022年夏、小生は音楽の都・ウィーンの地に足を踏み入れた。 現実生活からの逃亡、という意味合いがとっかかりで始まった1ヶ月以上にも及んだ計6ヶ国を巡る欧州旅行。山崎育三郎の'モーツァルト'の鑑賞で関心を持ち、'18月組エリザベートの鑑賞で決定打となったウィーンという場所への憧れから、その旅の中継地点にこの地を選択したのは必然だったのかもしれない。 帝国劇場で目にしたあの時の興奮を肌で感じたい、その欲求からモーツァルトを巡るウィーン旅行が始まった。 マリオネットで上演さ

        【伊良部一郎】17年ぶりのいらっしゃーい【テトラロジー】

        • 暖かき大歓声が聴こえた 〜カジノ・ロワイヤル 【我が名はボンド】 23年宙組〜

        • 【WBC】偉大なる大谷翔平を世界に知らしめたい【優勝】

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          福永祐一の東京優駿20年物語

          デビュー3年目、憧れのダービー初騎乗で2番人気を背負う。当時はまだG1勝利の経験がなかった。それでもファンは推した。キングヘイローの実力そのものの評価もあったのだろうが、それよりも天才ジョッキーの息子の大成を昭和のファンたちは後押しをした。 天才2世の若手ジョッキーが世界的良血馬に跨って栄光へ。こんな号泣もののストーリーが仕立てられていたかどうかは知らないが、それとは裏腹にレースでは意図せぬまさかの大逃亡。初めての大舞台は14着に沈み、ほろ苦い記憶となった。 福永祐一。通

          福永祐一の東京優駿20年物語

          これからも君たちとともに ~小生が愛したクレジットカード~

          学生時代。 全ての欲望を抑え込んできた大学受験を終えて、晴れて自由の時間を手に入れた時のこと。さぁこれから好きなことだけをたくさんやるぞ、と。明らかに勉学以外のところでやる気になっていた。 そして小生にはかねてから野望があった。それはクレジットカードを保有することだった。 大学生になることはコンパで飲酒することと等号で結んでいた人が大多数だった中で、当時高校生だった小生は少し高い買い物をクレジットカードでスマートに購入する姿を見せてた親戚のお兄さんにちょっとだけ憧れてい

          これからも君たちとともに ~小生が愛したクレジットカード~

          【NISA】岸田政権が差し伸べてくれた手【恒久化決定】

          1939年、ミュージカル映画「オズの魔法使い」でジュディ・ガーランドが歌ったover the rainbow。 叶えたい夢が現実になったとき、人はどんな歌を心の中に思い浮かべるのだろうか。 つい最近、そんな経験をした人たちがいる。いやそれは日本国民全員かもしれない。政府から心揺さぶる戦略が発表された。 NISA制度恒久化 ちょっと前からこの噂が世間を賑わせてから待ちに待った正式発表。長期的なお金の不安からの脱却を願った人たちによる歓喜の歌が高らかに歌われた。 金融庁、

          【NISA】岸田政権が差し伸べてくれた手【恒久化決定】

          【犯罪小説】10年のときを超えて 〜「リバー」 奥田英朗〜【感想・考察】

          群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で若い女性の死体が相次いで発見される。 蘇るは10年前に起こった未解決連続殺人事件。それと酷似した手口の事件が再び起こり、周囲を震撼させていく。 刑事、被害者遺族、若手新聞記者。様々な視点から事件の真相に迫っていく。現代屈指の群像劇の達人・奥田英朗による渾身の犯罪小説を考察していきたい。 はじめに奥田先生にとっては3年ぶりの長編犯罪小説となった今作。物語の比較的早い段階で真犯人の特定ができた「オリンピックの身代金」や「罪の

          【犯罪小説】10年のときを超えて 〜「リバー」 奥田英朗〜【感想・考察】

          そして伝説へ 〜グレート・ギャツビー 22年月組〜

          22年夏、大劇場では数回の中止期間があったものの、東宝では連日での超満員による公演。演者、音楽、演出が絶妙に絡み合って歴代でも類を見ないエンターテイメントを展開。 謎に包まれた若き資産家、ギャツビー月城かなと 煮え切らない無邪気娘、デイジー海乃美月 したたかなデンジャラスボーイ、トム鳳月杏 黒子役に徹した偽主役、キャラウェイ風間柚乃 フィッツジェラルド描像の具現体、'22月組ギャツビーはあらゆる称賛とおびただしいほどの喝采を獲得した。この公演が真の意味で伝説としての

