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【本の紹介】ぎょらん/町田そのこ「時に誰かの救いとなり、時に救われて、笑って生きて下さい。」

つぶやきにも書きましたが、
猫の具合が悪く、朝から己の無力さに絶望し
こんなに泣いたのはいつぶりだろうと思うくらい
泣きじゃくった1日でしたが、
昨日今日全く寝ていなかったので2時間ほど仮眠し
すこし落ち着きました。
猫の方もよだれが止まり、落ち着いてきており
自分ですすんで少しだけお水を飲んでくれました。
明日の朝までは絶食で、その後朝ごはんを
食べてくれることを祈るしかなく、
何もしてあげられず胸が張り裂ける思いですが、
一緒に頑張ってねと、励まして側にいようと思います。

今日更新するつもりで少しずつ書いていた下書きは
ほぼ完成していたので、予定通り載せようと思います。
もしよろしければ、最後までお付き合いくださいね。



この夏読んだ本に、

「時に誰かの救いとなり、時に救われて、
笑って生きて下さい。」


という言葉があった。
本の中では遺言として出てくる。
母親が子供たちへ残した遺言として。

町田そのこさんの、
ぎょらん
という本です。

私は町田そのこさんが大好きで、
他の作品も本当に素晴らしいので
他の作品に関しても書きたいな、
と思っているのですが、
みなさんは町田そのこさんの作品は
何か読まれたことがありますか?

私がこれまでに読んだのは、
夜空に浮かぶチョコレートグラミー
うつくしが丘の不幸の家
52ヘルツのクジラたち
そしてこの夏読んだぎょらんなのですが、
どれも本当に心に残っています。
どれも読んでいて涙が溢れてしまうので、
外では読めませんが笑。

今回は、冒頭に書いた
ぎょらんに出てきた言葉について。

「時に誰かの救いとなり、時に救われて、
笑って生きて下さい。」


生きる中で、いや死ぬ時に、
これこそ理想だなと思いました。
大きなことでなくて良いと思うのです、
小さい小さいことで十分で。

私は、私だけではなく沢山の方が、
生きている中で感じたことがあるかもしれません、
自分なんて何の役にも立たないし無力だ、
誰にも必要とされていないし、
生きてる意味なんて、生きてる必要なんて、
何もないのではないか…
そんなふうに感じたことが。

私はたくさんあります、たくさんというか
もはやずっとそう思って生きているかもしれません。

そう思って生きてきた自分だから
強く思うのかもしれませんが、
本来、誰の役に立っていなくても
必要とされなくても、人は生きている価値が
あると今は思っています。
生きることに意味なんてなくていいんだと。
ただ生きている、それだけで十分じゃないかと
今はそう、はっきりと思っています。

だって、
生きてるだけで辛いことしんどいこと
悲しいこと苦しいこと情けないこと、
沢山たくさんありますし、生きづらい、
息がしづらいと、そう感じながら生きている人が
日本中、世界中にたくさんいると思うのです。

そんなふうに思うからこそ、
「時に誰かの救いとなり、時に救われて、
笑って生きて下さい。」
というこの言葉は
強くて美しくて優しくて真っ直ぐで
私の心に響きました。

自分が死ぬ時、
ああ色んな人に救われた、
自分も誰かを救えたかな、
そう笑って死ねたらそんな幸せなことはない、
ある意味で、私にとっては理想の人生だとさえ
思えるほどに。


ぎょらんは、生と死、家族の再生、という
少し重いテーマではありますが、
今回ピックアップした言葉だけでなく
心を打たれるような言葉やセリフがたくさん
出てくるので、もしまだ読まれたことがない方には、
ぜひ読んでみていただきたいな、と思います。

この作品に限らず町田そのこさんは
特に、女性の心や痛みを描くことに長けた方だと
読んでいていつも思うので、女性の方はぜひ。


最後に、ぎょらんの中で心に残った言葉を少しだけ
ご紹介しておしまいにしようと思います。

躓いた石のことをずっと引きずってしまう、っていうのかなぁ。もっとやわらかな考えができたらいいのに

好きだからって何でも受け入れちゃだめだったんだぞ

・意味なんて、自分で好きに見いだしていいんだ
それが自分にとっての真実になるんだよ

『死』は生きているものの横に存在しているのに、
『死』の持つ強さに中(あ)てられ過ぎる。

・強いわけじゃない。ただ、頑張っていたんだ。
必死で強くなろうとしていただけなんだ。

ぜひ。




それでは今日はこの辺で。


最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。


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