          そして伝説へ 〜グレート・ギャツビー 22年月組〜

          【角田裕毅】F1 2022シーズン前半戦レビュー その2【定点観測】

          ③迅速な原因究明の必要性(第3戦 オーストラリアGP)仕切り直し。問われたメンタルコントロール 散々だったサウジアラビアから大陸を移してオセアニアへ。夏が過ぎ、秋が顔をのぞかせ始めたオーストラリアで角田は仕切り直しの一戦に臨む。高速型のサーキットとの相性の良さが強みのアルファタウリのマシンがメルボルンで活かされるのでは、という期待が角田の中で湧き上がっているようで程良い精神状態でフリー走行を迎えた。 1回目は僚友ガスリーをしのぐ11位。2回目も安定的な走りを見せて12位。ハ

          【角田裕毅】F1 2022シーズン前半戦レビュー その2【定点観測】

          【角田裕毅】F1 2022シーズン前半戦レビュー その1【定点観測】

          ①開幕戦で見せた最大値(第1戦 バーレーンGP)奈落の底に落とされたフリー走行。不完全燃焼の予選Q1敗退 フリー走行1回目はまずまずのタイムで走破し、僚友ガスリーがトップに立つ。今年はテクニカルレギュレーションの大幅な変更が加えられ、序盤は全てのコントラクターにとってバウンシングの解消に成功したとは言えない中でのこの走行結果。今となってはフェラーリ躍進の序章となったわけだが、この時点ではアルファタウリが耐久性において全体を通して一歩リードしたと目されていた。 しかしその目

          【角田裕毅】F1 2022シーズン前半戦レビュー その1【定点観測】

          【株式投資】ネガティブ局面がもたらしたもの【2021中間報告】

          昨年、こんなことを書いた。 パンデミックによる緊急事態宣言発令直後。通常でない精神状態の中でキーボードを叩いてる様子が伝わってくる。あの時は「長くても年内の辛抱だ」なんて思ってましたが、まさか一年経っても状況はほとんど変わってないとは。本当に在宅で一日を過ごすことがむしろ当たり前になりつつあるので、パンデミック前の日常に戻ったらどうなるのでしょうか。「あー、旅行でいちいち電車や飛行機に乗るのは面倒だから休日は自宅でゴロゴロしとくか」なんていう怠惰な人間になりそうで怖い。現に

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          ダイヤのA休載中の心構え

          社会人になってからあまりマンガを読まなくなってしまったが、職業柄、高校球児との共通の話題を持っておきたかったことから、球児たちから圧倒的な人気を誇っている「ダイヤのA」という高校野球マンガを読み始めたのは数年前のこと。読んでみたら面白かったので既刊コミックスはあっという間に読破。読み進めていたらいつの間にか連載に追いついてしまったので、今はマガジン本誌で最新話を追いかけてる。 ストーリーをコミックスで追っかけている人はここで退場してください。これ以降はネタバレになるので。タ

          ダイヤのA休載中の心構え

          【株式投資】コロナで値下がりしたから勝負をかけた【2020中間報告】

          この春はずっと自粛生活。映画鑑賞や読書、何かの勉強をすることで一日が終わるのを待っているような感じ。人と会えないし、遊びにも行けない。海外旅行や劇場で新作映画の鑑賞とかやりたいことがいっぱいあったんですよ。幸い、仕事はまだ無くなっておらず生きていく分にはまだ何とかなっていて、それだけでも幸せなことなのかもしれないけれど、でもやっぱり生存じゃなくて生活がしたいんですよ。食って寝るだけ、じゃなくてね。なのでコロナウイルスによる様々な制約から早く解放できる日を待ち望んでおります。

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          2019年ベスト映画トップ10を勝手に選んでみた

          2019年もあとわずか。今年もいろんな映画を観させてもらいました。そりゃもう数えきれないくらい観ました。まぁ数えてないだけなんですけども。なのでどんなものを観たかを振り返りつつ、せっかくなので振り返るのなら観賞作品の中から私的トップ10を選んでみました。 トップ10といっても、せっかく作品間で優劣をつけるので評価は雑にはできません。何かしらの基準を置かないと比較ができないので、作品の優劣を決めるための基準を作りました。その基準も、何か2019年っぽいものを基準にしたいなと考

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          【英国】映画「女王陛下のお気に入り」のロケ地に行ってきた【観光】

          断言には少し早いけれど、2019年に鑑賞した映画で個人的なベストは現時点で上記作品。現代屈指の変態映画監督であるヨルゴス・ランティモスのぶっとんだ演出に3人(オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン)の超一流女優たちがその期待以上の演技で応え、とてもすっごく非常に魅力的な作品に仕上がっております。 公開間もなくすぐに劇場に足を運び、この作品を鑑賞しましたが、雷に打たれたような感覚に襲われました。シンプルに言えば感動しました。今年ベストと言いましたが、本当は

          【英国】映画「女王陛下のお気に入り」のロケ地に行ってきた【観光】